藤井聡太が永瀬拓矢王座を激闘の末に破り、史上初の八冠独占を成し遂げました。

ケチのつけようのない大偉業です。勝利後のインタビューで「まだまだ実力が足りない」と反省の弁を静かに語る〝議論する余地のない王者〟にはすでに風格すら漂っていました。

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「史上初」の八冠独占ですが、最初から八つもタイトルがあったわけではありません。

過去に将棋全冠を独占した棋士は升田幸三(1957年7月11日:名人・九段・王将/39歳3ヶ月)、大山康晴(1963年2月2日:名人・十段・王将・王位・棋聖/39歳10ヶ月)、羽生善治(1996年2月14日:竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖/25歳4ヶ月)の3人。

この3人は全盛期にタイトルが八つもなかったので、八冠独占は物理的に不可能でした。

羽生の七冠に叡王を加えた八冠を独占した藤井を際立たせているのは、21歳2ヶ月という年齢でしょう。

驚くべきは、羽生のタイトル独占最年少記録を4歳2ヶ月も更新したその若さなのです。

もはやこの盤上の格闘技には「若く柔軟な脳」という臓器も必要条件になっているのかもしれません。


不惑を目前にして偉業を成し遂げた升田や大山の時代は「人生経験が土壇場の勝負で生きる」と言われていた古き良き時代でした。

超ベビースモーカーで大酒豪だった升田の時代など、いまでは信じられません。

坂田三吉や升田幸三、将棋盤を離れた伝説のエピソードの数々は現代では考えられないものばかりです。

小説や映画の話じゃないのか?本当に実在したのか?というレベルです。

トラッシュトーカーの棋士って何それ?です。

升田が美少女棋士・中井広恵に「女は将棋なんて指さなくていい。抱き心地さえ良ければいいんだ」と言い放ったエピソードなど、いまならタイトル剥奪、出場停止処分に謝罪会見、ネット上は孤立無援の大炎上です。

地下鉄の一駅二駅の短い時間に思いつくまま、こんなことを書き連ねてると、升田幸三擁護派だと誤解されそうですが、棋士は将棋でファンを魅了するだけでいいのです。

藤井聡太や大谷翔平のストイックさ、レベルの高いところで魅せる、そんな姿勢こそが素晴らしいのです。


…あ、しかしながら、誰がどう考えても升田幸三ほどドラマティックで斬新で魅惑的な将棋指しはいませんね…。

なにはともあれ、あんなこんなのいろんな思いを巡らせてくれる大偉業です。

藤井聡太、ありがとうございます!!!おめでとうございます!!!