中谷潤人がフライ級に続いてジュニアバンタム級でもWBOのストラップを獲得、全く危なげなく2階級制覇に成功しました。

第2ラウンドにダウンを奪ったところまでは、いつフィニッシュするのかという内容でしたが、第3ラウンドに偶然のバッティングで左眉上をカット。

以降は、後々のキャリアも考えて傷口を悪化させるような戦いを避けることがメインテーマになったようにも見えました。

この展開が、実力で大きく劣るアンドリュー・モロニーが消耗とダメージを増幅させる原因になり、衝撃的な最終回のKO劇に結びつきました。

カットがなければもっと早い段階で、レフェリーストップを呼び込めたでしょう。

11ラウンドに綺麗に倒されたこの試合2度目のダウン、ロープを掴んで体を起こすモロニーの姿からもダメージはほぼ限界。あそこでストップするか、11ラウンド終了時のインタバルで陣営は「これ以上打たれたらタオルを投げる」と送り出すのではなく、棄権を申し出るべきだったかもしれません。

中谷にもダメージを与えていたら、差し違える作戦もありでしょうが、カット以外は無傷。攻撃力も装甲力も激減した状態で玉砕戦法に出るのは、あまりに無謀でした。

モロニーは、どのメディアの階級ランキングでも10傑に入っているこのクラスの強豪で、アルファベット団体のなんちゃって世界ランカーではありません。

超軽量級で最もタレント豊富なジュニアバンタム級でも、モロニーにあそこまで圧勝できるファイターが何人いるでしょうか?

さて、下記はTransnational Boxing Rankings Board(TBRB) のPFPランキングです。


①Naoya Inoue  JPN 24-0-0 (21) Bantam
 
②Oleksandr Usyk  UKR 19-0-0 (13) Heavy
 
③Terence Crawford USA 37-0-0 (28) Welter
 
④Errol Spence Jr. USA 27-0-0 (21) Welter
 
⑤Dmitry Bivol RUS 20-0-0 (11) Light Heavy
 
⑥Juan Francisco Estrada MEX 44-3-0 (28) Jr. Bantam
 
⑦Tyson Fury ENG 33-0-1 (24) Heavy
 
⑧Saul Alvarez MEX 59-2-2 (39) Super Middle
 
⑨Artur Beterbiev  CAN 18-0-0 (18) Light Heavy
 
⑩Jermell Charlo USA 35-1-1 (19) Jr. Middle

※青字はLineal champion


このトップ10の一角を崩すのは難しそうですが、昨年5月14日から1年以上もリングを離れているジャーメル・チャーロ、やはり昨年8月20日からブランクを作っているオレクサンダー・ウシク、12月3日から半年の試合間隔が空いているタイソン・フューリーらはランクアウトの危機に晒されています。

ほぼ全てのメディアでPFPと認められているのは井上尚弥、オレクサンデル・ウシク、テレンス・クロフォード、エロール・スペンスJr.、ドミトリー・ビボル、カネロ・アルバレスの7人。

4戦全勝4KOとはいえ、世界戦をまだ4試合しか戦っていない中谷では、この7人までは、まだ距離が空いています。

それでも、現時点の中谷がPFP圏突入を伺っているガーボンタ・デービスやシャクール・スティーブンソンらのと同じ予備軍に所属しているのは間違いありません。

そして、そのグループの中でも中谷は「PFPに有利な超軽量級で評価の高いファイターがひしめいているジュニアバンタム級」という所属先からも最短距離にいます。