「愛の拳士」の優しさと、「ビッグバン」の傲慢。

ーーー「愛の拳士」の過去の対戦相手への優しさ、気遣いは海外メディアにも大きな感銘を与えました。

▶︎▶︎▶︎中谷はこの試合(初のアルファベットタイトル挑戦)にかつての対戦相手を招待している。

 “I will win on their behalf and I want to dedicate my victory to them. ”

「ボクシングは食うか食われるかの残酷なスポーツ。一つの敗北でキャリアが終わることもある。そんな世界で、私は幸運にもこの舞台まで辿り着いた。過去に戦った20人の代表として、勝利を彼らに捧げたい」。

https://fushiananome.superknova.org/archives/24660500.html


自分が勝った対戦相手への、麗しいまでのリスペクト。

私は幸運にも貴方たちに勝つことが出来た。私は貴方たちの代表として戦い、必ず勝つから見ていて下さいーーーそんな思いでチケットを送り、彼らを会場に招待したのでしょう。

まさに「愛の拳士」です。



ーーーしかし、彼は先日の試合から「ビッグバン」を名乗るようになりました。

そして、レイソノ一門が送り込んだ刺客ダビド・クエジャルを呆気なく3ラウンドで仕留めたのです。

「もっと簡単に当たると思ったけど当てさせてくれなかった。それが彼のうまさ」。

一門の旗頭カネロ・アルバレスが聞けば激怒しそうな侮辱にも聞こえてきます。

評価の高いクエジャルを相手に、中谷はあれ以上に簡単な試合になると思っていたのか?

開始早々から、村田諒太が驚くほどに左が次々にクリーンヒットしましたが、あれ以上にもっと簡単に当たると思っていたのでしょうか?

おい、おい、中谷さん。あれ以上に簡単な試合って…。

中谷の言葉は、単なる虚勢とは考えられません。

もちろん、自分の発した言葉がどれほど傲慢かにも気付いていないでしょう。

なんという巨大な自信と、剥き出しの傲慢。



…ここまで書いて、ふと思いついたのは、もしかしたらどちらも中谷の傲慢なのかもしれないということです。

自分が勝った対戦相手を大一番のタイトル戦に招待する…もし負けたら?彼らは「俺たちは弱い相手に負けたんだ」と失望するでしょう。

それはある意味、家族や大切な友人・知人の前で負けるよりも精神的にキツいことでしょう。

それでも、彼は招待したのです。

そこには、ありのままに全力を尽くす自分を見て欲しいなんて殊勝な気持ちなど微塵もなく、ただ負ける気がしなかったのではないでしょうか。

彼は「彼らの代表として戦う」とは一言もいってません。

彼は「彼らを代表して勝つ」と言い放ったのです。

「もっと簡単に当たると思ったけど当てさせてくれなかった。それが彼のうまさ」。

寒気がする言葉です。

まさか、年末にも火蓋が切られるかもしれない大勝負に対しても「簡単に当たる」と思っているのでしょうか?


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