モハメド・アリがリングを去った1980年代から、シュガー・レイ・レナード、マイク・タイソンと繋がれたスーパースターのトーチは〝一段低い〟フリオ・セサール・チャベスから、オスカー・デラホーヤが再びトップステージに引き上げ、フロイド・メイウェザーとマニー・パッキャオがバトンをつなぎ、現在のカネロ・アルバレスがその灯火を守り続けています。

残念ながら、このスターの物語は日本のリングで好きなように繰り広げられているジュニアライト級以下の軽量級とは全く関係のない話です。

逆にいうと、もし〝そこ〟に踏み込む気がない、ストロー級からフライ級やバンタム、フェザー級あたりで何かをしようとするなら、全く別の物語を紡ぐしかないのです。

それをしないで、フライ・バンタムあたりでも〝そこ〟とリンクしているかのように騙るデマゴーグは控えなければなりません。

そして、これまで塗り固め続けていた嘘が剥落、破綻しても、全く別の物語を誠実に紡ぐことは可能です。

欧米で相手にされないくとも、素晴らしい世界があることを、しっかり伝えてゆきましょう。



前置きが長くなりまっしたが、今夜のテーマは、カネロが手にしている〝アレ〟、トーチの話です。

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カネロは米国ボクシング最後のスーパースター?


今日のカネロvsジャーメル・チャーロ。

多くのファンは「面白くなかった」と感じたでしょう。

もちろん、スターダムにノシ上がったスーパースターが、それでもなお、面白い試合を提供することなんて、まずあり得ません。

フロイド・メイウェザーなんて論外、マニー・パッキャオにしても面白い試合なんてリッキー・ハットンとミゲール・コットの2試合だけ。

スーパースター、問答無用のAサイドになると、誰もが守りに入って、面白くない試合をやってしまうのは当然です。

歴史は、そんなスタイルでトーチをリレーしてきたのです。

凡庸なレオン・スピンクスに判定で雪辱するのが精一杯のアリが、ヘビー級にないスピードと回転力を見せるレナードにスターの座を禅譲。

Aサイドの特権をファンが幻滅しまくるまで行使したレナードが小さな相手に惨敗、誰が相手でも全身全霊でぶつかるチャベスがメキシカン・スタイルの理想(教義)を完成させ、デラホーヤ、メイウェザー、パッキャオ、カネロへと、より野望に燃えた若者にトーチはリレーされてきました。

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本文とはあまり関係がありません。


今日、T -モバの試合を見て私たちが感じたことは、カネロの終わりが近いということです。

おそらく、カネロは、誰もが認める旬の強豪とは一度も戦わずに、一度の番狂せも起こせないまま、その作られたキャリアを終えるのでしょう。

もちろん、せっかく敷いた線路でも脱線したり、周到に作ったマッチメイクで番狂せを起こされるスターも珍しくありません。

その点では、カネロは温室栽培のマニュアル、線路の上はこう走れ!という見本です。

米国ボクシングの没落に歯止めがかからない状況でスターになったカネロは、不幸だったかもしれません。

その消え掛かったトーチを渡すべきスター候補が、全く見当たらないのですから。

ライアン・ガルシアは、許容範囲を遥かに超えて弱すぎる。ガーボンタ・デービスはライアンやサンタクルスなしでは成立しない、自ら光を発することの出来ない〝衛星〟で、何よりも小さすぎる。

〝軽量級のマルガリート〟エマヌエル・ナバレッテも現時点でジュニアライト級=滑走路に入ったところでは、どこまで飛べるかはたかが知れている…。

米国市場のスターダムの系譜は…カネロの引退、あるいは惨敗で、息絶えてしまうのでしょうか?