いよいよ軽量級(105〜122)6階級で最重量、ジュニアフェザー級のお話。

BoxRecで見る世界の競技人口は952人で、105 -122の6階級で最も層の厚いクラス。

バンタム108人からジュニアフェザー119人(バンタム比10.2%増)、日本で最も層が厚いフェザー143人(バンタム比32.4%増)へとホップ・ステップ・ジャンプのステップ階級となっています。※0ポイントのボクサーは除く 

日本人が世界で戦える上限階級は、実質ジュニアライト級です。

現在、村田諒太がミドル級まで足を踏み入れていますが、ライト級以上の世界王者はその数の少なさを考えると突然変異に近い存在です。

その意味で日本のボクシングシーンを「ストロー・ジュニアフライ・フライ=軽量級」「ジュニアバンタム・バンタム・ジュニアフェザー=中量級」「フェザー・ジュニアライト=重量級」という規格で展望することは乱暴な見方ではないでしょう。 

日本の目線でジュニアフェザーは中量級か重量級、輩出してきた世界王者の階級分布では間違いなく重いクラスです。

この日本視点ではけして軽いとは言えない122lbで、世界の栄冠を掴んだチャンピオンは丁度10人。

ジョニー・ゴンザレスに逆転勝利した一戦を含む7連続防衛を果たした西岡利晃も印象に残る王者でしたが、誰か1人となれば初代のロイヤル小林です。

ミュンヘン1972でベスト8のエリートアマであることを忘れるほど、さらに世界王者であることも瑣末に思えるほどにボクシングファンに強烈な印象を残してくれた偉大なメッセンジャー。

アレクシス・アルゲリョ、エウセビオ・ペドロサ、ウィルフレド・ゴメス。この3人は、一発殿堂というボクサーの最高名誉ですら彼らを表現するには物足りない、正真正銘のグレートです。
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ロイヤル小林は1970年代という、まだ日本人が体感していない世界の奥深さをまざまざと見せつけてくれたのです。

小林のあとは、1991年に畑中清詞がペドロ・デシマを大逆転KOでひっくり返しましたが、そのあとは2002年に佐藤修がWBA王者ヨーダムロン・シンワンチャーをやはり逆転KOで攻め落とすまで待たねばなりませんでした。

西岡利晃、李冽理、下田昭文、長谷川穂積、久保隼、小國以載、岩佐亮佑が122ポンドのタイトルをつないできました。

このクラスで特徴的なことは、9人の王者のうち西岡(7度防衛)と岩佐(1度防衛)を除くといずれも初防衛戦に失敗した短命王者という残念な点が挙げられます。

短命王者が多い背景に、階級難易度の高さが存在していることは間違いありません。

リング誌ランキングから世界を見渡すと、1位のレイ・バルガスは無敗ながらも5度の防衛は判定、グダグダの内容も目立ち、いつ陥落しても不思議はありません。

2位が階級最強候補のエマヌエル・ナバレッテ。バルガスと同じ5度防衛ですが 、全てがKO。しかもその5試合をわずか9カ月でこなしている、現代では珍しい「戦うチャンピオン」。

井上尚弥とのビッグファイトが期待されていますが、減量苦からフェザー転向も囁かれているだけに、現状の先行き不透明なタイムロスは待望の激突を極めて難しくしています。

3位は注目のムロジョン・アフマダリエフ。 リオ2016のバンタム級銅メダリストはデビュー6戦目でダニエル・ローマンをSDで攻略、WBAとIBFの二つのピースを一気に手中に収めました。

IBF暫定王者の岩佐亮佑とのサウスポー対決が待たれます。 ローマン戦を見る限り、岩佐にも十分チャンスがあると思われますが…さて?

4位はローマン、5位が岩佐。

6位のWBAセカンド王者ブランドン・フィゲロアは、荒川仁人との激闘を制したオマールの弟。

20勝15KO1分の23歳のテキサスの〝The Heartbreaker〟は、直近のフリオ・セハ戦で中盤から失速、SDで命拾いの初防衛に成功しました。

セハが4.5ポンドの体重超過したことは考慮しなければなりませんが、スター選手はこういう壁はあっさり突き破ります。ましてや、直近2勝3敗の落ち目のセハです。

7位は亀田和毅、8位は勅使河原弘晶と日本勢が続きます。

長らくトップ戦線に踏みとどまっていた和氣慎吾と久我勇作は、ジュンリエル・ラモナルに痛烈に倒されて無念の戦線離脱。

ラモナルは17勝8敗6分という戦績と30歳という年齢では測れない、危険な相手です。

9位はステファン・フルトン、18戦全勝8KOの無敗の25歳ですが、18戦のキャリアに目ぼしい名前は見当たらず、未知の強豪です…。

10位はアザト〝Crazy A〟ホバニシャン 。欧州選手権金メダルのエリートアマからプロ転向もデビュー戦でまさかの黒星。

2018年にバルガスのWBCタイトルに挑戦するも判定で敗れ、ゴールデンボーイ・プロモーショズ傘下とはいえ31歳のアルメニア人、残された時間もチャンスも少なそうです。

122lbは日本人の層も厚く、ナバレッテを除くと強豪王者は見当たりません。

現状のエースは岩佐ですがアフマダリエフとの統一戦は実現してほしい。オッズも予想も相当に厳しくなるでしょうが、軽量級では注目度の高い25歳のウズベキスタン人は美味しい相手です。