町はバレンタイン仕様である。

高校時代、あれほど忌み嫌っていたバレンタインデー。

俺は一つのチョコレートももらえないというのに、野球部にはどういうわけだかものすごくモテる奴が多くて、陸上部の奴らでもそれなりにモテやがっていた。


学校サボらまくりの俺だったが、バレンタインデーだけは必ず登校した。

「もしかしたらチョコレート、もらえるかも」と期待していたわけではない。

もし休んだら「チョコもらえなくて惨めな思いをしたくないからや」と後ろ指刺されるのがイヤだったからだ。

だから、俺は正々堂々と遅刻もせずに一時限目から出席した。

そんなモテない男のことなんて誰も気にかけてないのに、なんという自意識過剰。

なんかモテないことが、この世で最も恥ずかしいみたいな気がしていたのかもしれない。

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さて。毎年紹介しているかどうかよく覚えていませんが、ブルガリのチョコである。

10個で1万4001円。バラ売りもしてて、1個だと1700円。

1万4001円ということは、ザ・スコッチの誉れ高い「バレンタイン17年」が2本買える計算である。

1700円となると、俺の行きつけのバーでは飲めないビールはない。

もう、バレンタインなんて怖くない!俺にはバランタインがついている!17年じゃないけど。

秋鹿のひやおろしだって、神亀の純米活性にごり酒だって、キンミヤ25だって、ギネスだって、ヒューガルテンだって、コロナもテカテも付いている!

チョコなんていらんわッ!!!




…そうか!

高校時代から酒飲みだったらバレンタイン・コンプレックスなんかになっていなかったはずだ!