5月25日、井上尚弥はバンタム級転向第1戦で、いきなりWBA世界王者のジェイミー・マクドネルに挑みます。

2012年のデビューから5年8カ月でジュニアフライ級(108ポンド)からバンタム級(118ポンド)へ、ちょうど10ポンド、4.54kg体重を増やして大田区総合体育館の特設リングに上がることになります。

井上は、プロ6戦目でジュニアフライ級のWBCバージョンを獲得、フライ級をスキップして8戦目でオマール・ナルバエスからジュニアバンタム級のWBOバージョンを奪って二階級制覇。マクドネルに勝てば三階級制覇達成です。

不吉なことを語るつもりはありませんが、ボクシングの世界には階級の壁が厳然として存在します。

昨年、米国で念願のメインイベンターの地位を掴んだローマン・ゴンザレスは、階級の壁に物の見事に跳ね返されてしまいました。

軽量級で史上初のPFP1位の座に登り詰めたニカラグア人は、ストロー級(105ポンド)を皮切りにジュニアフライ(108ポンド)、フライ(112ポンド)、ジュニアバンタム(115ポンド)と四階級制覇に成功していましたが、ジュニアバンタムではカルロス・クアドラスとシーサケット・ソールンビサイを持て余し、シーサケットとの2戦目ではいいところなく惨敗してしまいました。
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SUPERFLYの看板、ロマゴン復権のために、シーサケットに7日前計量で121ポンドのリミットを強要するなど、理不尽な小細工がリング外で仕組まれましたが、リングの上では強いやつが勝つだけなのです。

ロマゴンをしても10ポンドの体重差は、非常に厳しい重荷となりました。

奇しくも井上も10ポンドの壁にチャレンジします。

フライ(112ポンド)からジュニアミドル(154ポンド)の42ポンド、19.1kgという驚異のスパンで世界王者となったマニー・パッキャオのような超常現象は例外として、軽量級の一流ボクサーたちでも10ポンド前後の階級制覇で大きな壁に阻まれてきました。

今夜から、10ポンドの壁にぶち当たった殿堂クラスのエリートの挑戦と挫折を振り返ります。