井上尚弥vsジョンリール・カシメロ戦について、何ヶ月も情報を発信しなかったトップランクとESPNでしたが、ボブ・アラムが短いコメントを出しました。

日本では「カシメロ陣営が報酬の減額に応じていないから試合日程が決まらない」というニュアンスの報道も見られますが、少なくともアラムのコメントを読む限りは少し的がズレています。
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アラムは might not happen if Casimero doesn't take a reduction of his original purse (カシメロが当初予定していた報酬からの減額を受け入れないのであれば試合は実現できない)と語っているに過ぎません。

カシメロ陣営の「 We're just waiting for Inoue to get here first, before we make any decisions on reductions, or anything happening. (まず井上が米国入りすることが大前提。それから報酬減についても考える)」(MPプロモーションズ シーン・ギボンズ)という〝保留〟の態度が、試合実現の障害になっているとも読めますが、Last I checked [Arum] was waiting for minimal amount of fans, similar to the [Teofimo] Lopez-[Vasiliy] Lomachenko fight.(アラムと確認したのは無観客ではなく観客を入れる形での試合が出来るまで待てないか、テオフィモ・ロペスとワシル・ロマチェンコ戦のように)ということです。

「井上戦が最優先」(ギボンズ)という姿勢は変わっておらず、 陣営としては「ここで無観客前提の減額を受け入れたら〝有〟観客の時期まで試合がズレたとしても、そのままの金額か納得できない少額の上乗せでごまかすつもりじゃないか?」という不信感があるのでしょう。

この疑心暗鬼が「So let's see the guy physically in the country.(まず井上が現実に米国入りしてから)」という発言につながっています。


これに対するアラムの答えは「すぐに来る」「もうビザも下りている」というものですが…。

Inoue has an appointment next week at the U.S. embassy in Tokyo, it is an interview process.He's gotten his visa approved but he has to do a final interview. Once he gets his visa, we're going to bring him over here and get him going, probably in September."( 井上はすでに渡米ビザ取得が内定しているが、来週にも米国大使館で最終決定の面接を受けることで、完全なビザが交付される。ビザ発行ですぐに彼を米国に呼び、準備を進める。試合は9月になるのではないか)。

これが事実なら、今週にも井上サイドからビザ取得と具体的な渡米日程が発表されるはずですが…。

"We have to talk to Casimero, is he willing to take a reduction like Inoue is?" Arum said. "If the answer is no, then we can put Jason Moloney in with Inoue, which may be an even better fight."

「井上が受け入れた報酬減額をカシメロが拒否するなら、我々はジェイソン・マロニーを代役に立てる用意がある。マロニー戦の方が良い試合になるだろう」と、カシメロ陣営を「早く減額を受け入れろ」と煽っています。

ただでさえパンデミック下の赤字興行の現状で、人気のない井上戦はさらなる損失を生み出す〝不良債権〟。

When Japanese high rollers were going to come in and watch the fight, and we could get enough money from the hotel casino to allow us to do it -- that's gone now."

「井上戦の当初の報酬は、日本からハイローラーが観戦に訪れ、ホテルとカジノに大金を落とすのが大前提で組まれた数字。今はそれが吹っ飛んだ(のだから減額以外の選択肢はない)」。

これまでも、アラムは(コロナ前でも)赤字必至の井上戦について「日本から2000人のハイローラーが観戦に来るから(興行的には失敗に終わった同じバンタム級団体統一戦のドネアvsモンティエルとは)全く次元が違うビッグファイトになる」と大風呂敷を広げていました。

このブログでも書きましたが、ハイローラーはカジノ用語で高額賭博者のことです。大王製紙の元会長、井川意高の著作にも詳しいですが、日本全体でも2000人いるかどうかも疑問です。

さらに、日本のハイローラーはラスベガスに井上vsカシメロ戦なんて見に行きません。

正直、日本のファンも軽量級については、もうそろそろアラムの言葉をしっかり読んで「幻覚ラスベガス」のバカ妄想から覚めてもいい頃合いだと思うのですが。