カネロ・アルバレスのドーピング問題を巡って、4月10日に、ネバダ州体育協会による聴問会が開かれます。

その結果によっては、5月5日に予定されているゲンナディ・ゴロフキンとの再戦は消滅しますが、メディアやファンの多くは「ネバダ州がメガファイトの経済的恩恵を自ら手放すわけがない」と楽観的です。

「聴問会なんて形式的なもので、カネロに故意はなかったとライセンスを再交付する」と見ているのです。
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ドーピングの“権威”、ビクター・コンテは「カネロ・アルバレスが意図的に薬物を使用していなかったということはありえない。短い期間で2度もミス(陽性反応)したのは、チームドクターの技術が低かったからだろう。“抜き方”を誤ったってやつだ」と断言。ただ、カネロ本人には、ドーピングプログラムが知らされず、「サプリメント」として摂取していた可能性はあるかもしれないとも。

一方で、この試合をPPVで放映するHBOは、宣伝番組を流していないばかりか、そのスケジュールからも削除しました。

さらに、西海岸の映画館などでPPVをリアルタイムで上映するクローズドサーキットでも、ほぼ全ての会場で受信設備が撤去されています。

暫定とはいえ、ネバダ州はカネロのライセンスを停止していますから、このままではネバダ州での試合は行えません。

そして、試合を強行したときに非難を浴びるのはカネロはもちろん、ネバダ州体育協会とプロモーターにもその矛先が向けられます。

一方で、中止した場合に非難されるのはカネロ陣営だけです。

ゴロフキン陣営は、カネロ戦が消えても5月5日に試合をする方向で動いており、すでにデメトリアス・アンドラーデが候補に挙がっています。

カネロ戦よりも興行規模は縮小するとはいえ、無敗同士のビッグファイトです。ネバダ州にとっても相応の経済効果が見込めます。

まともなスポーツの観点からも中止すべきです。五輪100m決勝にドーピングが発覚したスプリンターは出場できません。卑劣なドーパーのレーンを空けて7人で金メダルを争うだけです。

そして、卑怯者は永久追放に匹敵するペナルティを受けるべきです。

五輪の陸上競技と違い、1対1で争うボクシングではひとりがドーピングしてしまうと試合そのものが消滅してしまう興行的なリスクがありますが、そんなものを優先してスポーツの根幹を揺るがすルール違反を許すことなど、断じてあってはいけません。

一試合の報酬が10億円を超え、テカテビールなどメキシコ大企業の手厚い支援を受けるカネロは、世界一裕福なボクサーです。

そして、ゴールデン・ボーイ・プロモーション(GBP)も世界最大規模のプロモーターです。

彼らにドーピングの知識が無く、うっかり汚染された牛肉を食べてしまったというのは、あまりにもお粗末です。

人気もカネも知識も無いルイス・ネリなら許される問題ではありませんが、カネロの立場ではどんな言い訳もウソにしか聞こえません。

まさか、メキシコの食肉の多くが禁止物質に汚染されているとは知らず、ついつい食べてしまったとでも?

ネリじゃあるまいし、米国産牛肉は高価で買えないし、禁止物質についての専門家やアドバイザーもチームにいなかったとでも?

ボクシングがまともなスポーツなら、ネバダ州体育協会に最低限の倫理観があるのなら、カネロ・アルバレスは完全にアウトです。