ボクシングでは、ウェルター級に上がってからKOシーンをほとんど見せられなかった非力なフロイド・メイウェザーさん。

 最後の6年間10試合でKOをマークしたのは、ジョー・コルテスがよそ見したすきに、無防備のビクター・オルチスの顔面に思いっきりワンツーを叩き込んだ、ジス・イズ・メイウェザーさんなちょっと卑怯なノックアウトでした。



ボクシングでは、そんなやり方でしかKO出来ない、ウェルター級(66㎏)であっぷあっぷだったメイウェザーさんが、体重制限なしの〝無差別級〟で、ライトヘビー級(75㎏)の朝倉未来を右のショートフック一発でノックアウトしたのです!

スゲェな、メイウェザーさん!

贅肉が目立つとはいえ、メイウェザーさんの体重はせいぜいミドル級(72㎏)でしょうから、3㎏近くも重い「路上の伝説」と戦ったのです!

もう一度言います。スゲェな、メイウェザーさん!

ボクシング時代は姑息なキャッチウェイトや、契約破りで、自分に有利な体重を全身全霊をかけて追求していた、あのセコすぎるメイウェザーさんが、なんと正々堂々と、どころか圧倒的不利な無差別級のリングに上がったのです!

ボクシングでは卑怯なやり方でオルティスを倒すのが精一杯だった、そんなメイウェザーさんが、コナー・マクレガー(公式戦)、神童、路上の伝説を余裕でKOしているのです!

ウェルター級でも非力だったメイウェザーさんが、無差別級に乗り込んでKO勝利!

同一人物とは思えません!

何度でも言います。スゲェな、メイウェザーさん!

引退してからのディフェンス勘の衰えは目も当てられませんが、ボクシングでは、あんなにつまらない試合しかできなかったメイウェザーさんが一撃で試合を決めるKOパンチャーに変身したのですから!

もっと言わせてください。スゲェな、メイウェザーさん!

マクレガーはもちろん神童や路上の伝説にまでパンチをもらうのが心配ですが、あの〝触れなば落ちる〟打たれ弱いアンドレ・ベルトすら倒せなかったメイウェザーさんがワンパンチ・フィニッシャーに変身して大活躍している姿は、ボクシングファンの1人として頼もしいの一言に尽きます。

ただ、自慢の防御が素人目にもあちこち破綻しているのがやはり心配です。ボクシングに復帰したらジャーメル・チャーロ相手だと、2ラウンド開始ゴングを聞けないんじゃないでしょうか。

ボクシング復帰だけは、絶対にやめてください。

今のメイウェザーさんでは、地域タイトルも獲れません。ボクシング復帰したら殺されちゃいます。

なにしろ、ボクシングのリングなんて「神童」も「路上の伝説」もいないつまらない場所ですから。

もちろん、全くKO出来ない苦手のボクシング・リングに、あの賢明なメイウェザーさんが戻ることはありえません。 

ボクサー時代はBoo!(つまんねえぞ!カネ返せ!)、Zzz・・・(寝れない時に見ると副作用ゼロの最高の睡眠薬)と、散々罵倒されてきたメイウェザーさんでしたが、それは嫌われることまで計算した周到なセルフプロデュースでした。

しかし、本音は「ちょっとくらいは褒めてもらいたい」という思いが少しはあったのかもしれません。

その意味で、メイウェザーさんはついに〝約束の地〟に辿り着きました。

現役時代とは見る影もなく鈍重で、防御技術も崩壊してしまったメイウェザーさんですが、日本や中東では誰もBoo!したり、Zzz・・・したりしません。

それどころか、中東や日本では大歓迎を受け、純粋な尊敬と賞賛を浴び、大金を稼げるのです。

「ドバイ、最高!」「日本、最高!」とマイクを持てば、Boo!やZzz・・・ではなく大歓声が湧き起こるのです。






バカ中学生どもから「みんなで見よう!」と見せられた「超RIZIN」。

「格闘技が好き」という中学生のお父さんが、試合前に投げ出された花束を拾ったメイウェザーさんに感動、褒めてくれていたのも、素直に嬉しかったです。

ただ、あの場面「ここで花束を蹴ったり、掴み上げてプレゼンターに叩きつけて良いものかどうか?」という戸惑いの表情が浮かんでいました。

あれは紳士的な対応などではなく、エンターテイナーとしての迷いが露呈した、メイウェザーさんには珍しいミスだと思います。

WWEなどで見せたパフォーマンスをここでもやっていいのか?その逡巡がダメでした。RIZINはプロレスなのに。

子供たちが「メイウェザー、スゲェ!」とテレビの前で歓声をあげるのが、素直に嬉しかったです。

私もそう思います。スゲェな、メイウェザーさん!

ボクシングファンからは「KOしてみろ!」とBoo!やZzz・・・されてたメイウェザーさんなのに、寛容な格闘技ファンの方々は純度100%で絶賛してくれるのです。

それもそのはず、当たり前です。

ボクサー時代はチキンと揶揄されたメイウェザーさん、フェザー級上がりのファン・マヌエル・マルケスにさえビビってトドメを刺せなかったメイウェザーさん、そんなメイウェザーさんがキャッチウエイトも使わず、緩んだ肉体とぐずぐずのL字ガード、見る影もなノロノロの足運びでも、熱い勇気だけを胸に抱いて、自分より大きい「路上の伝説」に立ち向かって行ったのです!

なんと勇敢な男でしょうか!

路伝を前にしてもメイウェザーさんの表情からは恐怖が全く読み取れません。

ボクサー時代は下唇を震わせて、ビビりながら相手にタッチするのが精一杯だったというのに!

何度も言うしかありません。スゲェな、メイウェザーさん!



あの路伝をたったの一発で破壊するのですから、グラスジョーのベルトや軽量級のマルケスごときは本気を出していれば簡単にノックアウトできたはずです。

そうです、メイウェザーさんはボクシングでは本気を出していなかっただけなのです。

パンチではなくタッチと馬鹿にされ「蚊に刺された方が痛い」とマルコス・マイダナに嘲笑されたメイウェザーさんの拳が、今では一打必倒の破壊力を秘めた恐怖のパンチに変貌したのです!

今のメイウェザーさんなら、路伝を破壊した強打でマイダナごときブエノスアイレスまでふっ飛ばしていたでしょう。

多くの対戦相手から逃げていた、あのメイウェザーさんが贅肉と勇気を胴体にまとい、劣化しまくりのL字ガードだけで勇敢に路伝に立ち向かってゆく姿は、究極の感動です。

こんな大感動を創造してくれたメイウェザーさんはイグ・ノーベル賞ものです。イグ・ノーベル賞は渡航費まで本人持ちですが、そんなのメイウェザーさんにはハシタ金です。



最後にもう一度言わせてください。スゲェな、メイウェザーさん!



なにわともあれ。ボクシングファンとして、幸せそうなメイウェザーさんを確認できる幸運にあずかれて、嬉しかったです。

スゲェな、メイウェザーさん!

…あ、これで最後です。