Netflixが現在のメディアで突出した存在であることは、日本でも野球WBCへのアプローチなどから思い知らされています。

スポーツでは放送設備や人材を持ってないとはいえ、テレビ局を下請けとしてアゴで使うことは彼らにとって造作もないこと。

ネット時代に現れたこの大巨人の姿勢は、サウジアラビアとは違い、ビジネス一本。「儲かるならやりましょう!」です。

ボクシングでは人気のない軽量級や、利権の少ない不安定な国の選手の試合ではなく、ジェイク・ポールやマイク・タイソンら世間の耳目を引くキャラクターの試合を配信してきました。

世間の耳目を引く。その意味で、彼らがフロイド・メイウェザーとマニー・パッキャオの再戦に手を伸ばしたのは必然でした。

april-2023-cover-308x432-1
彼らに期待した人の方が愚かでした。

ボクシング界最後のスーパースター、カネロ・アルバレスはかつての輝きを完全に失い、強敵を避け続けたキャリアに再戦に値するめぼしいファイターは見当たりません。

この悲惨な状況で、米国などの〝良識ある〟メディアは〝real boxing〟という言葉を好んで使い始めています。
リアル・ボクシング。茶番劇ではない、最高の技術を持つ、最強の2人が戦うのがリアル・ボクシングだというのですが…それっていつの話でしょうか?

モハメド・アリの時代までなら、そんなこともあったかもしれませんが。

強大なNetflixには、スポーツとしてのボクシング、リアル・ボクシングをしっかり追いかけて欲しいという、彼らの〝良識〟はここ最近の茶番劇がもてはやされる現状を嘆いているようです。

メイウェザーvsパッキャオ2は、間違いなく何百万人ものひとが見ることになります。その中にはライトなボクシングファンや初めてボクシングを見る人もたくさんいるでしょう。

ボクシングの本当の魅力ではなく、茶番劇を最初に刷り込まれた彼らのボクシングのイメージは最悪のものとなって醸成されてゆくはずです。

IMG_3969

スポーツとしてのボクシング…懐かしいような、そんな時代は一度も見たことがないような…。

もし、スポーツとしてのボクシングがあったのなら、メイウェザーvsパッキャオが2015年になって実現するなんてことはありませんでした。

その意味では、あの試合こそが世紀の茶番劇だったのかもしれません。