ジュニアフェザー級のUndisputed champion 井上尚弥は昨日行われた一夜明け会見で、今年4試合をこなすことを明らかにしました。

4月か5月にラスベガスでアラン・ピカソ、秋にはサウジアラビアでWBA暫定王者ムロジョン・アフマダリエフとの防衛戦をこなし、年内に5階級制覇を狙ってWBAフェザー級王者ニック・ボールに挑戦するというもの。

とりあえずフェザー級は1試合だけで、すぐジュニアフェザー級に戻って「戦うべき相手」とのビッグマッチを行う語りました。

フェザー級進出は、ジュニアフェザー級のタイトルを保持したままの形になります。

「戦うべき相手」はもちろん、WBCバンタム級王者・中谷潤人のこと。

アフマダリエフ、中谷潤人と井上のキャリアで最も評価の高い2人との戦いは非常に楽しみですが、ここではフェザー級進出にフォーカスします。



ターゲットはWBAのニック・ボール。

27歳の〝The Wrecking(破壊者)〟ボールは世界初挑戦でWBC王者レイ・バルガスにスプリットドロー、減量苦で干からびたレイモンド・フォードになんとかスプリット・デジションで勝利してWBAのストラップを手に入れましたが、いつ誰に負けても不思議ではない穴王者。

ボールは現在のフェザー級シーンでは最弱、非力で怖さもありません。

3月15日にフランク・ウォーレンがしっかり仕込んだTJドヘニーとの防衛戦が決定していますが、ここで負けたら井上のフェザー転向は宙に浮いてしまいます。

British Boxing Board of Control(英国ボクシング管理委員会)の統括ですから、ドヘニーはサウナを使った水抜きができず、得意のリバウンドもままならず、相当に衰弱してリングに上がるはず。心配ご無用でしょう。

最強と目されるのはロベイシ・ラミレスを2度にわたって撃破したWBO王者ラファエル・エスピノサ。そこに続くのが、ルイス・アルベルト・ロペスを大番狂せでKOしたIBF王者アンジェロ・レオ。この2人からは危険な香りが漂っています。

レオは5月24日、大阪の大和アリーナで亀田和毅と初防衛戦を行う予定。

現在のレオは減量苦に苛まれ、スティーブン・フルトンのガチャガチャファイトに押し切られた頃とは別人です。

また、那須川天心とのスパーリングでスピードと変速ボクシングに翻弄されましたが、あれは1年半前。天心のスピードも変速性もないばかりか、バルガス戦で米国メディアから「女子ボクサー」と揶揄された非力極まる和毅ではレオの波状攻撃をさばくことも、迎え撃つことも出来そうにありません。

捨て身の勝負にも出れないでしょうから、和毅の大差判定負けが最も起こりうる結果です。

もちろん、ロペス戦がベストファイトのレオの実力が、まだはっきりと見えていないのも実実。ロペスが完全に舐め切っていたように、決して評価の高いボクサーではありませんでした。

もし、和毅が番狂せを起こすようだと井上や中谷との絡みを考えると、非常に面白いのですが…。

さて、フェザー級で世界王者になった日本人は、西城正三(1968年6月6日:ラウル・ロハス)、柴田国明(1970年12月11日:ビセンテ・サルディバル)、長谷川穂積(2010年11月26日:ファン・カルロス・ブルゴス)、越本隆志(2006年1月29日:池仁珍)、粟生隆寛(2009年3月19日:オスカー・ラリオス)の5人だけ。

日本人がつかんだストロー級からミドル級の13階級の中で、ウェルター級が0(ゼロ)、ミドル級が2人、ライト級3人、ジュニアウエルター級3人、ジュニアミドル級4人に次ぐ少なさです。

欧米の人気階級はレベルも高く、挑戦の機会も少ないのに対して、日本人の層が厚いフェザー級で〝難産〟が続いているのです。


西城は敵地でタイトル奪取、5度の防衛に成功。柴田は3度の防衛よりも、メキシコ歴代PFPにも数えられる超強豪ビセンテ・サルディバルからタイトルを奪取したことが高く評価されています。

残りの3人は世界のレベルが水増しされた4Belt -Eraにもかかわらず、初防衛戦をクリアできませんでした。厳しい言い方になりますが、典型的な穴王者でした。



さて、井上は「強いフェザー級王者」になれるのか?