日本時間3月1日 テキサス州フリスコ フォードセンター
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メインイベントはエロール・スペンスJr.が事故でブランクを作ったために空位となったWBCウェルター級のダイアモンド王者決定戦。

ウェルター級のトップ戦線から外れたマイキー・ガルシアとジェシー・バルガスに二人がダイアモンド王座を争う、なるほどダイアモンドってそういうタイトルでしたか。

米国マッチルームが仕掛けるこのイベント、最注目はセミファイナルにセットされたWBAジュニアバンタム級タイトルマッチです。
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承認団体の仕事はベルト(タイトル)を作ることですから、これは仕方がありません。統括団体が存在しないで、複数の承認団体が跋扈する現状でタイトル集約の期待を抱く方が間違っています。

ヘルマン・トーレス、ルイシト・エスピノサ、ユーリ・アルバチャコフ、オルズベック・ナザロフ、イーグル・デン・ジュンラパン、ロデル・マヨール、エドウィン・パレロ、ホルヘ・リナレス…、日本のプロモートを受けながら世界へ羽ばたいた彼らは個性派揃いです。

では、彼らの中で最も大きな戦果を挙げたのは誰でしょうか?

メキシコで〝明日の英雄〟と期待されたアレハンドロ・ゴンザレスを大番狂わせで沈めたエスピノサか。

日本人にとって最悪最凶の鬼門タイで、強豪ムアンチャイ・キティセカムを斬り落としたユーリか。

層の厚いライト級で最強の一角と見られたオルズベック・ナザロフか。

27戦全勝全KOのパーフェクトレコードのまま、この世を去った狂気のパレロか。

…正解はローマン・ゴンザレスで異論はないでしょう。

ジュニアライト級以下で、ボクシング史上初のPFPキングに就き、その座を2年近くも守った万能のニカラグア人。

詰将棋のように相手を追い込む滑らかなコンビネーションは、スイートサイエンスの極致でした。

そのロマゴンが2年5ヶ月ぶりに世界戦のリングに帰還。フォードセンターのリングに、挑戦者として上がります。

対するはWBAジュニアバンタム級王者カリド・ヤファイ。マッチルームが擁する軽量級の大駒です。

オッズはロマゴンがやや有利とはいえ、レイザーシン(カミソリ一枚)の超僅差、ほぼ1−1で推移しています。

115ポンドに上げてからの3試合は、カルロス・クアドラスとシーサケット・ソールンビサイに大苦戦、シーサケットとの再戦は増量制限など様々な防波堤を築いてプロテクトされながら「ロマゴンの名前がなければミスマッチ」(ESPN)という内容で惨敗。

このクラスでは通用しない、と烙印を押されたロマゴンが32歳になって無敗のヤファイから王座を奪えるか?

一方、ヤファイにとってロマゴンはアイドル。練習拠点だったサンディエゴからフライ級王者時代のロマゴンの防衛戦を見るために、高速道路を3時間かけてぶっ飛ばし自腹で安いチケットを買って応援したこともあったそうです。

かつて、HBOのスーパーフライ興行で井上尚弥との統一戦が交渉のテーブルに乗りましたが、その報酬のあまりの安さにエディ・ハーンが激怒して破談になりましたが、その興行は「総コスト100万ドル」と言われた〝100均イベント〟。

井上の報酬は20万ドルに届かず、日本からの補填でなんとか体裁を保った極貧イベントです。HBOが破綻寸前だったときの井岡一翔の報酬は2万5000ドル、大阪の10分の1にも満たない金額でした。

ヤファイは英国で最も長く世界王者に君臨している人気選手ですが、存在感はアンソニー・ジョシュアとタイソン・フューリーの二人には遠く及びません。

ヤファイも「郊外に大きな家も買えたし、お気に入りの車もある。もし井上や井岡と埼玉や大阪で戦えたらキャリア最高の報酬も手に入る。今の生活に文句なんてない。ただ、もし私がミドル級だったら、こんな稼ぎじゃなかっただろう」と軽量級の悲哀を漏らしています。

 I've not got much to grumble about. But if I was a Middleweight, I would have earned a lot more.

ロマゴンに勝利すると、同じ英国のチャーリー・エドワーズやファン・フランシスコ・エストラーダ、そして日本の井岡一翔とビッグファイトが待ち構えています。

まあ、ヤファイですら不満を抑えきれない軽量級の不遇は深刻です。

井上や井岡との試合を夢見るのは十分理解できます。

ヤファイの「埼玉や大阪」、ジョンリール・カシメロの「埼玉で戦いたかった」という思いはフルハウスになった大会場で軽量級がメインイベントで登場するという信じられない光景を目にしたからです。

しかもチケット代もミドル級やヘビー級並みです。

井上や井岡が「商売抜きの海外信仰」に走ることで、一番苦々しく思っているのは対戦するライバルたちでしょう。

「どうして埼玉でやってくれないのか理解できない」(カシメロ)と嘆くのは当然です。 

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先ほど行われた前日計量でヤファイ114.8ポンド、ロマゴン114.6ポンドで共に一発クリア。

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