現在と過去は比較することができません。
しかし、それに近い試みは可能です。
よく「韓国や中国は日本の後を辿っている」と言われます。荒廃した国が高度経済成長を迎え、公害や過剰な労働を経て、成熟する。まあ、すでに抜かれたという側面もありますが。
一つのエポックは五輪でしょう。1964東京、1988ソウル、2008北京。
ただ、ボクシングで語る場合、このスポーツが死滅したも同然の韓国、まだ芽吹いてまもない中国は比較対象にふさわしくありません。
貧しい経済と練習環境で這い上がった白井義男やファイティング原田と、田中恒成や井上尚弥を比較するとき「技術も進歩して科学的なトレーニングも浸透している現代が上」という考え方があります。
しかし「選手の大型化でパワーが桁違い」という揺るがぬ証拠がある野球などと違い、ボクシングの場合はヘビー級を除くと「過去のハングリー」と「現代の技術進歩」の戦いで、そこには揺るがぬ証拠は一つもありません。
過去と現在は現実に比べることは出来ませんが、今なお貧しい経済と練習環境のフィリピンを「過去の日本」に仮想することはアリかもしれません。

最近ではキッズも練習環境が整い、充実した最先端のトレーニングメニューが享受できる日本と違い、実戦で技術を学ぶ叩き上げスタイルのフィリピン。
マニー・パッキャオが、一貫したまともなトレーニングを施されたのは米国上陸した22歳以降のことでした。
フレディ・ローチはパッキャオのミット打ちを受けて「こんな直線的な打ち方は誰も教えない」と 、剥き出しの才能に驚きました。
「パッキャオは20歳を過ぎてから高度なトレーニングや技術を吸収していったのだから、現代の恩恵を受けていないというのは間違い」というなら、その通りです。
しかし、現代ご自慢の技術とやらが、原始的なトレーニングしかこなしていない20歳を過ぎた選手が簡単に吸収・応用できる程度なら、もし20歳過ぎのシュガー・レイ・ロビンソンが現代に降り立ったら、驚くほど短い時間でとんでもないことが起きていることになります。
やはり、現代の最先端トレーニングなど小手先に過ぎないのでしょうか?
メキシコや南米の叩き上げ選手、アントニオ・マルガリートやマルコス・マイダナら「酒場の喧嘩屋」たちもまた、化石の生き残りです。彼らのボクシングはパッキャオと異なり、年齢を重ねても現代の小手先技術はほとんど還元されることがありませんでした。
しかし、マルガリートの竜巻のコンビネーションと、マイダナの空手チョップのようなギロチンパンチはエリートアマのミゲール・コットの心をへし折り、フロイド・メイウェザーの精密を分断して見せたのです。
現在の日本とフィリピンを比較することは、時代や競技人口と競技レベルが比例するのかどうかを考察する一助になるはずです。
もちろん、歴代最高の原田とパッキャオで「フィリピンの勝ち」とするような特殊なサンプルの比較は意味がありません。
世界王者の数や、リング誌ランキングで日本人の方が多いから「日本の勝ち」というのも、あまりに単眼的です。
日本のプロボクサーの人数はJBCによると1835人(2019年5月)ですが、これはペーパープロも相当数含まれている数字です。
ここでは、より実態に近いBoxRecのデータを取り上げます。
今日、1月26日現在の現役プロボクサーの数は日本が1083人。フィリピンが697人。
ここで注意したいのは、この数字でも日本は数試合しかこなしていない事実上のペーパープロを排除しきれていないということです。
一方でフィリピンは、そのまま〝パッキャオドリーム〟を目指す数字 ととらえて差し支えないでしょう。
この背景を考慮すると、日本とフィリピンで真剣に取り組んでいるプロボクサー人口はほぼ同じか、フィリピンの方が多いかもしれないということです。
しかし、それに近い試みは可能です。
よく「韓国や中国は日本の後を辿っている」と言われます。荒廃した国が高度経済成長を迎え、公害や過剰な労働を経て、成熟する。まあ、すでに抜かれたという側面もありますが。
一つのエポックは五輪でしょう。1964東京、1988ソウル、2008北京。
ただ、ボクシングで語る場合、このスポーツが死滅したも同然の韓国、まだ芽吹いてまもない中国は比較対象にふさわしくありません。
貧しい経済と練習環境で這い上がった白井義男やファイティング原田と、田中恒成や井上尚弥を比較するとき「技術も進歩して科学的なトレーニングも浸透している現代が上」という考え方があります。
しかし「選手の大型化でパワーが桁違い」という揺るがぬ証拠がある野球などと違い、ボクシングの場合はヘビー級を除くと「過去のハングリー」と「現代の技術進歩」の戦いで、そこには揺るがぬ証拠は一つもありません。
過去と現在は現実に比べることは出来ませんが、今なお貧しい経済と練習環境のフィリピンを「過去の日本」に仮想することはアリかもしれません。

若き日のパッキャオの練習環境やメニューは1960年代の日本のジムよりもはるかに原始的なものでした。
最近ではキッズも練習環境が整い、充実した最先端のトレーニングメニューが享受できる日本と違い、実戦で技術を学ぶ叩き上げスタイルのフィリピン。
マニー・パッキャオが、一貫したまともなトレーニングを施されたのは米国上陸した22歳以降のことでした。
フレディ・ローチはパッキャオのミット打ちを受けて「こんな直線的な打ち方は誰も教えない」と 、剥き出しの才能に驚きました。
「パッキャオは20歳を過ぎてから高度なトレーニングや技術を吸収していったのだから、現代の恩恵を受けていないというのは間違い」というなら、その通りです。
しかし、現代ご自慢の技術とやらが、原始的なトレーニングしかこなしていない20歳を過ぎた選手が簡単に吸収・応用できる程度なら、もし20歳過ぎのシュガー・レイ・ロビンソンが現代に降り立ったら、驚くほど短い時間でとんでもないことが起きていることになります。
やはり、現代の最先端トレーニングなど小手先に過ぎないのでしょうか?
メキシコや南米の叩き上げ選手、アントニオ・マルガリートやマルコス・マイダナら「酒場の喧嘩屋」たちもまた、化石の生き残りです。彼らのボクシングはパッキャオと異なり、年齢を重ねても現代の小手先技術はほとんど還元されることがありませんでした。
しかし、マルガリートの竜巻のコンビネーションと、マイダナの空手チョップのようなギロチンパンチはエリートアマのミゲール・コットの心をへし折り、フロイド・メイウェザーの精密を分断して見せたのです。
現在の日本とフィリピンを比較することは、時代や競技人口と競技レベルが比例するのかどうかを考察する一助になるはずです。
もちろん、歴代最高の原田とパッキャオで「フィリピンの勝ち」とするような特殊なサンプルの比較は意味がありません。
世界王者の数や、リング誌ランキングで日本人の方が多いから「日本の勝ち」というのも、あまりに単眼的です。
日本のプロボクサーの人数はJBCによると1835人(2019年5月)ですが、これはペーパープロも相当数含まれている数字です。
ここでは、より実態に近いBoxRecのデータを取り上げます。
今日、1月26日現在の現役プロボクサーの数は日本が1083人。フィリピンが697人。
ここで注意したいのは、この数字でも日本は数試合しかこなしていない事実上のペーパープロを排除しきれていないということです。
一方でフィリピンは、そのまま〝パッキャオドリーム〟を目指す数字 ととらえて差し支えないでしょう。
この背景を考慮すると、日本とフィリピンで真剣に取り組んでいるプロボクサー人口はほぼ同じか、フィリピンの方が多いかもしれないということです。

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