2008年、オスカー・デラホーヤとのTHE DREAM MACTH の記者会見で「正気とは思えない。勝てると思っているのか?」と質問されたマニー〝パックマン〟パッキャオは「新聞やネットニュース、ブックメーカーの予想通りになるのなら、私は今、ここにいない」と答えました。

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デラホーヤ戦前
デラホーヤ戦前。パッキャオはPFP1位に君臨していましたが「勝ち目はない」と決めつけられていました。しかし「フライ級上がり」のパックマンはライト級で最強と見られていただけでなく、試合は145ポンドのキャッチウエイト。そして何よりも、全盛期のマニー・パッキャオ。勝利の条件は全て揃っていました。


英国で定着しているスポーツベッティングが、米国の多くの州で公認されるようになったのはここ10年ほどのこと。

日本国内では、まだ法律的に禁止されています。つまり、軽量級のボクシングのオッズは、この階級に興味・関心の低い英米のブックメーカーが出している数字です。人気階級ド真ん中で大活躍したパッキャオのオッズですら〝間違う〟のですから、軽量級のオッズは相当にいい加減です。

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6年前の2020年12月に行われた「井岡一翔vs田中恒成」では英米のブックメーカーがこぞって若さとスピードの明白な差から「井岡がアンダードッグ」と見ていましたが、日本のメディアとファンは「井岡がやや有利」と逆の見方をしていました。

「悪い意味でも真っ正直なボクシングをする恒成は、狡猾な井岡にとってやりにくい相手ではない」という見方は正鵠を射るものでしたが、それが今回の「井岡vs井上拓真」にも当てはまるか?となるとStyles make Fights、そうはならないでしょう。

今回のオッズは拓真の4/9(1.44倍)に対して、井岡が13/8(2.63倍)。「井岡vs恒成」と似通った掛け率になっています。一方で、日本での予想は圧倒的に拓真、井岡が勝てば大番狂わせの様相です。

フェルナンド・マルチネスに力負けした残像からも、井岡にとってバンタム級を主戦場にしてきた拓真はフィジカルで難しい相手に思えます。

しかし、拓真は恒成のようなスピードに欠け、前に出る力が弱いボクサー。番狂せを起こした那須川天心との覚醒試合では、第4ラウンドから距離を潰しに行く良い意味で〝らしくない勇気〟を見せましたが、天心と違いクロスレンジに苦手意識のない井岡は簡単に下がってくれないでしょう。

井岡は、恒成に続いて「花の95年組」の拓真と激突します。Battle of Age(世代の対決)という構図は変わらないものの相手のスタイルは全く違います。

そして、何よりも違うのは6年前のBattle of Ageは「31歳の井岡vs25歳の恒成」でしたが、今回は「37歳の井岡vs30歳の拓真」。Battle of Age のテーマは「その戦いは早すぎたのか?それとも遅すぎたのか?」。

25歳の恒成にとって31歳の井岡は「早すぎた」結果に終わりました。そして…37歳になった井岡にとって30歳の拓真との試合は「遅すぎた」ことになるのか?

それとも…?