THE REAL。
当時、長谷川穂積の世界戦を中継していた日テレの看板文句です。
JBCがIBFとWBOに加盟するのは「長谷川穂積vsフェルナンド・モンティエル」(2010年4月30日)から3年後、事務局長の安河内剛は「長谷川選手が本当に強い相手と戦うためにに特例」と認めたものでした。
長谷川はWBCのピースを10連続防衛、直近5試合は全て4ラウンド以内に終わらせるという、数字上は圧倒的な絶対王者でした。
ただ、当時はすでにインターネットが広まり、長谷川の対戦相手のクオリティが異常に低いWBC御用達で、トレーナーの山下正人が「WBCには恩義がある」とカメラの前で公言したこと等も様々な憶測を呼んでしまいます。
モンティエルはメキシコのボクシング一家の出身。幼い頃に「東京で世界王者」とWBCのベルトを巻く自分を絵に描くなど、ボクシング一筋のプロフェッショナル。


とはいえ、WBOとべったりの関係や、母国での人気の低さからも分かるようにメキシコでも日陰のファイターでした。
折りも悪く、モンティエルが世界に駆け上がった2000年代初頭のメキシコはマルコ・アントニオ・バレラやエリック・モラレス、ファン・マヌエル・マルケスという一発殿堂の歴史的グレートが3人も席捲、相対的にもモンティエルの影が薄かったのは仕方がありません。
コチュリトは「バレラvsモラレス」の前座で2階級制覇しても報酬は1万5000ドルと、メキシカンの恩恵を全く享受できないまま。その扱いはアジアやアフリカの世界王者並みです。
そして、無敗のキャリアもマーク・ジョンソンとの大勝負に敗れて初黒星。
さらに、WBOバンタム級王者ジョニー・ゴンザレスとの試合では「どっちがチキンか?」を競うような〝逆〟メキシカンスタイルの戦いっぷりに「両者が敗者。最大の敗者は観客とテレビ観戦者」と断罪される内容に終わります。
ジョニゴンにスプリットで敗れたあとは再び連勝街道を走りますが、メキシコでも米国でも人気は上がりません。
WBO3階級制覇を果たしたバンタム級王者としても、長谷川に粉砕されたアレハンドロ・バルデスにも分の悪いテクニカルドローを演じてしまうなど、その評価は階級最弱王者で一致していました。
リング誌のランキングでは王者であるにもかかわらず、なんと9位。王者でなければ圏外評価だったのは確実で「バンタム級では世界基準の実力はない」と見られていたのは当然でした。
そんな穴王者との対戦ですら、長谷川にとっては本当に強いかどうかのテストマッチだったのです。
ただ、モンティエルの中にも忸怩たる思いがあったでしょう。3階級制覇しても報酬は5万ドル前後、メキシコでは十分な富裕層とはいえ、世界王者としては満足出来る待遇ではありませんでした。
ジョニゴン戦のあとはメキシンスタイルを意識して戦いますが、ボクシングの世界は一度捺された烙印を消すのは並大抵のことではありません。
そんな、迷い狼に千載一遇のチャンスが舞い込むのです。
東京でバンタム級最強と目される長谷川穂積との対戦。メキシコの軽量級にとって憧れの象徴、「東京」「WBCの緑のベルト」です。
前年に長谷川とエリック・モレルとの防衛戦が流れた時に、リザーブとしてモンティエルが一旦合意していたこともあり、この試合の障害は金銭面以外はありませんでした。
前年合意ではファイトマネー5万ドルでも快諾したモンティエル陣営は、長谷川の足元を見て、釣り上げ交渉を続けます。
「長谷川君はファイトマネーはゼロでもいいと言ってきたが、さすがにそれはできない」(プロモーターの本田昭彦)。
粘ったモンティエルは最終的には50万ドル以上を手にしたと言われています。人気も評価も低い迷い狼が、キャリアハイを5倍以上更新するビッグマネーを掴み取ったのです。
契約交渉では大勝を収めたモンティエル。
そして、当時のメキシコはバレラ、モラレスが黄昏れ、新鮮なニュースを求めていました。
長谷川戦決定にメキシコメディアは「日本は確実に勝てる相手を選んだ」「モンティエルがまたリングの上で恥を晒す」「バルデスが2ラウンドで沈められたからモンティエルはもっと早く負ける」と最初から諦めムード。
モンティエルは「バルデス戦はスパーでカットした傷が治らないまま戦った」と弁解しますが「スパーで切り裂かれた人が長谷川に勝てるのですか?」と意地悪に返される始末。
ただ、モンティエルは当時を振り返り「ボクサーとして全盛期を迎えていた。メキシコのメディアからあれだけ注目されたのも初めて。長谷川に勝てば母国で大歓迎を受けると思うと、もっと過小評価しろと思ったくらい」と語ります。
「勝って当たり前」と過大評価されていた長谷川と、「メキシコの恥さらし」と勝機はないと言われたモンティエル。
そして、結果論ですが両者の実力は…モンティエルの方が上でした。
当時、長谷川穂積の世界戦を中継していた日テレの看板文句です。
JBCがIBFとWBOに加盟するのは「長谷川穂積vsフェルナンド・モンティエル」(2010年4月30日)から3年後、事務局長の安河内剛は「長谷川選手が本当に強い相手と戦うためにに特例」と認めたものでした。
長谷川vsモンティエルを展望するボクマガから。リング誌9位の〝絶対穴王者〟モンティエルが強豪王者に祭り上げられました。
長谷川はWBCのピースを10連続防衛、直近5試合は全て4ラウンド以内に終わらせるという、数字上は圧倒的な絶対王者でした。
ただ、当時はすでにインターネットが広まり、長谷川の対戦相手のクオリティが異常に低いWBC御用達で、トレーナーの山下正人が「WBCには恩義がある」とカメラの前で公言したこと等も様々な憶測を呼んでしまいます。
モンティエルはメキシコのボクシング一家の出身。幼い頃に「東京で世界王者」とWBCのベルトを巻く自分を絵に描くなど、ボクシング一筋のプロフェッショナル。


