噂の段階から、あちこちでオッズが立ち上がっていたメイウェザーvsパッキャオ2。

sky betの掛け率はメイウェザー勝利が8/13(1.62倍)、パッキャオが6/4(2.5倍)。

ここからオッズが動いていきます。現時点の数字には何の意味もありませんが、ブッカーがフライング気味に反応したことから、今なおこの2人への注目度が高いということがはっきり思い知らされます。

いや、とっくの昔に第一線から退いた2人の注目度が高いわけがありません。この注目度の高さは相対的なものです。他の、現役ファイターがあまりにも面白くない、つまらないことの裏返しです。

スフィアに一番乗りしたボクサーがメイウェザーとパッキャオ。

井上尚弥ら軽量級では夢にも見れない大舞台でしょうが、人気階級の強豪たちは「バカにするな!」と悔しがらなければ行けません(日本の軽量級選手もアンダーカードの誘いがあればぜひ手を挙げて欲しいです)。

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1970年代でヘビー級だけの時代は終幕、80年代に入るとスピードとパワーを高い次元で結晶させたウエルター級やミドル級の近隣クラスにスポットライトが当てられます。

スーパースターのトーチは、シュガー・レイ・レナード、マイク・タイソン、オスカー・デラホーヤ、フロイド・メイウェザー、マニー・パッキャオ、カネロ・アルバレスと、タイソンを例外に中量級のファイターたちがリレーされました。

そして、彼らのリングには強烈な虹彩を放つ魅力的なライバルがひしめいていました。

レナードとパッキャオは言うに及ばず、デラホーヤにはフリオ・セサール・チャベス、フェリックス・トリニダード、メイウェザーにはリッキー・ハットン、デラホーヤ、パッキャオが立ち塞がりました。

タイソンは残念ながら、強烈なライバルにはことごとく敗北。

カネロはヒリヒリするような相手との対戦を回避しているうちに全盛期が過ぎてしまいました。

そして、この10年以上もスーパースターのトーチを掲げて走り続けてきたカネロは、そのトーチを渡す相手をついに見失います。

ヘビー級が求心力を失った1970年代以降、ボクシングの社会的ステイタスはどんどん下落して、現代は茶番劇がありがたがられる惨状にまで陥っています。

PFPは階級の無視した実力を妄想する純粋評価ですが、現代のトップ3(オレクサンデル・ウシク/井上尚弥/シャクール・スティーブンソン)と人気面ではこれまた悲惨なトリオです。

引退はしましたが、つい最近までトップ3の常連だったテレンス・クロフォードも「カネロのスタジアム興行の観客の方が多い」と馬鹿にされるほどPPVが売れない不人気ボクサーでした。

ウシクは「巧いけどスペクタクル性に欠ける」だけでなく、ウクライナ人という大きなファンベースを持たない国籍もアダになっています。

井上に至っては、スペクタクルではあるものの、カジュアルなボクシングファンが全く関心を示さない階級でアジア人という、絶望的な環境。

ライアン・ガルシアが規律正しくボクシングに打ち込み、リアルファイトで強豪を撃破していたなら、スーパースターのトーチは継承されたかもしれませんが…。

スペクタクルとは言え、対戦相手の質が低く、毎年複数の重犯罪に手を染めてきたタンク・デービスも論外。

1980年から始まった年間PFPは「人気投票」の性格もありました。

最軽量級でスペクタクルなKOを量産し、倒した相手が上の階級で活躍する…そんなリカルド・ロペスが「ガラスの天井」に阻まれたのは、人気のない軽量級だからと言われました。

時代とともに「実力評価」の色合いが濃くなり、ローマン・ゴンサレスが2年以上も1位に君臨するなど軽量級の「ガラスの天井」は、今や完全に消え去りました。

そして、1990年代にリング誌が月刊PFPを発表したとき「ヘビー級に敷居の高いPFPって弱者の言い訳じゃねぇか」という正論が数多く寄せられましたが、そんなまともなファンはこのスポーツ(とまだ呼べるかどうか微妙すぎますが)から離れて行きました。

ボクシングが廃れる一方だから、PFPのようなマニアの妄想や、スポーツから逸脱した茶番劇がありがたがられるのです。



モハメド・アリの時代のように。

ヘビー級に圧倒的な強さとオーラを放つ鬼が4〜5匹もいたら、PFPなんて弱者の言い訳を楽しむのは変態マニアだけ、茶番劇なんて3本ロープのプロレスでやってろ…そんな世界が出来上がっていたでしょう。

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ーーーーー私は2015年4月、子供に会いにカリフォルニア州の大学キャンバスを訪ねていました。