日本人ボクサーの歴代PFPを「希少性」「不世出」という尺度で濾過してゆくと、また新鮮な光景が現れます。

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最近なら村田諒太。

五輪で金、プロでもアルファベット王座を獲得し、地域王者レベル相手なら当たり前に圧勝防衛。それもミドル級。

希少性、不世出という点ではすでに有力なチェイサーが出現している井上尚弥とは違い、いまだに対抗馬は全く見当たりません。



そして、内山高志。日本人にとってフェザー級よりも身近なジュニアライト級ですが、現代では人気階級への滑走路。

そんなクラスで二桁防衛、PFPにも入るファイターを、私たちは次にいつ見ることができるでしょうか?



人気階級でNo.1のホープだったジェームス・カークランドを、エリック・モラレス(vsマルコス・マイダナ)がメインを張るビッグイベントのセミファイナル、HBOのPPV、MGMグランドガーデン・アリーナの舞台で初回KOに屠った石田順裕は、あらゆる意味で「井上尚弥のTモバ」を大きく超える衝撃を米国ボクシング界にもたらしました。


また、中谷正義もテオフィモ・ロペス、フェリックス・ベルデホという当代きっての人気者相手に予想を覆す大健闘の判定負けと、スリリングなシーソーゲームを制するスペクタクルを披露。

軽量級では届かない衝撃で、米国ボクシングファンのハートを揺さぶりました。



もちろん、彼らもまた井上や中谷潤人に課せられる「誰に勝ったのか?」という問いに答えることは出来ません。



「誰に勝ったのか?」。

そうなると、また、です。

また…そう、また、です。

また、ファイティング原田です。

原田は、現代なら間違いなく満票でPFP1位評価に浴していた超強豪に2連勝しました。

エデル・ジョフレは原田に連敗して引退。しかし、3年のブランクを乗り越えて、あっさりとフェザー級タイトルを獲得。黒星は生涯、原田に付けられた二つだけ。

ジョフレを語れば語るほど、ファイティング原田とは何者なのか?がクローズアップされていきます。

インターネット時代のPFP評価を通信簿にランキングするのではなく「不世出」という一点では村田諒太が圧倒的1位。

そして「不世出」でも原田の名前を外すことは出来ないのが現実です。


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しかし、それでは現代のファイターが不遇すぎます。

デタラメ・ランキングの認定団体が四つもあって、フライ級とバンタム級の二つしかなかった軽量級は六つに細分化され、原田の時代とは比べようもなくタイトルの価値は暴落・失墜してしまいました。

これは、現代のファイターが望んでいることではありません。

かつて、日本王者でも現代の世界王者よりもはるかに人気・知名度が高い時代がありました。

ボクシングの試合が毎番放送され、世界戦は特別な儀式であった、つまり問答無用のメジャースポーツであった時代が理想なのは当然です。

彼らも好き好んでデタラメ・ランキングの相手と戦っているわけではありません。

もし、原田が現代に生まれていたら、ジョフレとの対戦は回避して、別の団体の王座アタックで「まず2階級制覇」を狙ったでしょう。

それ以前に、ジュニアバンタム級で2階級制覇、ジョフレがジュニアフェザー級に上がるのを待ったかもしれません。

あるいは、井上や中谷が原田の時代に戦っていたなら、つまり「世界王者はみんな強い」「世界ランカーに弱い奴はいない」リングに放り込まれたら、そこで激闘を繰り広げたでしょう。