17階級、4団体時代だから「本物の王者」がいないわけではありません。
「 本物の王者」を決めないから、本物の王者がいないのです。
もし、今が1団体オリジナル8の時代 だったとしたら、やはり8階級に一人ずつ世界チャンピオンが屹立していたはずです。
4団体なら、Undisputed Championを決めればいいだけです。
しかし、それがどれほど困難な取り組みなのかは、着手しやすい不人気階級に狙いを定めたWBSSトーナメントですら二つのシーズンで延べ5階級に渡りながら、たった一人のUndisputed Championしか産み出せていない現状を見るとよくわかります。
「見えないトーナメントが準決勝(ベスト4)で止まっている状態と考えれば良い」というのは楽観的過ぎます。
4団体は4人の世界王者を擁立しているだけではありません。もっと多くの世界戦を承認しているのです。
そして、たとえ4人だとしてもそれが世界のベスト4だとは誰も考えていません。
日本人に馴染みのあるところでは、フェルナンド・モンティエルやジェイミー・マクドネルなどベスト4とは到底思えない非常に評価の低い世界王者がゴロゴロいるのです。
Boxing historians have difficult jobs these days because many of the sport’s most cherished records have been bastardized by the explosion of sanctioning bodies and weight classes.
ボクシングの歴史家たちも難解な問題に取り組まざるをえません。複数階級制覇をはじめとした現代特有の〝偉業〟は承認団体と階級の爆発的な増殖によってもたらされたもので、過去の「本物の偉業」とは単純比較できないからです。
井上尚弥や井岡一翔はファイティング原田を凌ぐ複数階級制覇を成し遂げていますが、原田と同列に語られることはありません。
現代ボクシングの世界で飛び抜けて人気のあるカネロ・アルバレスは11月2日に4階級制覇を賭けて、セルゲイ・コバレフの持つライトヘビー級タイトルに挑戦しますが、これも数多くの王座のピースを4つ集めたに過ぎません。
百歩譲って承認団体がそれぞれの正義から、それぞれの世界王者を擁立するのは仕方がないことかもしれません。
階級の増殖については、より公正な競争を促すためという大義名分もさすがにここまで無意味に細分化されると論理は崩壊しています。
それでも「世界王者は一つの階級に世界にたった一人」という絶対は譲れません。ところが、この聖域まで汚しているのが承認団体です。
WBAが「世界王者」と承認しているのはヘビーで3人、クルーザーとライトヘビーで各2人、スーパーミドル3人、ミドルとジュニアミドルで各2人。
驚くべきことに最も承認量が稼げるウェルターは(この1人で十分元が取れるということでしょう)たった1人!。
ジュニアウェルター2人、ライトとジュニアライトは珍しく1人ですが、フェザーとジュニアフェザー、バンタムは2人ずつ。
ジュニアバンタムとフライ、ジュニアフライ、ミニマムはさすがにここまで気が回らないのか1人ずつ。
WBAだけで17階級に28人の〝世界王者〟が承認されているのです。これは、あくまでもWBAだけの数字です。
カネロはメキシコ人で4人目、世界でも20人目となる4階級制覇に挑戦します。
トーマス・ハーンズが1987年に史上初の4階級制覇を達成してから、わずか30年で20人が4つのクラスを征服したのです。※19人目が井岡です。
30年で20人、3年に2人のペースですが昨年はマイキー・ガルシアとドニー・ニエテス、今年は井岡とカネロ(予定)と年2人が誕生、4階級制覇よりもFighter of the Year の方が圧倒的に価値が上の時代になりました。
このままだと、リング誌のFighter of the Monthの方が5階級制覇よりも評価が高い時代がやって来そうです。
What Alvarez is attempting to do is nowhere near on par with what Armstrong did in a 10-month span in 1937-38.
