WOWOWが「第3の苦難」(日経MJ)に立たされています。

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経団連が主導して創設された「日本衛星放送」を前身に、1991年に開局。

しかし、巨額の初期投資も加入者数が全く伸びずに1992年には累積損失が500億円超に膨れ上がります。このときが「第1の危機」。

それでも、テレビではフォーカスできない洋画や海外スポーツを紹介、94年には初めて単年での営業黒字を達成。

海外スポーツは当然、世界が舞台。今なら「欧州サッカーやMLB」なんでしょうが、当時の日本のスポーツファンにとって最も身近な世界のスポーツはプロボクシング、そしてテニスでした。

そして、NHK -BSの「世界のプロボクシング」を引き継ぐような形でスタートしたのが、我らのエキサイトマッチだったのです。

2000年には社名をWOWOWに。この年からBSデジタル放送がスタート。WOWOWが独自に販売していたデコーダーが不要になり、売り上げが落ち込んでしまいます。「第2の危機」です。

それでも、2001年に東証マザース、2011年には東証1部に移行と資金力を強化。この10年で、オリジナルの「ドラマW」や劇場用映画レーベル「WOWOW FILMS」を設立、ビジネスモデルを確立してゆきます。

そして、テニス界に錦織圭という救世主が登場。2014年に全米オープンで準優勝、世界ランキングも最高4位まで上げ、リオデジャネイロ2016で銅メダルを獲得。

この大波に乗ってWOWOWは2017年に営業利益で100億円を突破、錦織効果もあって激増した加入者数は2018年には過去最多の293万人に達します。

しかし「錦織による日本人初の4大大会優勝」という大きな夢がしぼみ、動画配信サービスが台頭すると加入者は右肩下がりの底なし沼に。

日本のスポーツファンが欧州サッカーやMLBに代表される〝本物の世界最高峰〟に目を移す一方で、プロボクシングはマニア化。さらに、エキサイトマッチの存在感はDAZNやアマゾンプライムビデオなどネット配信に注目ファイトの生中継を奪われ、希薄化する一方となっています。

昨年はネット配信の時代の波に乗れずに、営業利益は14億円まで落ち込んでしまいます。

2月には赤字事業のWOWOW 4Kを終了させリストラを進めますが、現在直面している「第3の危機」がこれまでと違うのは、ネットフリックスやアマゾン、U -NEXT、DAZN、NTTなど圧倒的な資金力を誇る国内外のライバルとのサバイバルレースに巻き込まれていることです。

WOWOWの番組制作費は年間250億円程度で水平飛行、ネットフリックスは全世界で170億ドル超(2兆6000億円)ともいわれ、その規模は100−1。まともに勝負してどうこうなる相手ではありません。

それでも、日本のクリエイターやアーティスト、芸能事務所、制作会社と長年構築してきた関係を活かして、昨年は人気漫画「ゴールデンカムイ」の実写化をヒットさせるなど、「日本」に軸足を置いたオリジナル作品で突破口を見出しつつあります。

とはいえ、同じ土俵では勝負にならない強力なライバルを相手にした競争など出来るわけもなく、第3の危機が長期化するようならネット配信企業に買収される未来もあるかもしれません。

30年以上も楽しませてもらっているWOWOWですが、エキサイトマッチの魅力が激減していることは全てのボクシングファンが認めるしかありません。