リング誌/WBOジュニアウエルター級王者ジョシュ・テイラーとテオフィモ・ロペスのタイトルマッチが日本時間の明日、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)で行われます。

前日計量は、王者テイラーが138.8ポンドでクリア。ロペスは、全裸で秤に乗ってリミット一杯の140ポンド。

オッズはテイラーが4/7(1.57倍)、ロペス6/4(2.5倍)。

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テイラーは2019年5月18日にTHE SSE Hydroアリーナで、IBF王者イバン・バランチクとの無敗対決を制して戴冠(この興行のアンダーカードが「井上尚弥vsエマヌエル・ロドリゲス」)しますが、チケットの売れ行きが芳しくなく、中上階席を封鎖しての開催。

それでも、ホセ・カルロス・ラミレスを敵地で倒してUndisputed championになったテイラーは英国のスター候補の一人のはずなのですが、人気面では同じクラスを席巻したリッキー・ハットンとは天地の差、「強いけど地味」な存在に甘んじていました。

あのハットンと同じ階級だったがために、比較される不運はあったとはいえ〝タータン・トルネード〟とはとても思えない、テーラーのそよ風のような受け身のボクシング・スタイルも人気が盛り上がらない一因でした。

そして、同胞のジャック・カテラルを迎えた統一タイトルの初防衛戦。

圧倒的有利と見られた〝ご褒美ファイト〟でしたが、スプリットデジションで薄氷の勝利。大多数のメディアやファンが「勝ったのはカテラル」と断言され、テイラーは「地味だけど強い王者」から「ズルい判定で勝った地味なヤツ」に格落ち。もちろん、おかしな判定を下したのはジャッジですが、人はそう見てくれません。

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一方のロペスは2020年10月17日、あのワシル・ロマチェンコに勝利してリング誌/WBA/WBC/WBOライト級のタイトルを掌握。WBCが「最高権威のフランチャイズ王座もステイクできる」と表明、試合を生中継したESPNなど一部のメディアはロペスをUndisputed championと持て囃しました。

テイラーとは逆で「派手だけど実力は?」だったロペスは、この勝利で実力を証明した格好でしたが、テイラーと同じように初防衛戦で座礁。

「何ラウンドで倒すか?」と見られていたジョージ・カンボソスJr.にダウンを奪われた末にスプリットデジションで敗退、タイトルを全て失ってしまいます。

さらに昨年12月には、サンドロ・マーティンにダウンを奪われながらもなんとかスプリットデジションで勝利、「人気先行の凡庸なファイター」に逆戻り。



1試合で評価を急騰させた二人は、たった1試合で評価を暴落させてしまった、似たもの同士です。

そして、そんな二人の激突は、勝者が落ちた評価を再び引き上げるのに有効な舞台装置と言えるでしょう。

それにしても、です。人気階級のビッグネームが Redemptionの舞台に上がる、というのに舞台はMSGのスポーツ・アリーナではなく、最大キャパで5000人程度のシアター。那須川天心や井上尚弥なら、こんな小さい箱はありえません。

トップランクが衰退したことよりも、米国ボクシングがまともな人気カードを組めない状況がさらに深刻化した象徴的な〝シアター〟に見えてきます…。