前回は10年前、リング誌2013年6月号のジュニアフェザー級ランキングを振り返りました。

今回は5年前、2018年6月号です。この号では多くの連載企画が廃止、ページ数も半減、月間体制崩壊とリング誌の経営難は明らかでした。

さて、この号のジュニアフェザー級では岩佐亮佑が8位にランクイン。そして、10年前もトップ10でクルーズしていた亀田和毅も10位に踏ん張っています。

和毅は、4−Belt eraでなければ世界王者になれたかどうか極めて怪しいボクサーですが、その実力が安定して世界基準にあること、バンタム級時代を含めてトップ戦線に長く止まっている規律の高さは賞賛すべきでしょう。


1位はノニト・ドネアにレッスンを施したギレルモ・リゴンドー。オフィシャルは116-111/115−112/114−113でしたが、多くのメディアやファンは118−110(ドネアが取ったのはダウンを奪った10ラウンドだけ)と、キューバの天才がボクシングIQの差を見せつけた試合でした。

そのリゴンドーも大阪で天笠尚にダウンを奪われるなど劣化の綻びを見せ、ワシル・ロマチェンコとのエリート決戦では惨敗。坂道を転がり落ちてゆきます。

ロマチェンコ戦はボクシングマニア垂涎のマッチアップでしたが、キューバ人とウクライナ人のジュニアライト級、舞台はマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)のシアターが精一杯、一般的なボクシングファンの興味を刺激することは出来ませんでした。

2位はドネアにスピード勝ちしたジェシー・マグダレノ、3位にレイ・バルガス、4位にダニー・ローマン、5位にディエゴ・マラドーナ。 

7位のアイザック・ドグボエも評価の高いファイターでした。エマヌエル・ナバレッテに大番狂せで敗れるのは、この年の12月8日。後出しの結果論では何とでも言えます。当時は〝ノーランカー〟のメキシカンはノーチャンスと見られていました。 

この5年前でも、井上尚弥が乗り込めば相当に面白いカードが組めそうです。井上が生まれるのが、あと5年早ければ…。 

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この号は本来ならゲンナジー・ゴロフキンとカネロ・アルバレスとのメガファイトを特集するはずでしたが、カネロのドーピングで試合が暗礁に乗り上げたことで、急遽差し替えに。

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すでに決まっていた表紙↑は、急遽「ロマチェンコvsホルヘ・リナレス」↓に差し替えられました。

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内容もライト級に焦点を当てた記事に変更。

ロマチェンコとリナレスの勝敗・展開予想に加えて、「MADISON SQUARE GARDEN'S LEGACY OF 135- POUND TITLE FIGHTS〜 MSGを彩ったライト級のタイトルファイト」「STEPPING UP〜ジュニアライト級はライト級へのジャンピングボード」などの記事も。

「STEPPING UP」。マイキー・ガルシアが口にしたように、スターを目指すなら「フェザー級やジュニアライト級は長居してはいけないクラス」です。

米国市場の目線を考えるのに一番わかりやすいのは、ライト級が文字通り「軽量級」ということです。

人気者のメキシカンが絡むなどのレアケースを除くとジュニアライト級以下、つまり「軽量級よりもさらに軽い階級」は大きな関心が払われることがない「そんな階級に存在意味があるの?」という純粋に疑問視されてしまうゾーンです。

ジュニアフェザー以下ともなると「ミゼットボクシング」という言葉が普通に使われるように「小さいのによく頑張ってる」という同情まで入って来ますが、積極的に興味を持たれることはまずありません。

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この常識に風穴を開けたのがオスカー・デラホーヤであり、フロイド・メイウェザーでした。

また、マニー・パッキャオに至っては、フレディ・ローチですら知らないフライ級の世界王者でした。

しかし、デラホーヤは「五輪金メダル」の「メキシコ系」で、人気が盛り上がったのは「ライト級」から。

メイウェザーは「下劣な行為を繰り返すマネー」に変身してから人気(不人気・嫌悪)を沸騰させましたが、それは注目度が跳ね上がる「ウエルター級」になってからのことでした。

パッキャオがジュニアライト級で注目されたのは、人気(有名なメキシカン)と実力(PFPファイター)を兼ね備えた「ライバルが3人も揃って包囲網」を形成してくれたという幸運が全て。

いずれにしても、デラホーヤやメイウェザー、パッキャオがこじ開けたジュニアライト級の風穴は彼らが通り抜けるとすぐに閉じられてしまう、特別な通行手形が必要な狭き門で、彼らもそこがゴールとは考えていませんでした。

彼らにとってジュニアライト級は〝最も不遇な時代〟で、もっと先へ行くための踏み台だったのです。

しかし、それは欧米の話。日本では欧米の人気階級にタレントがいない、いてもチャンスがないこともあって軽量級がスタンダードに人気があります。

「世界」を見据えたとき、現実的なターゲットになるのはジュニアライト級が最重量というのが日本の実情です。

世界的な傾向と比べると、日本ではジュニアライト級がヘビー級、フライ級やバンタム級がウエルター級やミドル級の位置付けでしょうか。

となると、ジュニアフェザー級はカネロが主戦場にし、英国でも伝統的に人気があるスーパーミドル級です。ファンのイメージとしては「結構、重い方」になるでしょう。