世界的な統括団体が存在しないプロボクシングでは、選手評価は成績やタイトルではなく「誰に勝ったのか?」に集約されます。
「日本史上最高のボクサーは誰?」という問いかけに、世界評価はファイティング原田一択にもかかわらず、国内では「無敵の3階級制覇」井上尚弥や「史上最多4階級制覇」井岡一翔、「連続13回防衛」具志堅用高、「バンタム10連続防衛・3階級制覇・王者のまま引退」長谷川穂積…原田はベスト3にも入らないかもしれません。
そのギャップの最大の理由は、原田が活躍した時代から60年近くの長い歳月が流れて、当時の記憶が希釈化されていることよりも、「誰に勝ったのか?」という評価基準から離れてしまっていることです。
井上や井岡らの「最高の理由」は、いずれも「誰に勝ったのか?」とは関係がありません。
「現代の日本人最高 」という問いかけでは、井上が圧倒的支持を集めると思われますが「誰に勝ったか?」という視点で井岡と比較すると、実は極めて微妙です。
井上も井岡も「旬の強豪・勢いのあるホープ(これもかなり曖昧な基準です)」と戦い快勝していますが、「旬の未来の殿堂選手」はもちろん、「現役PFPファイター」でも一人もいません。
もしかしたら、エマヌエル・ロドリゲスやフェリックス・アルバラード、田中恒成が殿堂入りするかもしれませんが…。
ロドやアルバは冗談にしても、恒成は怪しいですねぇ。その意味でここは井岡が一歩リードか?
「プライムタイムを過ぎた未来の殿堂選手」なら、ノニト・ドネア。
ドニー・ニエテスも可能性ありですが、井岡は1勝1敗。ドネアに明白に連勝、再戦では見事粉砕している井上に軍配です。
井上の評価の高さの源泉は〝ここ〟です。英国ボクシングニューズ誌は長谷川を「バンタムのタイソン」と呼び、井上も「ミニタイソン」と表現しましたが、まさにその通り。対戦相手の質を忘れさせるタイソン的な鮮烈な勝ち方が特徴です。
長谷川はもちろん、タイソンの後世での世界評価がどうなったかは言わずもがな、です。
「未来のPFPファイター」という点では井岡の対戦相手にはアムナット・ルエンロンとドニー・ニエテスがいますがいずれも敗北。二人とも「井岡に勝ってPFP入り」という背景はあるにせよ、負けてたら意味がありません。ここでも、恒成が不気味です。
返す返すも、あの勝利は「戦うメリットがない」(井岡)なんて試合どころか、井岡のキャリア最高の勝利と言い切っても差し支えないでしょう。
そして井上は「未来のPFPファイター」もゼロ。
さらにハードルを「過去のPFPファイター」まで引き下げると、井上はドネア、井岡はニエテス(再戦時)。
これ以上ハードルを下げると訳が分からなくなりますが、井上のオマール・ナルバエス(当時39歳)の〝老人殺し〟と、井岡のキービン・ララ&ハビエル・シントロンの〝過大評価のホープ潰し〟も挙げておきます。
辛辣な表現になってしまいましたが、井上はドネアも含めて〝ベテラン・デストロイヤー〟、井岡は恒成も入れて〝若手ピッカー〟の性格が見えてきます。
突き止めてしまうと、井上が勝った最高の相手は「39歳のドネア(再戦)」であり、井岡は「恒成」ということです。これは、誰も異論がないでしょう。
「誰に勝ったのか?」が、すぐに思い浮かぶのは悪いことではありませんが、良いことでもありません。この問いかけをパッキャオに当てはめると、喧々諤々になるでしょう。
タレントが少ない、欧米の関心が低い軽量級では、ただでさえ難題の「誰に勝ったのか?」のテーマはさらに厳しいハードルになるのは当然です。
パッキャオはわずか3年余りで3人の「未来の一発殿堂」「現役PFPファイター」を相手に延べ6試合を戦い4勝1敗1分をマークしましたが、あれは軽量級なのになぜか超ビッグネームが3人も雁首そろえて待っててくれたという幸運でしかありません。
そして、軽量級とはいえ、そのパッキャオのパフォーマンスですらフェザー級〜ジュニアライト級にかけて演じられたということも見逃せません。
井上が「(MGMグランドガーデンアリーナでメインを張る夢を叶えるには)最低でもフェザー」と語ったのは、あながち間違いではありません。
しかし、それは「ありえないレベルのビッグネームがなぜかフェザー級なんかにいる」という超がいくるも付く幸運が絶対条件です。
60年前なら事情は違います。
1団体10〜11階級の時代に活躍した原田の時代にPFPランキングがあれば、原田が何人もの現役PFPに勝っていたのは間違いありません。そのうちの一人が1位のエデル・ジョフレです。
目の前にまっすぐ伸びる一本道を突き進んでいけば、必ず栄光がある。勝ち続けていれば必ず頂点にたどり着き、「誰に勝ったの?」なんて言われる筋合いもない時代。
原田もまた、パッキャオ同様に幸運に恵まれたファイターでした。
「日本史上最高のボクサーは誰?」という問いかけに、世界評価はファイティング原田一択にもかかわらず、国内では「無敵の3階級制覇」井上尚弥や「史上最多4階級制覇」井岡一翔、「連続13回防衛」具志堅用高、「バンタム10連続防衛・3階級制覇・王者のまま引退」長谷川穂積…原田はベスト3にも入らないかもしれません。
そのギャップの最大の理由は、原田が活躍した時代から60年近くの長い歳月が流れて、当時の記憶が希釈化されていることよりも、「誰に勝ったのか?」という評価基準から離れてしまっていることです。
2019年、2度の単独カバーを含めて3度もリング誌の表紙を飾った井上は、その年11月にWBSS優勝を飾り、さらなる活躍を見せたにもかかわらず、4度目の登場はないままリング誌は廃刊…。
井上や井岡らの「最高の理由」は、いずれも「誰に勝ったのか?」とは関係がありません。
「現代の日本人最高 」という問いかけでは、井上が圧倒的支持を集めると思われますが「誰に勝ったか?」という視点で井岡と比較すると、実は極めて微妙です。
井上も井岡も「旬の強豪・勢いのあるホープ(これもかなり曖昧な基準です)」と戦い快勝していますが、「旬の未来の殿堂選手」はもちろん、「現役PFPファイター」でも一人もいません。
もしかしたら、エマヌエル・ロドリゲスやフェリックス・アルバラード、田中恒成が殿堂入りするかもしれませんが…。
ロドやアルバは冗談にしても、恒成は怪しいですねぇ。その意味でここは井岡が一歩リードか?