とはいえ、WBOとべったりの関係や、母国での人気の低さからも分かるようにメキシコでも日陰のファイターでした。
折りも悪く、モンティエルが世界に駆け上がった2000年代初頭のメキシコはマルコ・アントニオ・バレラやエリック・モラレス、ファン・マヌエル・マルケスという一発殿堂の歴史的グレートが3人も席捲、相対的にもモンティエルの影が薄かったのは仕方がありません。
コチュリトは「バレラvsモラレス」の前座で2階級制覇しても報酬は1万5000ドルと、メキシカンの恩恵を全く享受できないまま。その扱いはアジアやアフリカの世界王者並みです。
そして、無敗のキャリアもマーク・ジョンソンとの大勝負に敗れて初黒星。
さらに、WBOバンタム級王者ジョニー・ゴンザレスとの試合では「どっちがチキンか?」を競うような〝逆〟メキシカンスタイルの戦いっぷりに「両者が敗者。最大の敗者は観客とテレビ観戦者」と断罪される内容に終わります。
ジョニゴンにスプリットで敗れたあとは再び連勝街道を走りますが、メキシコでも米国でも人気は上がりません。
WBO3階級制覇を果たしたバンタム級王者としても、長谷川に粉砕されたアレハンドロ・バルデスにも分の悪いテクニカルドローを演じてしまうなど、その評価は階級最弱王者で一致していました。
リング誌のランキングでは王者であるにもかかわらず、なんと9位。王者でなければ圏外評価だったのは確実で「バンタム級では世界基準の実力はない」と見られていたのは当然でした。
そんな穴王者との対戦ですら、長谷川にとっては本当に強いかどうかのテストマッチだったのです。
ただ、モンティエルの中にも忸怩たる思いがあったでしょう。3階級制覇しても報酬は5万ドル前後、メキシコでは十分な富裕層とはいえ、世界王者としては満足出来る待遇ではありませんでした。
ジョニゴン戦のあとはメキシンスタイルを意識して戦いますが、ボクシングの世界は一度捺された烙印を消すのは並大抵のことではありません。
そんな、迷い狼に千載一遇のチャンスが舞い込むのです。
東京でバンタム級最強と目される長谷川穂積との対戦。メキシコの軽量級にとって憧れの象徴、「東京」「WBCの緑のベルト」です。
前年に長谷川とエリック・モレルとの防衛戦が流れた時に、リザーブとしてモンティエルが一旦合意していたこともあり、この試合の障害は金銭面以外はありませんでした。
前年合意ではファイトマネー5万ドルでも快諾したモンティエル陣営は、長谷川の足元を見て、釣り上げ交渉を続けます。
「長谷川君はファイトマネーはゼロでもいいと言ってきたが、さすがにそれはできない」(プロモーターの本田昭彦)。
粘ったモンティエルは最終的には50万ドル以上を手にしたと言われています。人気も評価も低い迷い狼が、キャリアハイを5倍以上更新するビッグマネーを掴み取ったのです。
契約交渉では大勝を収めたモンティエル。
そして、当時のメキシコはバレラ、モラレスが黄昏れ、新鮮なニュースを求めていました。
長谷川戦決定にメキシコメディアは「日本は確実に勝てる相手を選んだ」「モンティエルがまたリングの上で恥を晒す」「バルデスが2ラウンドで沈められたからモンティエルはもっと早く負ける」と最初から諦めムード。
モンティエルは「バルデス戦はスパーでカットした傷が治らないまま戦った」と弁解しますが「スパーで切り裂かれた人が長谷川に勝てるのですか?」と意地悪に返される始末。
ただ、モンティエルは当時を振り返り「ボクサーとして全盛期を迎えていた。メキシコのメディアからあれだけ注目されたのも初めて。長谷川に勝てば母国で大歓迎を受けると思うと、もっと過小評価しろと思ったくらい」と語ります。
「勝って当たり前」と過大評価されていた長谷川と、「メキシコの恥さらし」と勝機はないと言われたモンティエル。
そして、結果論ですが両者の実力は…モンティエルの方が上でした。

コメント
コメント一覧 (4)
スーパーバンタムの西岡の防衛相手もどうだったのか、当時の情報がないので気になります。
フシ穴の眼
が
しました