100年前もスペイン風が世界を蹂躙しました。

それでも、ボクシングも野球も活路を切り拓いて来ました。
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いろいろ感傷的になってしまう、コロナ2年目。そのあおりを食ってホテル拠点の生活を強いられていますが、ぼちぼち書き進めてまいります。

「何が競技レベルを決定するのか?」。これも、書きかけの話の続きもので、重複するところも目につくかもしれませんが、ご容赦くださいませ。

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競技の難易度を測る主な指標は①競技人口、②注目度、③報酬の三つです。

野球の頂点MLBはその典型です。

毎年1500人前後のの新人を獲得し、身体能力に秀でたカリブ諸国や、日本と韓国という富裕国から才能とカネを吸い上げ続けています。

①競技人口が多ければ多いほど競争率=レベルが高くなるのは当然です。

また、日本の野球のように長期間に渡って大きな競技人口を抱え続けているスポーツは人材=指導者や教育・育成面でも充実しています。

もちろん、国や地域によって大きな競技人口を持つスポーツは異なります。

同じボクシングでも超軽量級が人気の日本と、重量級に偏重した欧州では事情が異なります。日本にアンソニー・ジョシュアやアレクサンダー・ウシクがいないのと同様に、欧州には井上尚弥や井岡一翔は見当たりません。
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日本のボクシングは事実上、ストロー級からミドル級までの13階級で完結します。

人口分布でカテゴライズすると、日本ではストローからバンタム(498人)が「軽量級」。ジュニアフェザーからジュニアライト(442人)が「中量級」。ライト級からミドル級(368人)は「重量級」です。

一方、米国ではストローからライト(1004人)が「軽量級」。ジュニアウェルターからミドル(1489人)は「中量級」となります。

13階級の競技人口を日米で比較すると、1308人と2493人。日本は米国の半分程度の人口に過ぎませんが、バンタム以下では圧倒。しかし、ジュニアフェザー級から逆転されてしまいます。

それにしても、現在の米国ストロー級は驚異の2人。

ヘビー級という誰も無視できない最高クラスの存在が、日本でもスーパーミドル、クルーザー、ライトヘビー〝重量級三役〟への興味・関心を少なくともマニアの間でかきたてられています。

しかし、米国目線で軽量級に関心が向きようがない事実はもうどうすることも出来ません。

日本でスーパーミドル級以上の階級が存在しないのと同様に、米国では多くの州で軽量級は存在しません。しかも、日本から見上げる「ヘビー級」のような憧れ階級も軽量級にはないのですから、米国にとってのジュニアフェザー級以下のクラスは空気でしかありません。

興味・関心がないというよりも、正確には彼らの視野に無い、見ようともしないのです。

 

②注目度、栄光の輝きが大きければ大きいほど競技レベルが上がるのは当然の帰結です。

五輪の人気競技、サッカー、ラグビーのワールドカップ、テニスの四大大会で優勝することは国民栄誉賞クラスの栄光に浴することになります。

現在、男子100メートルの世界記録は9秒58(2009年:ウサイン・ボルト)ですが、他のスポーツに流れた才能を結集したら更新できるか?となると極めて怪しくなります。

栄光の度合いステイクされているものの大きさが、アスリートのモチベーションを限界まで刺激して、競技レベルを引き上げるのもまた当然です。

国家間の戦争(状態)がインターネットをはじめ多くの革新的技術誕生の契機になったことなど、国を代表する熾烈な戦いが大きな成果を生み出すのは明らかです。

一方で、そんな外的要因とは全く無縁に自分自身を巨大な敵との戦いに駆り立てることでリング内でも強烈過ぎる爪痕を残したモハメド・アリは変態や狂人の巣窟である偉大なボクサーの館でも特異な存在でした。 



③現在、最も高額収入が保証されているのはMLBです。

コロナの影響前、2019年の平均年俸は447万ドル、約4億7000万円でした。

しかし、コロナ禍の影響をまともに受けたとはいえ、超エリートの証であるForbes athlete 2020 にはクレイトン・カーショー(57位:2730万ドル)ただ1人しか送り出していません。

このランキングでMLB選手がトップに立ったこともありません。

カーショーですら、大坂なおみ(29位:3740万ドル)やカネロ・アルバレス (30位:3700万ドル)、錦織圭(40位:3210万ドル)にも及ばないのです。

それでも、手厚い年金制度など福利厚生も充実、何よりも800人近い選手の平均が447万ドルという豊穣を極めたリーグです。

現在、バンタム級の人口は約1000人ですが、事実上100万ドル選手も存在しません。その平均年収は、1万ドルにも届かないでしょう。



しかし、数字で測定出来る三つの指標には死角があります。

数字だけではない「専業ボクサー」の比率や「平均報酬」 の格差。

例えば、世界の競技人口でフェザー級はヘビー級を数では上回るものの「専業」「報酬」の点では全く比較する対象ではありません。

さらに、日本の競技人口には、メキシコなど他国にはない特徴的な数字が含まれています。

「記念受験」でライセンスを取得する、いわゆる「ペーパープロ」です。

最初からプロボクサーとして食っていくという「職業意識」が薄い〝プロボクサー〟の存在です。彼らの数字が日本の競技人口を実態以上に見せています。



ボクシング軽量級は、世界的には「競技人口」「注目度」「報酬」ともに最底辺ですが、だからといって軽量級のボクシングが面白くないわけではありません。

むしろ、逆です。

フライ級の世界王者からウェルター級を制したマニー・パッキャオは言うに及ばず、フロイド・メイウェザーやファン・マヌエル・マルケス、マイキー・ガルシアらは「軽量級スタイルが最強」であることを証明しました。

もし、井上があのままで2メートルのヘビー級ならタイソン・フューリーを簡単に粉砕するでしょう。井岡一翔がスーパーミドルで再現されたら、カネロ・アルバレスは地獄を見るでしょう。

もちろん、そんな魔法が使えるのはパッキャオらほんの一握りの超変態だけですが。



さて「競技人口」「注目度」「報酬」。その死角の深海を潜行してゆきましょう。