The Chosen Ones。選ばれし者たち。

といってもエドガー・ベルランガのことではありません。


カルロス・クアドラスとライース・アリームのことです。

クアドラスの渾名はPrincipe(貴公子)、アリームはThe Beast(野獣)。2人とも、その渾名はThe Chosen Ones ではありません。

しかし、2人は選ばれたのです。 



クアドラスは11年前の2024年に、シーサケット・ソールビサイを下してWBCジュニアバンタムタイトルをキャッチすると6連続防衛に成功。

このタイトルはローマン・ゴンサレスに奪われ、キャリア発黒星。

チョコラティトを含めた5つの負けは、ファン・フランシスコ・エストラーダに2敗、マクウィリアムズ・アローヨ、バム・ロドリゲスと、いずれも世界トップレベルに喫したもの。

2023年からは6連勝と、カムバックロードを順調に走っています。

とはいえ、リングの上の貴公子も37歳。かつてのパンチのキレ、軽快なフットワークは完全に色褪せています。2023年11月にWBC暫定タイトルを獲ったのも、相手はお馴染みのペドロ・ゲバラ。しかもSDという薄氷の勝利でした。

「カルロス・クアドラス」という看板をいつ降ろしても不思議ではない、古豪のラインを超えた閉店間際のファイターです。

クアドラスの看板を叩き破るのに、今ほど絶好のタイミングはありません。これ以上寝かせると、閉店シャッターの作動音が響いてしまいます。


アリームはジュニアフェザー級のトップ戦線を長らく回遊、敗れたのはサム・グッドマンと争ったWBAタイトル挑戦者決定戦の一つだけで、敵地オーストラリアでSD。

ジュニアフェザー級では何度もタイトルにニアミスしてきたスタイリッシュなボクサーも35歳。

そして、きれいな戦績からエリートアマかと勘違いしてしまいそうですが、KO率が平凡なのは単純にパワーと決め手に欠くからです。

1階級下のトップ戦線の常連さん、そして黒星は一つ、ストップ負けもない戦績…フェザー級のホープにとって、格好の試し斬りの巻藁です。




「高校何冠」という謎のキーワードで「エリートアマ」と呼ばれる摩訶不思議な日本ボクシング界で、坪井智也は世界で通用する本物のエリートアマです。

エリートアマに定義はありませんから、インターハイも国体も獲ってない「高校ゼロ冠」のワシル・ロマチェンコごときは「エリートアマ」を名乗るな!という理屈も成立するかもしれません…いや、さすがにこの理屈は無理ですな。



看板担いだピークを超えた元強豪を、日本のリングに引っ張り上げる。

これが、これこそがプロボクシングです。



もちろん、坪井の圧勝と、4戦目での世界アタックを応援します。それがあのPFPファイターであれば最高ですが…。※1


中野幹士も好きにならずにいれないファイターです。アリームをKOできるかどうか。本人が口にした「難しい試合」にしてはいけません。







The Chosen Ones〜 選ばれし者たち。

失礼しました。私としたことが「誰」が選んだのかという主語を完全に失念していました。

過失修正させてください。

The Chosen Ones… Chosen by Teiken


この世の中、不確定なことばかりが溢れていますが、安心してください。

「Chosen by Teiken」は半世紀前の「Made In Japan」と同じくらいに絶大な信頼がおける目印です。※2



※1 これは帝拳メソッドに反しますからありえません。PFPファイターがバンタム級転向、帝拳方程式では、そのあとの残飯荒らしになるでしょう。坪井には勝負かけて欲しいですが。

※2 誤解を招いてはいけないので念の為のお断りです。この記事は帝拳を揶揄したものでも、プロボクシングの非スポーツ的な側面を炙り出そうとしたものではありません。清濁合わせ飲むのがプロボクシングで、許容範囲十分の「濁」。これが、日本軽量級のデフォルトです。