アリ・ライミが出てきてしまって、まさかの続きです。

精読してからまとめて訳す、ではなく、読みながら同時通訳的に拙訳しているので、ライミのような地雷を踏んでしまうと軌道修正を余儀なくされてしまいます。

英国ボクシングニューズ誌3月27日号の拙訳の続きの前に、アリ・ライミについてご説明します。

 
◀︎◀︎◀︎WBA そのランキング▶︎▶︎▶︎


承認団体のランキングは「強い順番」ではありません。

強さは関係ないのです。

だから、メディアが「ランキング1位の最強挑戦者」とわめいていても真に受けてはいけません。

村田諒太が力づくでねじ伏せたスティーブン・バトラーは、試合直前までWBO1位でしたが、 彼を1位と評価する人は地球上70億人で誰1人としていませんでした。

そうです、全人類70億人です。つまり、WBO内部の人間ですら。

彼らは、嘘をついているのです。勘違いでも何でもありません。強くないことをわかっていながら、1位にランクしたのです。

もちろん、腐りきっているのはWBOだけではありませんし、バトラーには何の責任もありません。 

むしろ被害者です。その実力がないのに、完全Aサイドでフィジカル自慢の五輪金メダリストの前に突き出された生贄でした。
 
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腐敗承認団体の目に余る捏造ランキングを語るとき、最近の事例としてすぐ思い浮かぶのが無敗の3階級制覇アリ・ライミです。

25戦全勝全KOの完璧記録を誇ったイエメン軍の大佐は、21世紀で最もミステリアスなボクサーです。

全ての試合をイエメンで戦い、デビュー戦の相手を除くと全員が無敗(もちろん再戦した相手は除く)。

デビューから20試合連続1ラウンドKOをマーク。

2014年にはプリンス・マズと4試合連続して戦い、その3戦目がInternational Boxing Institute (IBI)世界ストロー級王者決定戦、4戦目がUniversal Boxing Organization (UBO) 世界ジュニアフライ級王者決定戦。

そして、最後の試合となった2015年3月28日、オマール・マクスマド戦も空位のIBI世界フライ級王者決定戦。

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UBOは2004年に創設され、ドイツと米国、タンザニアにオフィスがある新興団体。拠点のある3国以外にも中国、韓国、ブラジル、アルゼンチン、エクアドル、ボリビア、ウルグアイ、ボスニア・ヘルチェゴビナ、エジプト、セルビア、デンマーク、ポーランド、スウェーデンなど世界中でタイトルマッチを承認しているそうです。

つまり、5ヶ月と12日という短い時間で3階級制覇に成功したのです。

「3試合とも決定戦で、そもそもIBIとかUBOとかマイナー団体に価値はない」。

そう笑い飛ばせる人はこのスポーツに詳しくない人でしょう。

それでも、まだここまでなら笑い話です、ジョークです。
 

1973年5月23日生まれのイエメン軍の大佐でしたが、2015年5月23日に首都サナア空爆で命を落としてしまいます。41歳でした。

さらに、空爆で彼が殺害されたとイエメン政府が発表しても、死体も目撃者も確認されていないのです。

Raymi called out Roman Gonzalez and Guillermo Rigondeaux for a title bout, but never got the chance to fight them.

最後の試合でもKO勝利を収めたリング上で、ライミは「ローマン・ゴンザレスかギレルモ・リゴンドーと戦いたい」とコメントしました。

2015年当時、ロマゴンはフライ級でしたが、リゴンドーはジュニアフェザー級。4階級離れた相手にラブコールを送る、25戦全勝全KOの3階級制覇のイエメン人。

もう笑えないです。怖いです。ここまで突き抜けたら、もはや怪談です。

さらに、怪談は続きます。

WBAはその実力が全く未知数の41歳のイエメン軍人をジュニアフライ級6位にランキングしていました。

そして、6月4日のランキング更新で当然名前が消えるはずのライミでしたが…WBAはあろうことか11位にレートしたのです。

ESPNは「Why the WBA rankings are even worse than I thought. WBAランキングの酷さはもはや想像の範囲を超えている」と糾弾。

リング誌も「どこの団体もランキングは我田引水で犯罪的だが、これは承認団体としてもはや犯罪だ」と断じました。

WBAは「ヒューマンエラー」と言い訳するも「責任者は誰だ?」「ケアレスミスでは起きないはず」と問い詰められると「事故死のニュースを担当者が知らなかった」と弁解を変更しました。

さらに2018年にも、ライトヘビー級のランキングに34歳のナイトクラブ経営者ジョー・フォーニアをいきなりトップ10にレート、年間通じて世界ランキングに囲い込みました。

フォーニアは全く無名の8人を相手に8戦のキャリアで引退。8戦全勝ですが、対戦相手で勝ち越してるのはベーラ・ヨハスだけ。そのヨハスですら16勝8敗という有様。

問題になっているのは2018年のランキングです。そして、フォーニアのBoxRecの戦績を見てください。

地球上の70億人の誰1人としてフォーニアが世界基準のボクサーであるとは認めませんが、それ以前に2016年で引退してるのです。

現役ボクサーですらないのです。

フォーニアを歴代PFPに数える方がまだ筋が通っています。

引退したボクサーをランキングに入れるWBA…まさに、怪談です。

ここまで突き抜けたWBAには怒りや幻滅、喜劇性よりも、もはや恐怖を感じてしまいます。

日本のボクシングファンは、主要4団体が藤本京太郎をヘビー級ランキングにレートしたことに違和感とくすぐったい思いをしました。

しかし、薄汚い腐敗団体に対して、そんな奥ゆかしい態度は不要です。

京太郎の実績があれば、1位でもおかしくありません。 

バトラーほどの実力者にはブロンズ王者でもサファイヤ王者でもクリスタル王者でも、何らかの世界タイトルを差し上げるべきです。

それにしても、ミッキー・ロークは時代に恵まれませんでした。あれだけの実績があれば、今なら、WBAはもちろん複数の団体が世界ランクにレートしてくれているはずだったのに。

このシリーズは4団体で続くはずです。次は、悪の総本山WBC。もっと怖い話が用意されています…。