昨日、ライトヘビー級のIBF/WBC王者アルトゥール・ベテルビエフが10ラウンドTKOで王座防衛、戦績を16戦全勝16KOに伸ばしました。

そして今日、バージル・オルティスJr.がモーリス・フッカーを7ラウンドでストップ、17戦全勝17KOでWBOウェルター級暫定王座を争い、セカンドタイトルを獲得。

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持ち前の強打でIBFを4度、統一王座を初防衛した階級最強候補のロシア人と、量産型タイトルの断片を拾い上げたばかりのオルティスを同列に語ることは憚られますが、今日のテーマは〝パーフェクトレコード〟です。


プロボクシングでは、ある程度の年齢と技術体系を完成させてから選手になり、他のスポーツとは比較ならない少ない試合数でキャリアを終えます。

さらに、勝ち続けるとよりタフなステージが用意されるとは限らないのも特徴的です。プロボクシングは咬ませ犬や穴王者、雑魚挑戦者が選り取り見取りの世界なのです。

「指名挑戦者」という言葉も今では本来の意味を完全に失い、世界中のボクシングファンを笑わせ続けています。

日本のメディアやファンの間では「世界王者に弱い奴はいない」「王者にとって指名挑戦者を迎える試合は最難関の試合」「世界1位は最強挑戦者」という言葉がいまだに散見されますが、プロボクシングはそんなまともなスポーツではありません。

この独善独断偏見ブログが最も唾棄するのが、オマール・ナルバエスのようなヘタレや、全く意味のない数字だけのボクサーです。

ナルバエスは「ヘタレ」と「数字」を両立させた、トンデモ選手です。顔はハンサムなんですが、母国の評価も人気もセルヒオ・マルチネスとは天地の差なのもよく理解出来ます。

それでも日本に来たら「伝説の名王者」です。ある意味「伝説」なので、間違いではないのですが…。


そんな歪んだ世界で整形美容外科的に量産されるのが無敗レコードです。

「無敗」には「全勝無敗」「全戦全勝」などがあり、最上級は全戦全勝全KO、100% knockout record です。

そして誇大広告の末路では、ほぼ全ての記録が途絶え、記録が抹消されるだけでなく、人々の記憶からも薄れてゆきます。


極めて稀ですが「無敗のまま引退した世界王者」も存在します。
 
代名詞的な名前だけでも、ロッキー・マルシアやリカルド・ロペス、ジョー・カルザゲ、スベン・オットケ、エドウィン・バレロ、サムソン・ダッチボーイジム、テリー・マーシュ…そして真打、フロイド・メイウェザー。

マルシアノの「48」は伝説的な数字として語られていますが、それでも史上最強の評価を受けることはありません。

ロペス、カルザゲ、メイウェザーもそれなりの評価は受けているとはいえ「無敗であること」が評価の要因ではないのです。

 テニスのマルチナ・ナブラチロワのシングルス74連勝、陸上400mハードルのエドウィン・モーゼスの122連勝には、相手の質が低いなんて非難は浴びせられません。

ボクシングの世界で無敗が持つ意味は大きくありません。「世界王者のまま無敗のまま引退」はこのスポーツでは、むしろ後ろ指を差されかねないのです。

その意味では〝ゼロ〟の価値はゼロ、と言えるでしょう。

さて、この「ゼロ・ワールド」でも最上級バージョンの全戦全勝全KOを突き進んでいるベテルビエフやオルティスは、いつ記録をストップされるでしょうか?

また「全戦全勝全KO」をさらに蒸留した「全戦全勝全1ラウンドKO」記録を16にまで伸ばしているエドガー・ベルランガもいつ記録が途絶えても不思議じゃない怪しさ満点です。

23歳のThe Chosen One(選ばれし者)は来月24日、強打のデモンド・ニコルソンとの試合がセットされていますが、コロコロ倒れるニコルソンはどっからどう見てもオーダーメイド。記録は17に伸びる公算大ですが、さて1ラウンドKO記録はいつまで続くんでしょうか?

…というか、いつまで続ける気でしょうか?


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アリ・レイミをトップに頂く、このバッタモン・ランキングの中では、バレロでも評価してあげなければなりません。

このブログでも紹介済みですがアリ・レイミには〝美容整形〟記録のエッセンスが詰まっています。

レイミはまさにパーフェクト・レコードのパーフェクト・サンプル、完成形です。