機動戦士ガンダムは1979年から80年にかけて、名古屋テレビで放映された全43話のロボットアニメです。

当初は52話の予定でしたが、全く人気が上がらず、43話で打ち切られたのでした。

しかし、マニアの評価は高く、彼らの熱烈なリクエストに押される形で再放送されると視聴率は初回放送を大きく上回るという前代未聞の〝リバイバルでの大ヒット〟に。

私が初めて見たガンダムも再放送で、ボクシングに惹きつけられた時期とちょうど重なります。

勧善懲悪とは言い切れない戦争の現実。ロボットではなくモビルスーツという兵器に搭乗して戦う兵士たち。

アムロ・レイに代表される主人公は人間臭さに溢れ、共感を集める物語に仕上げられていました。

SFとアニメという二重の虚構にも関わらず、そこに描かれていたのは生々しい〝現実〟でした。

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同じ頃に、私の感性を揺さぶったボクシングはSFでもアニメでもない、紛れもない現実でした。

〝石の拳〟ロベルト・デュラン、〝モーターシティ・コブラ〟トーマス・ハーンズ、マーベラス・マービン・ハグラー。そして、アムロと同じ名前を持つシュガー・レイ・レナード。

彼らは実在する人物で、リングで暴れる彼らは厳然とした現実でしたが、ラスベガスのシーザースパレスを主戦場にする彼らの戦いの方がガンダムよりも現実離れしていました。


もし、戦争になればアムロのような少年を死地に向かわせることになる。どちらが勝とうが、大きな被害と喪失に打ちひしがれる無辜の民。

ガンダムは想像力を刺激してくれる虚構でした。


一方で、ボクシング。ヘビー級を凌ぐ史上最高のファイトマネーを更新、日本にはない華やかな舞台で繰り広げられるスペクタクルは現実離れしていました。

しかし、最も現実離れだと痛感させられた理由は、そこは具志堅用高も渡辺二郎も立てない人気階級のリングであるということです。

つまりは、日本人には縁がないという、諦観の現実でした。

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ーーーもし、1980年代前半にタイムスリップして、当時の私に「2026年には日本人はウエルター級やミドル級で活躍するだけでなく、ヘビー級でもタイトルを獲ってラスベガスやニューヨークでボクシングファンを熱狂させている」と伝えたなら…私は信じたでしょう。

「メジャーリーグでも投打で日本人が活躍する」と言っても、やはり信じたでしょう。

しかし、日本人メジャーリーガーの成績表を見せると「大谷翔平って同姓同名の2人が投手と打者で大活躍してるんだ」と思い込んだ偶然を面白がるのは間違いありません。

「いやいや、これ同一人物。大谷翔平は1人しかいない、ユニコーン」と、間違いを正しても絶対に信じることはないでしょう。