八っつぁん(八百屋の長兵衛)「何が八百長かって?そりゃあ、真剣勝負は危ねぇからなぁ」。

熊さん(マックス・ベア)「本気の真剣勝負なんてやってたら、俺のような強打者はリングの上で何度も不幸な事故を起こしちまう。ところで八っつぁん、何でも賭けの対象にする英国のブックメーカーが、オッズを出さない競技は八百長かい?」。

八っつぁん「それを基準にしたらプロレスや大相撲は全部八百長になっちまう。ドラマの中の喧嘩だって、エゲレスのブックなんたら?は掛け率なんて出さないだろ?ショーや伝統芸能に、そんな狭量持ち込まねぇでもらいたいね」。

熊さん「じゃあ、最近はやりのエキシビションは?英国のブックメーカーがオッズを出してるのを見ましたぜ」。

八っつぁん「あれは広い意味では八百長。あらかじめ試合の流れや、注意点が両者の間で含まれてんだから。タイソンとロイ・ジョーンズなんてその典型」。

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熊さん「じゃあ、フロイド・メイウェザーとコナー・マクレガーは?」

八っつぁん「あれは引退ボクサーと現役格闘家の真剣勝負だったけど、ネバダ州アスレティックコミッションがボクシングの試合として公認した時点で、誰にでも最初から勝敗がわかってたじゃねぇか。メイが自分の9.5ラウンド以内(10ラウンド1分30秒以内)に賭けてたってのはよくねぇな」。

熊さん「RIZINは八百長かい?」

八っつぁん「あらかじめ勝敗を決めていない、というのが基準なら八百長じゃねぇな。ただ、運営側がいろんな仕込みを試合の前段階から行ってるのは公平な真剣勝負とは言えねぇ」。

熊さん「昔のK1の魔裟斗や今の那須川天心のような独自ルールの中で最強を誇るのが公平な真剣勝負じゃねぇって言うなら、カネロ・アルバレスをテッペンに添えるボクシングも同じじゃねぇのかい?」。

八っつぁん「そいつは一理も二理もあるねぇ。ただ、カネロの場合はしっかり公表されているから、その点は違う。RIZINはルールそのものが歪んでいるのが問題、カネロはルールを歪めたから問題、そこは大きな違いだってぇこと。一番悪質なのは昔WOWOWで放送してたリングス。100%八百長なのに完全に騙しにかかってたからねぇ」。

熊さん「プロレスは虚々実々でも、リングスはやり方が姑息でしたなぁ。ただ、日本ではボクシング以外のプロ格闘技はほとんどがプロレス起源?」。

八っつぁん「プロレスは力道山が作ったようなもんだから、最初から大相撲と太いパイプがあった。ショーであるプロレスと、星のやり取りが当たり前に行なわれている大相撲、その遺伝子をしっかり引いてるんだから、PRIDEやRIZINやらに何色の血が流れているのかは、ちょっと考えたら誰にでもわかるってもんさ」。

熊さん「PRIDEやRIZINは八百長かい?プロレスと違って、真剣勝負が基本じゃねえのか?」

八っつぁん「試合の勝敗は決めないのが真剣勝負ってならそうかもしれねぇけど、そもそも八百長って言葉が嫌いだな。スポーツなのか?それともショーなのか?その二択で考えるのがわかりやすいかもしれねぇ」。

熊さん「リングスはショー。だったらPRIDEやRIZINはどっちになるんでぃ?多くのファンはPRIDEもRIZINも社会的に認知されていないだけで、真剣勝負のスポーツだと思ってるんじゃねぇか?だから、今回みたいな八百長騒動が起こるわけで」

八っつぁん「五輪種目を目指すとスポーツであることを真正面から主張していたリングスは、ショーではなく八百長でいいか、あれは論外。八百長騒動はRIZINを真剣勝負だと勘違いしている人がいるから起きた、というのは正解。PRIDEやRIZINは二択を選ばない立場に甘えてきたけど、これからはどちらかの旗を挙げなきゃいけない。執行猶予の期間はもうお終い」。

熊さん「ショーの旗を挙げちゃったら、プロレスと区別がつかねぇな。スポーツの旗を挙げたらどうなるんでぃ?」。

八っつぁん「スポーツの旗を挙げたらどうなるか?じゃなくて、どうしたらスポーツの旗を挙げられるか、だな。ショーじゃねぇか?と揶揄されたUFCがどうやってスポーツとして認知されたかを見たらよくわかる。誰もが納得する階級とチャンピオンシップ制度を敷いて、それを支える薬物検査や違反者への罰則などのインフラを整備すること。必ず比較されるボクシング以上に厳格な統治と統括を示すこと、じゃねぇか」。

熊さん「UFCはスポーツとして認められることを目指して一貫してたねぇ。ただ、あれはなかなかできるこっちゃねえぜ。日本で同じことができるかい?」

八っつぁん「アメリカじゃスポーツは州のアスレティックコミッションが受け入れて、ボクシングもMMAも統括してるからねぇ。日本でMMAを社会的に認めてもらうには複数の段階を踏まなきゃならねぇ」。

熊さん「それにしても今回の八百長騒動は、RIZIN的な格闘技路線にとって衝撃でしたなぁ」。

八っつぁん「これからはショーかスポーツか?その二択を避けては、ファンの支持を得られない。見る側も一般の新聞やニュースが取り上げないことにどういう意味と背景があるのか、単に歴史がないからではないことを考えるべき時期に来ちまってる。〝社会的に認知されていないけど神童〟なんて怪しさしかねぇ」。

熊さん「日本ボクシングの最大興行はファイティング原田や村田諒太の試合だったけど、非ボクシングなんてボブ・サップvs曙だからねぇ」。

八っつぁん「それを言われちまうと、世界のボクシングも史上2番目の興行がメイウェザーvsマクレガーだから、耳が痛ぇな」。

熊さん「う〜ん、しかも1位が悪夢のようなパッキャオvsメイウェザー…」。