来月14日、箱根駅伝予選会が開催されます。

来年1月2-3日の本選は第100回大会という節目ということで、今回の予選会は全国の大学に門戸が開放されました。

立命館や京都産業、中京など各地域の強豪校が予選突破に挑戦します。

今回の予選突破枠は3校増えて13。それでも他地域から参加の大学が本選切符を獲得するのは絶望的、挑戦は惨敗に終わると決めつけられています。

ハーフマラソンの成績で争うという、不慣れで長過ぎる距離だけでなく、関東の大学とはそもそもの実力と層の厚さが全く別次元だからです。

上位15位レベルに食い込める実力があれば、前を走る大学のアクシデント前提で13位に滑り込む可能性もありますが、その実力もないというのが現実です。

専門家やファンが「絶対に無理」と決めつけた常識を、大谷翔平やマニー・パッキャオはこれ以上ない形で破壊して見せましたが、野球やボクシングで数値化されるデータは参考資料に過ぎません。

ユニコーンとパックマンは、周囲がわかっていなかっただけで、あれは奇跡でもなんでもなく、必然でした。

一方で、陸上競技の記録は勝負にほぼ直結する絶対的なデータです。

トラックの成績がロードにそのまま反映されるとは限らない、短い期間で驚異的な自己記録更新を達成する選手もいるーーーとはいえ、それは特別な個体に限定され、予選会の10人全員に同時に起きるわけがない怪奇現象です。

10月14日には、当たり前の結果が当たり前に起きるだけでしょう。

彼らはパッキャオでも大谷翔平でもない、21世紀のドン・キホーテです。

無謀な挑戦は全て失敗に帰します。

それでも、10校以上、150人以上(1校14人まで出走可)ものドン・キホーテたちが蟷螂の斧を死に物狂いで振り回すなんて、ちょっと面白い光景じゃないですか。

彼らが本選切符を獲得することは99%不可能です。

それでも、惨敗した彼らは〝何か〟を感じて故郷に帰るはずです。

もしかしたら、その〝何か〟は目に見えないタスキで、彼らは母校の後輩たちへそれを繋ぐかもしれません。


成功の確率が絶望的な挑戦です。

それが〝記念受験〟的な感覚なら愚かな挑戦ですが、真剣に必死に蟷螂の斧を振り回して最後に力尽きるというなら、それは愚かな挑戦などではありません。

来月14日、地上波生中継されるそうです。

空前絶後の〝蟷螂の斧祭り〟をたっぷり楽しませてもらいましょう。

彼らが掴み取る〝何か〟が、無謀な挑戦から逃げ続けてきた私にも、もしかしたら見えるかもしれません。