1937-1938年にかけてのわずか10ヶ月で3階級制覇を達成したアームストロングの偉業は、カネロが成し遂げるかもしれない4階級制覇とは全く別のものだ。
しかし、現代においてカネロの選択が間違っているとは言い切れないことが、この病巣の深刻な点です。
様々な利権が絡み、統一が難しい人気階級ミドルでいつ実現できるかわからない完全統一を目指すよりも、かつてのライトヘビー級最強コバレフと4階級制覇を賭けて戦う方がファンも喜び、興行としてもより大きな成功を収められるのですから。
一つの承認団体が30人前後の〝世界王者〟を認定する時代に、ボクサーは何を持って自らのレガシーを築けば良いのでしょうか。
「 本物の王者」を決めないから、本物の王者がいないのです。
もし、今が1団体オリジナル8の時代 だったとしたら、やはり8階級に一人ずつ世界チャンピオンが屹立していたはずです。
4団体なら、Undisputed Championを決めればいいだけです。
しかし、それがどれほど困難な取り組みなのかは、着手しやすい不人気階級に狙いを定めたWBSSトーナメントですら二つのシーズンで延べ5階級に渡りながら、たった一人のUndisputed Championしか産み出せていない現状を見るとよくわかります。
「見えないトーナメントが準決勝(ベスト4)で止まっている状態と考えれば良い」というのは楽観的過ぎます。
4団体は4人の世界王者を擁立しているだけではありません。もっと多くの世界戦を承認しているのです。
そして、たとえ4人だとしてもそれが世界のベスト4だとは誰も考えていません。
日本人に馴染みのあるところでは、フェルナンド・モンティエルやジェイミー・マクドネルなどベスト4とは到底思えない非常に評価の低い世界王者がゴロゴロいるのです。
Boxing historians have difficult jobs these days because many of the sport’s most cherished records have been bastardized by the explosion of sanctioning bodies and weight classes.
ボクシングの歴史家たちも難解な問題に取り組まざるをえません。複数階級制覇をはじめとした現代特有の〝偉業〟は承認団体と階級の爆発的な増殖によってもたらされたもので、過去の「本物の偉業」とは単純比較できないからです。
井上尚弥や井岡一翔はファイティング原田を凌ぐ複数階級制覇を成し遂げていますが、原田と同列に語られることはありません。

百歩譲って承認団体がそれぞれの正義から、それぞれの世界王者を擁立するのは仕方がないことかもしれません。
階級の増殖については、より公正な競争を促すためという大義名分もさすがにここまで無意味に細分化されると論理は崩壊しています。
それでも「世界王者は一つの階級に世界にたった一人」という絶対は譲れません。ところが、この聖域まで汚しているのが承認団体です。
WBAが「世界王者」と承認しているのはヘビーで3人、クルーザーとライトヘビーで各2人、スーパーミドル3人、ミドルとジュニアミドルで各2人。
驚くべきことに最も承認量が稼げるウェルターは(この1人で十分元が取れるということでしょう)たった1人!。
ジュニアウェルター2人、ライトとジュニアライトは珍しく1人ですが、フェザーとジュニアフェザー、バンタムは2人ずつ。
ジュニアバンタムとフライ、ジュニアフライ、ミニマムはさすがにここまで気が回らないのか1人ずつ。
WBAだけで17階級に28人の〝世界王者〟が承認されているのです。これは、あくまでもWBAだけの数字です。
カネロはメキシコ人で4人目、世界でも20人目となる4階級制覇に挑戦します。
トーマス・ハーンズが1987年に史上初の4階級制覇を達成してから、わずか30年で20人が4つのクラスを征服したのです。※19人目が井岡です。
30年で20人、3年に2人のペースですが昨年はマイキー・ガルシアとドニー・ニエテス、今年は井岡とカネロ(予定)と年2人が誕生、4階級制覇よりもFighter of the Year の方が圧倒的に価値が上の時代になりました。
このままだと、リング誌のFighter of the Monthの方が5階級制覇よりも評価が高い時代がやって来そうです。
What Alvarez is attempting to do is nowhere near on par with what Armstrong did in a 10-month span in 1937-38.
1937-1938年にかけてのわずか10ヶ月で3階級制覇を達成したアームストロングの偉業は、カネロが成し遂げるかもしれない4階級制覇とは全く別のものだ。
しかし、現代においてカネロの選択が間違っているとは言い切れないことが、この病巣の深刻な点です。
様々な利権が絡み、統一が難しい人気階級ミドルでいつ実現できるかわからない完全統一を目指すよりも、かつてのライトヘビー級最強コバレフと4階級制覇を賭けて戦う方がファンも喜び、興行としてもより大きな成功を収められるのですから。
一つの承認団体が30人前後の〝世界王者〟を認定する時代に、ボクサーは何を持って自らのレガシーを築けば良いのでしょうか。
コメント
コメント一覧 (3)
まぁ怪我での欠場が敗北扱いにならずベルトの移動も無かったり、そもそもチャンピオンを全員集められなかったりと色々不完全ですが
フシ穴の眼
が
しました
気のある)選手を王者やランキングに入れてるわけ
ですからファンの目が本当に厳しければ、国籍や
スタイルに関係なく選手を見極めようとすれば
団体もそっち寄せていくと思うんですけどね。
一競技を観戦するのにただのファンが疑いの目を向けなければならない、
嘘を提供されるのが当たり前な事自体残念ですが
フシ穴の眼
が
しました