「プライムタイムを過ぎた未来の殿堂選手」なら、ノニト・ドネア。
ドニー・ニエテスも可能性ありですが、井岡は1勝1敗。ドネアに明白に連勝、再戦では見事粉砕している井上に軍配です。
井上の評価の高さの源泉は〝ここ〟です。英国ボクシングニューズ誌は長谷川を「バンタムのタイソン」と呼び、井上も「ミニタイソン」と表現しましたが、まさにその通り。対戦相手の質を忘れさせるタイソン的な鮮烈な勝ち方が特徴です。
長谷川はもちろん、タイソンの後世での世界評価がどうなったかは言わずもがな、です。
「未来のPFPファイター」という点では井岡の対戦相手にはアムナット・ルエンロンとドニー・ニエテスがいますがいずれも敗北。二人とも「井岡に勝ってPFP入り」という背景はあるにせよ、負けてたら意味がありません。ここでも、恒成が不気味です。
返す返すも、あの勝利は「戦うメリットがない」(井岡)なんて試合どころか、井岡のキャリア最高の勝利と言い切っても差し支えないでしょう。
そして井上は「未来のPFPファイター」もゼロ。
さらにハードルを「過去のPFPファイター」まで引き下げると、井上はドネア、井岡はニエテス(再戦時)。
これ以上ハードルを下げると訳が分からなくなりますが、井上のオマール・ナルバエス(当時39歳)の〝老人殺し〟と、井岡のキービン・ララ&ハビエル・シントロンの〝過大評価のホープ潰し〟も挙げておきます。
辛辣な表現になってしまいましたが、井上はドネアも含めて〝ベテラン・デストロイヤー〟、井岡は恒成も入れて〝若手ピッカー〟の性格が見えてきます。
突き止めてしまうと、井上が勝った最高の相手は「39歳のドネア(再戦)」であり、井岡は「恒成」ということです。これは、誰も異論がないでしょう。
「誰に勝ったのか?」が、すぐに思い浮かぶのは悪いことではありませんが、良いことでもありません。この問いかけをパッキャオに当てはめると、喧々諤々になるでしょう。
タレントが少ない、欧米の関心が低い軽量級では、ただでさえ難題の「誰に勝ったのか?」のテーマはさらに厳しいハードルになるのは当然です。
パッキャオはわずか3年余りで3人の「未来の一発殿堂」「現役PFPファイター」を相手に延べ6試合を戦い4勝1敗1分をマークしましたが、あれは軽量級なのになぜか超ビッグネームが3人も雁首そろえて待っててくれたという幸運でしかありません。
そして、軽量級とはいえ、そのパッキャオのパフォーマンスですらフェザー級〜ジュニアライト級にかけて演じられたということも見逃せません。
井上が「(MGMグランドガーデンアリーナでメインを張る夢を叶えるには)最低でもフェザー」と語ったのは、あながち間違いではありません。
しかし、それは「ありえないレベルのビッグネームがなぜかフェザー級なんかにいる」という超がいくるも付く幸運が絶対条件です。
スポーツイラストレイテッド(SI)誌に特集されたファイティング原田。電子版のSIでもいいから、井上が取り上げられる日が来るでしょうか?バンタム級を完全統一したら、一般スポーツメディアでも扱われることを期待したいです。
60年前なら事情は違います。
1団体10〜11階級の時代に活躍した原田の時代にPFPランキングがあれば、原田が何人もの現役PFPに勝っていたのは間違いありません。そのうちの一人が1位のエデル・ジョフレです。
目の前にまっすぐ伸びる一本道を突き進んでいけば、必ず栄光がある。勝ち続けていれば必ず頂点にたどり着き、「誰に勝ったの?」なんて言われる筋合いもない時代。
原田もまた、パッキャオ同様に幸運に恵まれたファイターでした。



コメント
コメント一覧 (7)
フシ穴の眼
が
しました
たいせない手はギリギリ解読できました(笑)
フシ穴の眼
が
しました
田中も田中でライトフライ級で怪我した時、何故さっさとフライ級に上げてしまったのか……そして何故フライ級で統一戦もせずにまたさっさと上げてしまったのか……
ライトフライ級時代、田口が統一戦に勝利したタイミングを見計らってオファーを出せば恐らく大した障害も無く試合が決まって恐らく勝っていたし、その勢いで拳四朗にオファーを出していたらどちらが勝つにせよボクシング界の話題を掻っ攫っていたでしょうに……
フシ穴の眼
が
しました
失礼しました
フシ穴の眼
が
しました
フシ穴の眼
が
しました