ボクシングの階級でヘビー級と、ウェルター級からミドル級にかけての中量級が、タレント豊富で世界的にも大きな人気を集めているのは周知の通りです。
それゆえにファンやメディアから誰が一番強いのかをハッキリさせろ!という〝決着〟ニーズも高いクラスにもなっています。
この〝決着〟のつけ方ですが、大きく分けて二つの潮流があります。

一つは最もわかりやすい、完全統一王者=Undisputed Champion を決めるトーナメント型。

この型は、統一戦を経て世界王者を1人に絞る単純明快なスタイルで、WBSSに見られるように人気階級とは限りません。

最近では、完全統一王者は1人しか誕生出来なかったものの〝そこ〟を目指した「スーパー6」「バンタム4」「WBSS」等のガチガチのトーナメントや、80年代のマイク・タイソンを主役に添えた〝台本付き〟ヘビー級トーナメントなどがすぐに思い浮かびます。
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そして、二つ目の〝決着〟は、完全統一王者には目もくれずに周辺階級も含めたスター選手が総当たりスタイルで覇権を争うラウンドロビン型。

トーナメント型がプロモーターや承認団体主導で計画的に作られるますが、ラウンドロビンは自然発生、決着の形も流動的です。

そしてラウンドロビンの〝出場資格〟は、人気と実力が高次元で結晶したスーパースター選手です。そこではアルファベット団体のタイトルが重視されることはなく、完全に無視されることも珍しくありません。

レナード・ハグラー・デュラン・ハーンズによるラウンドロビンのクライマックスで Undisputed Champion だったハグラーのタイトルが完全分裂してしまったことは、ラウンドロビンで起きる象徴的な事件でした。

パッキャオ・バレラ・モラレス・マルケスの軽量級にあるまじき壮絶で叙事詩的なラウンドロビンにおいても、メディアとファンのタイトルへの関心はほとんど無かったと言い切って差し支えないでしょう。

さらには、対戦が希求されたパッキャオ、メイウェザーが7年近くに渡って強豪との対戦を繰り広げながら、ついに激突したのは、雄大な時間軸で進行した〝台本付き〟ラウンドロビンと考えることも出来ます。

とにかく、ラウンドロビンでは誰と戦うのか?がタイトルよりも遥かに優先されるのです。

「タイトル無視」のメガファイトなど、他のスポーツではありえませんが、ボクシングでは選手とタイトルの価値は反比例することが珍しくありません。

70年代以降、団体分裂で王者乱立が当たり前になってから半世紀。

主要団体を完全統一した Undisputed Champion が誕生したのはミドル級、ライトヘビー級、ウェルター級、ジュニアバンタム級、ヘビー級、ジュニアウェルター級、クルーザー級の7階級に過ぎません。

そして、トーナメントと違うラウンドロビンは、その定義が難しいものの、レナードの「4KINGs 」と パッキャオと「メキシコ包囲網」が代表例です。

この二つのラウンドロビンはレナードとパッキャオという「勝者」ですら鮮やかなフィナーレを迎えることが出来なかったばかりか、そもそも「いつ始まって」「いつ終わったのか」すら、誰にもわかりません。

レナードが引退後5年で資格発生(当時)する一発殿堂を果たしながらリングに舞い戻ったように、メイパック2がいつ勃発してもボクシングファンに大きな驚きはありません。

優勝者がUndisputed Champion となるトーナメントでつける「決着」。そして、スーパースターが気まぐれな舞を踊りながら、悠長な時間で紡がれるラウンドロビン。

「世界王者は1人だけ」といつも声高に叫ぶボクシングファンにこう問いただしたとき、彼らはどちらを選ぶでしょうか?

「世界王者を1人にするためにトーナメント表を忠実に奏でるトーナメント」と「スーパースターがアドリブで披露する輪郭すら朧げなラウンドロビン」。

あなたはどちらが好きでしょうか?

独断と偏見でトーナメントとラウンドロビンをごった煮にしながら、強引にランク付けしてゆきます。

「70年代ヘビー級」「タイソン」「レナード」「スーパー6」「バンタム4」「パッキャオ」「ミドル級ホプキンス」「パックメイ」「WBSSクルーザー」「WBSSバンタム」…思いつくまま10挙げましたが、他にもありそうですね…続きを書くまでに思い出します。

お気に入りのトーナメントやラウンドロビンがあればお知らせ下さいませ。