今回のW杯で楽しみは、はっきりと「優勝」を口にしたサムライブルーたちの戦いっぷりです。

オランダに食らいついて引き分けに持ち込むのが精一杯の彼らが〝ソレ〟を口にするのですから、身の程知らずというか「あとで後悔するぞ」な発言です。

今までベスト16が最高の日本が、一気に4つもステージを駆け上がろうというのですから。

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前置きが長くなりました。

サムライブルーの活躍、正確にいうと勝ち方だけでなく、敗れることも含めた戦いっぷりがとにかく楽しみです。

そして、ピッチから離れたところでは本田圭佑の解説。

大会参加国の特徴や、選手のキャラクターを詳細に知っているわけではありません。勉強不足の解説者は、普通なら視聴者から嫌悪されるはずですが、本田さんは「ファンダイクって何歳?身長は?」とアナウンサーに躊躇なく聞いてきます。

そして、非常に早い段階から「11番、めっちゃウザい」と的確でわかりやすく指摘。11番がガクポだとわかると「(警戒するのは)1にガクポ、2にガクポ、3にガクポ」とやはり非常にわかりやすく表現。

選手経験者に求められるのは、最低限の知識から豊富なデータを暗記していることではなく、短い時間で戦況を把握する知見と、それをわかりやすく伝える話術です。

最低限の知識や豊富なデータを暗記しているのは、解説の横についたアナウンサーがフォローすれば良いこと。

井上尚弥はラスベガスで戦うラモン・カルデナスとの試合を「今度こそアウエーになるかも」と予想しましたが、米国で全く関心の払われない軽量級、エリック・モラレスじゃあるまいしマニアの間でもほとんど無名のカルデナスに多くのファンがついているわけがありません。

そんなボクヲタなら誰でも知っている常識さえ知らなかった井上ですが「ワンツーだけで世界は獲れる」と言い放ち、基本中の基本であるワンツーについて、「ワンを打たないワンツー」(ワンは打たないがフェイントによってワンの効果を相手に与えている)のように多彩で奥行きがあることをリングの上でわかりやすく説明して見せます。



「日本代表が強くなった理由」を聞かれた本田さんは「これはもう一択ですよ。ネットの普及」と断言。「どんなプレーでも無料で簡単に見られるようになった。要するにコモディティ化した。ヨーロッパのサッカーに毎日触れられる。僕が子供のときでさえTSUTAYAに行って、お金払って借りないとそのプレーに触れられなかった」と、やはりわかりやすく説明してくれました。

「ネットの普及」は、野球でもトレバー・バウアーやダルビッシュ有がボールの握りからリリースポイント、回転数までYouTubeで公開していることで、特に投手が大きな恩恵を受けています。



そして、ユニークな「さん付け」。

 「(久保さんと)東京でばったり会って、話している時、『本田さん、マジで“久保さん”やめてほしいっす』ってなって。そういうふうに言ってくれる人には、呼び捨てで言うのはいいけど、みんながそういう人じゃないからね。オレはまず、一律で、自分と一緒に長い間代表でやっていなかった人には、“さん”をつけるようにはしている。ビジネスの世界では当たり前の話。ビジネスでは、それでお互い違和感は持ってない。サッカー界はちょっと遅れてんのよね。体育会系が過ぎる、というか」 。

本田さんは、14歳年下のMF久保建英に対しては、本人の希望があったため「タケ」と呼ぶが、その他の後輩選手などには基本的に「さん付け」を徹底しています。

もちろん、ビジネスであっても他社との会合で同席した〝自分と一緒に長い間やっている人〟を呼び捨てにしたりすることはなく、誰に対してもさん付けです。〝ビジネスに倣っている〟というなら、本田さんの「さん付け」の理由は成立しません。

とはいえ、そこが本田さんの面白いところです。


本日のチュニジア戦も、どうぞよろしくお願い致します。