三浦隆司、大方の予想とオッズの通りの結果になってしまいました。残念無念です。

今回の三浦の報酬は19万5000ドル(約2140万円)、ミゲール・ベルチェルトは28万ドル(3000万円)、セミファイナルに出たジェスレル・コラレスは7万5000ドル(820万円)、ロビンソン・カスティジャノスは5万ドル(550万円)でした。

三浦の1試合2000万円は、いわゆる6フィギュア、プロボクサーとして胸を張っていい数字ですが、7、8フィギュアともっともっと大きな金額が約束された舞台を目指していたでしょうし、夢半ばでした。

三浦には復活を期待したいですが、厳しいですね…。決して強豪王者とは言えないベルチェルトにかわされる姿には、悲しい限界を感じてしまいました。

左のボンバーだけでなく、打たれ強さと精神力も十二分に発揮した三浦でしたが、技術的な部分では拙さばかりが目立ったまま、試合は終わってしまいました。

エリートファイターにとっては、Sフェザー級はジャンピングボードであり、通過階級。オスカー・デラホーヤやフロイド・メイウェザーもこの階級を始発駅にして、スーパースターの終着駅まで走り抜き、マニー・パッキャオもこのSフェザー級で、彼が何者であるのかを世界に知らしめました。

今のSフェザー級では、まさに発車したばかりのジャーボンタ・デービス、次なる跳躍を睨んでいるワシル・ロマチェンコ、二人の評価が抜きん出ています。

特に、ロマチェンコは多くの専門家がPFP1位に推し、完全無欠のボクサーと考えられています。デービスをプロモートするフロイド・メイウェザーでも「ロマチェンコとの統一戦を急ぐ必要はない」と公言しているのは、「現時点では勝てない」と見ているからです。

三浦が敗れたベルチェルト、辛くも2度目の防衛に成功したコラレスは、いずれもゴールデンボーイ・プロモーションのボクサーで、この二人が統一戦を争う可能性は十分ですが、トップランク傘下のロマチェンコはもちろん、メイウェザーの秘蔵っ子デービスとの絡みはなさそうですね。もしやってもベルチェルトとコラレスでは圧倒的不利のオッズ・予想を立てられるでしょう。

さて、注目の試合はまだまだ続きます。

7月29日にはマイキー・ガルシアとエイドリアン・ブローナーが激突。オッズは5−1でマイキーに大きく傾いており「ブローナーが初めてKOされる」という予想も見られます。

マイキーはホルヘ・リナレスの対抗王者。一時は統一戦も期待されましたが、ブローナー戦は140ポンド、スーパーライト級の試合になります。多くのタレントがひしめき、最も層が厚く人気も高いウェルター級まで意識しているマイキーが、5ポンド下げてライト級でリナレスと戦うことは、残念ですがないかもしれません。


【リング誌8月号でもリナレス対マイキーの統一戦を現役選手、トレーナー、専門記者が徹底予想。ライト級最強決定戦の実現へ期待が膨らんでいたのですが…。】

そのマイキーが照準を合わせているスーパーライト級の主役が、テレンス・クロフォードです。試合は面白いのですが、ライバル不在、地味な印象もあって注目度は高くありません。とにかく人気が欲しい実力者クロフォードと、高評価に飢えた人気者マイキーとの対決は、相思相愛でしょう。

このWBC、WBO王者クロフォードは8月19日に、WBAスーパー、IBF、IBO王者のジュリウス・インドンゴと完全統一戦を行います。無敗同士の好試合になりそうな気もしますが、オッズは驚くほどクロフォード寄りです。試されていない部分が多いとはいえ才能あふれるナミビア人の勝利は6倍の高配当、クロフォード勝利はなんと1.08倍、ほとんど見返りがないオッズです。

鉄板のクロフォードがその通りに勝てば、ウェルター級侵略へのGOサインが出るでしょう。本人が渇望しているパッキャオ戦が実現するかどうか、注目です。
タラレバですが、クロフォードvsインドンゴの一週間後8月26日のWBO世界スーパーウェルター級タイトルマッチ、ミゲール・コットvs亀海喜寛で、頑健な日本人が番狂わせを起こせば、日本人悲願の、世界で最も熱いウェルター級への道も開けます。

さあ、そしてコットvs亀海です。

スーパースターのコットに敷かれた引退ロード、花道の最後はカネロ・アルバレスとのリマッチも噂されていますが、現時点で最も可能性が高いのはファン・マヌエル・マルケスとの、プエルトリコvsメキシコ対決です。

その前のチューンアップに選ばれたのが亀海です。カネロかマルケス。そのゴールのテープに向かうためには、コットが亀海に負けることは絶対に許されません。

36歳のコットがほぼ2年、42歳のマルケスに至っては最後にリングに上がったのが2014年5月ですから現時点でも3年2ヶ月ものブランクがあることになります。プエルトリコとメキシコのレジェンド対決ですから、実現したら盛り上がるでしょうが、二人の今の実力は?です。ステイクされるものの価値は低いですね…。

では亀海がコットに勝てば、マルケス戦もありうるか、となるとそれは難しいでしょう。マルケスも栄光のキャリアのフィナーレを飾るに価する相手を探しているのです。それでも、層の厚い階級ですから、コットに勝ってベルトも持っている亀海の前には、名前のある旬の強豪が行列を作るでしょうから、勝ったら勝ったでコットよりもはるかに強く若いファイターと防衛戦を戦わなければなりません。

とにかく、勝つことです。WBOのタイトルという王者のピースはどうでもいいです、「コットに勝った」という金看板を手に入れましょう!

そして、世界が最も注目している9月16日、ゲンナディ・ゴロフキンとカネロ・アルバレスのミドル級最強決定戦。世界に実力を証明した村田諒太はもちろん、コット戦をクリアしたら亀海もミドル級スターウォーズへ参戦切符を手に入れることが出来ます。

オッズはGGG勝利が1.8倍、カネロが2.3倍と、試合が近づくにつれて接近、専門家や現役選手の予想もカネロ有利という声が大きくなっています。ケル・ブルックのスピードに手こずり、ダニエル・ジェイコブスの体格を持て余したGGGは35歳、明らかに劣化症状が目に付き始めており、試合の予想は混沌としてきました。


【ジェイコブスはナチュラルに体格が大きいだけでなく、IBFが義務付けている当日計量をパス、190ポンド(Lヘビー級の上限が175ポンドですからクルーザー級です)でリングインしたと言われています。一方のGGGは当日計量で169.6ポンドですから、20ポンドのハンデがあったことになります。しかし、10ポンドを超えるリバウンドを禁止しているIBFルールに、GGGも抜け目なくギリ(明らかに意図的ですね)でリバウンドしているのです。GGGもミラクルマンほどではないにせよ、リバウンドの名人なのです。前日計量が一般的になった現在、大きくリバウンド出来る、それに耐えられる体質がボクサーにとって非常に重要な〝能力〟になってしまっています。この現状は明らかにおかしいですね。】

一方でカネロは26歳、まさにプライムタイムを迎えている上に、現代ボクシングでは飛び抜けた人気者です。これまでもメイウェザー戦や、エリスランディ・ララ戦で偏重したジャッジが見られたことから、GGGは明白な内容でないと勝てないかもしれません。

経年劣化の年齢に差し掛かったGGGと、これから全盛期を迎えるカネロ。どっちが勝ってくれた方が、村田にとっていいのかわかりませんが、日本人がこの階級に絡むというのは鳥肌ものの興奮です。