リング誌電子版(プリントバージョンが廃刊になった今、この表記は意味がないですね)が、マイク・タイソンの37年前の今日9月6日の試合を振り返り。

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*****今日、9月6日は37年前の1986年にマイク・タイソンがアルフォンソ・ラトリフを2ラウンドで破壊、WBCヘビー級王者トレバー・バービックとの世界戦を決定させた日でした。

この年、タイソンは13度もリングに上がり、13度目でバービックを〝宇宙遊泳〟させてKO、20歳5ヶ月の史上最年少で世界ヘビー級王座に就くのでした。

信者たちがタイソンを語るとき「自分よりも大きな相手をバタバタ倒した」という表現がデフォルトですが、ボクシングで身長やリーチは「戦う距離の問題」でしかありません。

「最も重要な問題は体重」です。だから階級は身長でもリーチでもなく、体重で区切られているのです。

単純な身長やリーチのサイズ差が勝敗に直結しないことは、ボクシングを少しでも見たことがある人なら誰にでもわかることでしょう。

ただし、階級の壁という言葉が存在するように、体重は勝敗を決める大きな要因です。

タイソンは確かに小さなサイズのヘビー級でしたが、当時としては重いヘビー級だったことを忘れてはなりません。

タイソンは56戦50勝(44KO)6敗(5KO)のキャリアの中で、自分よリも重い相手と戦ったのは27回とキャリアの約半分だけ。特に、印象的なKOを連発したキャリア序盤は軽くて弱い相手がほとんどでした。

13度リングに上がった1986年で自分より重い相手は、わずか3回。もちろん、相手は世界基準に遠いボクサーで、まともと言えるのは、リングの内外でライバルだったミッチ・グリーンだけ。この試合はダウンを奪えず、判定まで持つれました。

自分よりも重い相手と戦ったのは、世界戦に限定すると10回、その内訳は8勝2敗。レノックス・ルイスとバスター・ダグラスに惨敗、勝った相手は、名前だけなら完全ロートルでいきなりの復帰戦だったラリー・ホームズ、旬の強豪は〝何かが足りないのではなく何もかもが足りない〟フランク・ブルーノという寂しさ。

1対1のスポーツで最も厄介な相手は、異質な相手です。野球で左投手の需要が高いのは異質で練習相手に苦労するからです。

ボクサーのサウスポーも同じで、同じ階級で飛び抜けてサイズが小さい相手も厄介な異質です。

これが、同じ階級でサイズが大きい相手なら、上の階級の選手と練習すれば良いのですが、小さいとなると下の階級の弱い相手としか練習できません。

タイソンやナジーム・ハメドら「小さいのに大きな相手と戦ってスゴい!」というのは、体重を確認してから言うことです。

なぜ、タイソンの評価が信者たちの期待を嘲笑うように低いのか?ハメドの評価が軟弱なのはファン・マヌエル・マルケスとの対戦をあからさまに敬遠したから、というのも大きいのですが、この二人は強い相手についに一度も勝つことがなく、大一番で勝負弱さを露呈したからです。



ちなみに、ラトリフは201ポンド、タイソンは221.5ポンド。バービックは218.5ポンド、タイソンは221.25ポンドでした。

もちろん、タイソンとハメドがボクシング界に与えたインパクトは飛び抜けて偉大です。ただ、その勢いで実力まで評価すると、アレ?というランキングを目にして戸惑ってしまいます。

とはいえ、信者たちの思いを裏切るように、彼らの評価が低くても、それはあくまで後世の実力評価に過ぎず、プロとしての偉大さには何ら変わりはありません。