オーストラリアのプロサッカーリーグ、Aリーグのウェスタン・ユナイテッド元選手の檀崎竜孔被告がメルボルンの裁判所に出頭しました。

A-League star’s ‘dangerous tackle’ at centre of betting rort investigation

〜Aリーグのスター選手の「危険なタックル」に対策機関が賭博詐欺の本格的な捜査に乗り出す


現地新聞のヘラルドサン紙
によると、檀崎は4~5月にあった計4試合で賭博の結果を操作するために、故意にイエローカードをもらうなどの八百長に関与したとされています。

檀崎は故意にイエローカードを受けスポーツ賭博の結果を操作したほか、4月27日の試合では自ら250豪ドル(約2万4千円)を賭け、1375豪ドル(約13万2500円)の利益を得るなど計10件の違法行為を犯した疑い。

裁判では認否を明らかにしなかった一方、初犯の被告が一定の条件を満たすことで刑事罰を回避できる可能性のある「起訴猶予」を弁護士は求めとぃるそうです。

この事件、もしJリーグに仕掛けられていたら?

オーストラリアみたいな大雑把な国で発覚した八百長、Jリーグで同じことがあっても摘発できる、そう考える人がいたとしたら大間違いです。

オーストラリアは「Council of Europe Convention on the Manipulation of
Sports Competitions(スポーツ競技の操作に関する欧州評議会条約)」(2014年9月18日にスイスのマコリンで締結されたことから通称「マコリン条約」と呼ばれている)の締約国です。

スポーツにおける八百長を防止するとともに違反者の摘発・処罰をうながしているマコリン条約は、2025年7月中旬までに、欧州を中心に43カ国が署名、15カ国が批准。

締約国には「規則の制定および立法措置」「不正操作に対する教育・研修・啓発活動の実施」「対策機関およびナショナル・プラットホームの設置」「罪の刑事罰化」などが義務として求められ、「八百長は絶対に許さない」という立場を明確にし、スポーツ団体や大会主催者などにもさまざまな責務を規定しています。

この法律が制定された背景には、2010年代に入って欧州で盛んになってきたスポーツベッティングへの対応があり、スポーツベッティング業者(ブックメーカー)に対しても情報公開などの責務まで規定されているのです。

今回の事件も締約国ネットワークから不自然な掛け率の変動が指摘され、オーストラリアの対策期間も捜査を進め、摘発に至りました。

残念ながら、日本ではまだ条約そのものの周知が進んでいない状況です。

前回もふれましたが、海外の対策機関が日本でも異常な賭け金の動きを見つけたことがあり、この試合の賭けを不成立にしましたが、日本側にその情報を伝えられることはありませんでした。

マコリン条約側のスタンスは当然です。

「締約国でない日本には我々のネットワークがない。対策機関もない日本の運営側にいきなり連絡しても初動が遅れ、何もできないまま〝犯人〟を取り逃がしてしまうだろう。そんな不手際は、こちら側の手の内を見せることにつながる危険もある」。

マコリン条約の大前提はスポーツ賭博の合法化による、ブックメーカーとの提携にあります。



スポーツでも保守大国な日本がスポーツ賭博の合法化に乗り出すとは思えません。

莫大な既得権益を持つ競馬など公営競技にとっても、看過できないでしょう。

それでも、万博跡に巨大カジノ&リゾーツが出現する2030年を迎えると様相は一変するはずです。

アジア最大のMGM夢洲アリーナではNBA公式戦やボクシングのメガファイトを招致しても、賭けは出来ないーーーそんなバカけたカジノ&リゾーツはあり得ません。

もし合法化なら、八百長への取り締まりは厳格になりブックメーカーの透明化も進みます。

その一方で、ギャンブラー人口は爆発的に膨らみ、依存症もとんでもない数をかぞえることになるかもしれません。

そんな全てを飲み込んでも、この国の現状を考えたならG7の中で一国だけ「スポーツ産業は大きな市場を抱えているが、スポーツ賭博は禁止」なんて、見せかけの清廉潔白の看板を掲げ続けるのは無理です。


「スポーツ賭博の合法化」「マコリン条約の批准」を急ぐべきです。こんな公約を掲げて選挙に出たら落選確実ですが。