2019年6月1日。ニューヨーク、マディソン・スクエア・ガーデン。
英国のスーパースター、無敗のヘビー級王者アンソニー・ジョシュアの米国初上陸。そのお披露目以外の何の意味もない試合でした。
英国から大西洋を渡ったファンの数は、なんと約8000人。
鬼神の強さを見せていたマニー・パッキャオに挑んだリッキー・ハットンの応援団でも約4000人でしたから、ジョシュア人気の大きさがよくわかります。
圧倒的不利と見られたハットンとは違い、WBA/WBO/IBF3団体統一王者のジョシュアが迎え撃つのはジャーレル・ミラー。戦前のオッズはアバウト6-1、英国ファンは安心して見ることができる楽勝ゲームと見られていたことも、多くの英国人がMSGに駆けつけた原因でした。
そして、ミラーが薬物検査で陽性反応を示して、試合前1ヶ月で代打出場が決まったのが普段は建設現場で生活費を稼ぐアンディ・ルイスJr.。
愚かなミラーに幻滅、現代のバター・ビーン、ルイスでは試合への興味は完全に失われてしまいます。オッズは11-1にまで開き、専門誌の専門家予想も気の抜けた内容になりました。
あの夜、ニューヨークに衝撃を走らせたルイスは歴史の残る大番狂わせを起こしただけではなく、もう一つの偉業、史上初の〝悲願〟も同時に達成していました。
メキシコの悲願、です。
ボクシング大国メキシコでは「ヘビー級王座獲得」はこれまで6度挑戦していずれも届かなかった、ミッション・インポシブル。
MSGで大番狂わせを起こし、メキシコにヘビー級王座をもたらしたルイスが瞬間的にはカネロ・アルバレスも凌ぐ国民的英雄に祭り上げられたのは当然でした。
莫大な報酬と、大好物のスニッカーズをはじめ複数のCMスポンサーも名乗りを上げ、この世の春を謳歌したルイスでしたが、半年後の再戦でジョシュアに封じ込められてしまい、わずか半年の短い治世が終わってしまいました。
さて、このルイスが、メキシコの6度挑戦の中で唯一3度トライしているクリス・アレオラとルイスが生き残りをかけて、土曜日に激突するのです。
オッズは、ウィリアムヒルがルイス勝利に賭け金が別途できないほど。PADDYPOWERではルイス勝利は1/40(1.026倍)。タイソンvsダグラスの1/42に迫る歴史的なローリターンの掛け率です。
31歳のデストロイヤーと、40歳のナイトメア(悪夢)。
デストロイヤーが喫した敗北は空位のIBF王座を争ったジョセフ・パーカーと、ジョシュアの再戦の二つだけ。パーカーを追い込み、ジョシュアを最後まで慎重に戦わせたパワーとスピードは現代最高クラス、12年35戦のキャリアで、いまだに惨敗を知りません。
一方のナイトメアはキャリア6敗のうち4つが直近10試合(4勝4敗1分1無効試合)でなすりつけられた黒星で2つのKO負けを含みます。
長らくメキシコ・ヘビー級希望の星だったアレオラは、3度の失敗を重ねる中でファンの期待は希釈化、そこにルイスが登場したのです。
自己管理、規律に甘いという共通点がある二人だけに前日計量の体重計の針がどこまで揺れるかも注目ですが、勝敗に関しては勢いに差がありすぎます。
歴史的な番狂わせを起こしたルイスが、歴史的な番狂わせに沈むというのも物語性はあるといえば、ありますが…。
英国のスーパースター、無敗のヘビー級王者アンソニー・ジョシュアの米国初上陸。そのお披露目以外の何の意味もない試合でした。
英国から大西洋を渡ったファンの数は、なんと約8000人。
鬼神の強さを見せていたマニー・パッキャオに挑んだリッキー・ハットンの応援団でも約4000人でしたから、ジョシュア人気の大きさがよくわかります。
圧倒的不利と見られたハットンとは違い、WBA/WBO/IBF3団体統一王者のジョシュアが迎え撃つのはジャーレル・ミラー。戦前のオッズはアバウト6-1、英国ファンは安心して見ることができる楽勝ゲームと見られていたことも、多くの英国人がMSGに駆けつけた原因でした。
そして、ミラーが薬物検査で陽性反応を示して、試合前1ヶ月で代打出場が決まったのが普段は建設現場で生活費を稼ぐアンディ・ルイスJr.。
愚かなミラーに幻滅、現代のバター・ビーン、ルイスでは試合への興味は完全に失われてしまいます。オッズは11-1にまで開き、専門誌の専門家予想も気の抜けた内容になりました。
あの夜、ニューヨークに衝撃を走らせたルイスは歴史の残る大番狂わせを起こしただけではなく、もう一つの偉業、史上初の〝悲願〟も同時に達成していました。
メキシコの悲願、です。
ボクシング大国メキシコでは「ヘビー級王座獲得」はこれまで6度挑戦していずれも届かなかった、ミッション・インポシブル。
MSGで大番狂わせを起こし、メキシコにヘビー級王座をもたらしたルイスが瞬間的にはカネロ・アルバレスも凌ぐ国民的英雄に祭り上げられたのは当然でした。
大統領府を表敬訪問したルイスはロペス・オブラドール大統領と面会。
莫大な報酬と、大好物のスニッカーズをはじめ複数のCMスポンサーも名乗りを上げ、この世の春を謳歌したルイスでしたが、半年後の再戦でジョシュアに封じ込められてしまい、わずか半年の短い治世が終わってしまいました。
さて、このルイスが、メキシコの6度挑戦の中で唯一3度トライしているクリス・アレオラとルイスが生き残りをかけて、土曜日に激突するのです。
オッズは、ウィリアムヒルがルイス勝利に賭け金が別途できないほど。PADDYPOWERではルイス勝利は1/40(1.026倍)。タイソンvsダグラスの1/42に迫る歴史的なローリターンの掛け率です。
31歳のデストロイヤーと、40歳のナイトメア(悪夢)。
デストロイヤーが喫した敗北は空位のIBF王座を争ったジョセフ・パーカーと、ジョシュアの再戦の二つだけ。パーカーを追い込み、ジョシュアを最後まで慎重に戦わせたパワーとスピードは現代最高クラス、12年35戦のキャリアで、いまだに惨敗を知りません。
一方のナイトメアはキャリア6敗のうち4つが直近10試合(4勝4敗1分1無効試合)でなすりつけられた黒星で2つのKO負けを含みます。
長らくメキシコ・ヘビー級希望の星だったアレオラは、3度の失敗を重ねる中でファンの期待は希釈化、そこにルイスが登場したのです。
自己管理、規律に甘いという共通点がある二人だけに前日計量の体重計の針がどこまで揺れるかも注目ですが、勝敗に関しては勢いに差がありすぎます。
歴史的な番狂わせを起こしたルイスが、歴史的な番狂わせに沈むというのも物語性はあるといえば、ありますが…。




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フシ穴の眼
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