ブランドン・フィゲロアとマーク・マグサヨが争うWBCフェザー級暫定タイトル。

正規王者のレイ・バルガスがジュニアライト級挑戦に失敗、フェザー級に出戻ってくる可能性も否定できませんが、フィゲロアとマグサヨの勝者が近いうちに正規王者に格上げされるはずです。



さて、WBCフェザー級のストラップは2006年1月26日に越本隆志が王者・池仁珍との激闘をSDでものにします。

35歳での世界タイトル獲得は当時の最年長記録。柴田国明がクレメンテ・サンチェスに敗れてから34年も日本列島を離れていたフェザー級のベルトを取り戻した勝利でもありました。

しかし、越本はロドルフォ・ロペスに7ラウンドでストップされて王座陥落、初防衛戦に失敗してしまいます。

それでも再び日本にフェザー級タイトルを取り戻すのに、今度は34年もかかりません。

2009年3月12日に粟生隆寛(那須川天心のトレーナー)が王者オスカー・ラリオスから最終回にダウンを奪う完勝でタイトル奪取。西城正三、柴田国明、越本に続く史上4人目のフェザー級タイトルホルダーに就きました。

しかし、粟生もエリオ・ロハスに翻弄されて初防衛戦に失敗。

ロハスはWBA王者ユリオルキス・ガンボアとの統一戦がまとまりますが、肩を負傷して休養王者に。

2010年11月26日、1位ファン・カルロス・ブルゴスと2位長谷川穂積の間で王者決定戦が行われ、長谷川が「フェザー級最強」「無敗のKOマシーン」と喧伝されたブルゴスを押し切って、史上5人目の世界フェザー級王者になりました。

当時のフェザー級シーンは、トップランクがガンボアとファンマ・ロペスのビッグファイトを計画、この二人にマイキー・ガルシアを加えた3強が中心になると考えられていました。

2011年4月8日、長谷川はジョニー・ゴンサレスに4ラウンドで破壊され、やはり初防衛戦に失敗。フェザー級のストラップを失って12年の時が流れようとしています。

ジョニゴンは苦手のダニエル・ポンセ・デレオンにストップされてタイトル喪失しますが、デレオンからタイトルを奪ったスター選手アブネル・マレスを10−1のオッズを跳ね返す大番狂せで初回KO、返り咲きを果たします。

2015年3月28日、そのジョニゴンをスピードで圧倒して4ラウンドでTKOしたのがゲイリー・ラッセルJr.。1年前にワシル・ロマチェンコの超絶技巧の前に為す術もなく敗れていたラッセルでしたが、ジョニゴンには楽勝。ロマチェンコは一体どれほど強いのか、想像力を掻き立てられたものでした。

念願の世界王者となったラッセルですがファンベースは脆弱、ゴールデンボーイ・プロモーションズの衰退、コロナ禍も重なり、2015年のタイトル獲得から2022年にマグサヨに敗れるまでの7年間でリングに上がったのは7回、試合枯れに悩まされます。

この間、ラッセルは「ウェルター級への転向」まで公言するなど必死にアピールしますが、不人気階級の不人気王者の声に耳を傾けてくれる人はほとんどいませんでした。

ラッセル陥落で液状化したフェザー級戦線。WBCというアルファベットを外した全体像でも、マウリシオ・ララ、ルイス・アルベルト・ロペスに過大評価も甚だしい英国人(ジョシュ・ウォリントン、リー・ウッド、マイケル・コンラン)と今ひとつ盛り上がりに欠ける風景が広がっています。

4月1日、エマヌエル・ナバレッテが返上したWBOタイトルの王者決定戦をロベイシ・ラミレスとアイザック・ドグボエが争いますが、ここでキューバのサウスポーが鮮やかに勝利するようなら強力なスパイスになるのですが…。