今朝のIBFミドル級王者決定戦。

意地と意地がぶつかり合う、素晴らしい試合でした。この試合から私たちが理解した最大の事実は「GGGの劣化は着実に、もしかしたら急速に進んでいる」ということです。

全盛期のザフスタン人が雑魚挑戦者相手に、いたずらに防衛戦を重ねる中で劣化時計の針を進めてしまった末路というのはあまりに不公平な見方です。

セルヒオ・マルチネスやミゲール・コット、ビリー・ジョー・サンダース、ピーター・クイリン、カネロ・アルバレス…ビッグネームにとって実力と人気があまりにもアンバランスなGGGとの対戦は、回避して当然でした。

それでも、意地悪な見方は打ち消すことはできません。

TRIPLE G LOOKS GOOD ONLY AGAINST TOMATO CANS. ゴロフキンって弱い雑魚相手ならめっぽう強いよね。



マディソン・スクエア・ガーデンのリングでもがくGGGを目撃してしまったいま、かつての難攻不落のスラッガーがいつ誰にKOされても驚きではなくなりました。

デレビャンチェンコよりも破壊力のある右を持つ村田諒太にも、そのチャンスは十分にあるでしょう。

GGGが少ない残り時間で最も効率良くカネを稼ごうとするなら、ターゲットはカネロの次は村田です。ただ、今のゴロフキンを倒すことにどれだけの価値があるかは疑問です。

話が脱線しそうなので、今回のテーマ「IBF」についてです。リング誌11月号から意訳です。


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IBFが既存のWBAとWBCのカウンターパートとして発足した歴史は割愛しますが、この団体の特徴は見境なくタイトルを剥奪することです。
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今朝、GGGの腰に戻ってきたIBFのストラップにしても、そもそもは昨年6月に1位セルゲイ・デレビャンチェンコとの指名試合を避けカネロとの再戦を選んだことで剥奪されたものでした。

その後、空位となった王座は昨年10月にダニエル・ジェイコブスとデレビャンチェンコの間で争われ、ジェイコブスがSDで勝利、王位に就きます。ジェイコブスはWBA/WBC王者カネロとの統一戦に敗れ、ベルトはカネロに渡ります。

ここでも期限内に1位デレビャンチェンコとの対戦に応じなかったという理由で、カネロからベルトが取り上げられてしまいます。

IBFには数え切れない〝前科〟がありますが、ここ数年でも2015年にウラジミール・クリチコを下してタイトルを奪ったタイソン・フューリーから試合後わずか10日でタイトルを剥奪。

そのときの理由も指名挑戦者(ヤケスラフ・グラツコフ)との対戦を拒否したからですが、わずか10日です。

クリチコvsフューリーの契約にはダイレクトリマッチも盛り込まれており、もとから勝者がすぐにグラツコフと防衛戦を行う可能性は限りなくゼロに近かったのです。

IBFは統一王者に対する配慮に著しく欠けているようにしか見えません。

他団体も同じようなことをすると完全統一王者は、ますます生まれにくくなってしまいます。


「次はアンディ・ルイスJr.か?」。最近はそんなことが囁かれています。

現代のシンデレラマンは指名挑戦者クブラト・プーレフとの防衛戦よりもアンソニー・ジョシュアとの再戦を優先しましたが、これに異論のあるファンやメディアはいません。

ただし、IBFのやり方・流儀には賛成意見もあります。

他の承認団体がスター選手に過剰に便宜を図ることで利益を誘導しているのに対して、IBFはスターにも毅然とした態度で臨み、ルールを厳格に守っている、と。

では、他の団体の明らかにふざけたランキングと違い、IBFは納得度の高いランキングを作成しているか?となるとそれは明らかに違います。

フューリーが拒否したグラツコフはリング誌やESPN、多くのファンが歯牙にも掛けない世界基準以下のヘビー級でしたがIBFだけが1位にランキングしていました。

そして、空位となったIBFヘビーはグラツコフとチャールズ・マーティンという限りなく怪しい実力の二人が決定戦で争い、勝利したマーティンはジョシュアにあっけなくKOされてしまいます。

今朝、GGGに惜敗したデレビャンチェンコは雑魚ではありません。十分に世界基準にあるミドル級の強豪です。しかし、ジェイコブスに敗れてから、たったの1試合で指名挑戦者に返り咲く理由はどこにも見当たりません。

しかるべき相手に勝ったのならまだしも、ジュニアミドル級を主戦場とするジャック・カルケイという世界基準では何もしていないドイツ人に中差判定勝ちしただけというのに。

現在のミドル級ランキングを見渡しても1位デレビャンチェンコと3位GGG、5位ジェイコブスを除くと、2位は空位(これもIBF特有の独善的な考え方です)、4位カメル・シーレメタ、6位パトリック・ウォッシキー、7位エスキバ・ファルカン、8位スティーブン・バトラー、9位パトリス・ボルニー、10位メイリム・ヌルスルタノフと強豪に一度も勝ったことがない不思議な名前が並んでいます。

もちろん、他団体も同じです。承認団体の世界ランキングは全てが嘘です。彼らは自分たちが強いと思う選手ではなく、自分たちが承認したい選手のランキングを作成しているだけです。

本気でランキングを作れば、17連続KO防衛なんておいそれと出来ません。まともな世界ランキングなら二桁防衛は大偉業です。

まともなランキングを作成してから「(当然まともな)指名挑戦者と戦わなければタイトルは剥奪する」というなら納得できますが、そもそも他団体と同じかもっと酷い理解不能ランキングですから。

世界的な統括団体が存在しないプロボクシングの世界には、正義は通用しません。

腐りきった世界で求められるのは、今すぐに泥水を澄み切らせるような出来っこない綺麗事ではありません。

清濁併せ呑む、その姿勢です。

その一点で、IBFは濁りまくってるくせに、指名挑戦になると途端に聖水を求めだすという精神分裂団体なのです。

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IBFの前日と当日計量システムも理に適っているとは思いますが「全階級ともに10ポンドオーバーでアウト」って、算数が大の苦手なようです。

承認団体はどこも厳しい批判にさらされている腐敗団体ですが、自らの腐敗に気づいていないかもしれないIBFが一番アブナイやつかもしれません。