PFPは個人の妄想にもとづく自由な発想ですが、pound for pound(パウンドあたり)の言葉通り「全ての階級を平等に(体重同一とみなして)評価する」のが基本です。

つまり「軽量級よりも人気のある中量級やヘビー級の方がレベルが高いから優遇して評価する」なんて見方は反映すべきではありません。

PFPの目安の一つが、全ての階級を平等に見て、その階級でどれほど傑出しているか、つまり当該階級での支配度です。

現在の17階級でこの支配度が強いのは井上尚弥、中谷潤人、オスカー・コラーゾでしょうか。

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ところが、現在のPFP1位であるオレクサンデル・ウシクは強烈にヘビー階級を支配しているとは到底言えません。

それなのに評価が高いのは「クルーザー級が適正階級」にもかかわらず、現実のリングで自分よりもはるかに大きく重い相手と互角に戦っているーーーつまり弱者救済のPFP妄想の根幹である「体重同一時」という仮定を反故にしてしまっている事実からです。

先月のタイソン・フューリーとの再戦では55ポンドもの体重差を跳ね返してユナニマス・デジションでの勝利を掴み取りました。

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かつて、マニー・パッキャオはWBCジュニアミドル級王者決定戦(vsアントニオマルガリート)で、150ポンドのキャッチウェイトに対して144ポンドとウエルター級リミット(147ポンド)も下回る体重で臨んだことがありましたが、それも減量階級の小さなおふざけ。ウシクの前では霞んでしまいます。

「ボクシングにおいて階級(体重)差は絶対的、決定的。優れた軽い選手は、凡庸な重い選手に駆逐される」。だからこそ「階級を無視して優れた選手を評価しよう」という弱者救済的な考えがPFPの根本です。

パッキャオはフライ級(112ポンド)といいう世界的には関心も人気もない軽量級を出自としながら、人気階級のウエルター級(147ポンド)まで制圧し、ジュニアミドル級(154ポンド)でも爪痕を残したことが評価され、PFP1位に君臨しました。

ただし、パッキャオはフライ級の体重のままウエルター級やジュニアミドル級に挑んだわけではありません。肉体改造に取り組み、増量して人気階級に乗り込み、前日計量や当日体重は対戦相手と大きな隔たりはありませんでした。

もちろん、ウシクもクルーザー級(200ポンド)から20ポンド以上増量してヘビー級で戦っていますが、それでも現実のリングではタイソン・フューリーとの再戦で55ポンド差と、ストロー級(105ポンド)からミドル級(160ポンド)までの13階級をすっぽり飲み込む、現実にそこにある〝ウエイトハンデ〟を跳ね返したのです。

ウシクがヘビー級で最も体重差が少なかった相手は、ダニエル・デュボア戦でしたが、それでも12ポンド1/4(5.56kg)=ウシク221ポンド:デュボア233ポンド1/4=もの差がありました。

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さて、ウシクと同様にヘビー級のトップ戦線で、常に自分よりも重い相手と闘ってきたのがデオンティ・ワイルダーです。

ワイルダーのプロデビューは207ポンド1/4。WBCタイトルをバーメイン・スティバーンから奪ったときも219ポンド、ブリッジャー級(224ポンド)のリミットにすら届いていませんでした。

そんな痩身のワイルダーがクリス・アレオラ(226ポンド1/4:246ポンド1/4=20ポンド差/8ラウンドKO)、ルイス・オルティス第2戦(219ポンド1/2:236ポンド1/2=17ポンド差/7ラウンドKO)、フューリー初戦(212ポンド1/2:256ポンド1/2=44ポンド差/ワイルダーが痛烈なダウンを2度奪ったもののスプリットドロー)と、トップファイターを豪快に倒してきました。

僅差の判定勝ちがデフォルトのウシクと違い、ワイルダーは軽くて薄い体で、自分よりもはるかに重くて分厚い相手をひっくり返し続けてきたのです。

そして、敗れたとはいえ、直近のヂャン・ヂレイ戦(214ポンド1/2:282ポンド3/4=68ポンド1/4差/5ラウンドKO負け)でのウエイトハンデはウシクも経験したことがないインパクトでした。

もちろん、ウシクは無敗でワイルダーは43勝42KO4敗1分、直近5試合は1勝4敗、4敗のうち3つがKO負け。「どちらが優れたファイターか」という議論は存在しません。

ただ、フューリー第2戦で敗れるまでのワイルダーがやってのけたことは、自分よりもはるかに重い相手を豪快に沈めるという、ウシクには出来ないスペクタクルでした。

当時のワイルダーなら、ウシク並みのPFP評価を受けて然るべきにも思えてきますが、現実は全くそうではありませんでした。

その最大の要因は、ウシクやパッキャオのPFP評価には「クルーザー級」「フライ級(軽量級)」という隠し味が強烈に効いていたからです。

もし、ワイルダーがクルーザー級やライトヘビー級を出発点としていたなら、ヘビー級での脅威のビッグパンチャーぶりは別の角度からも高い評価を集めていたことは疑いようもありません。

つまり「現時点の実力」だけでなく「過去の実績」まで亡霊評価する、極めて主観的な妄想がPFPです。

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「フューリー第2戦(2020年2月22日)で敗れるまでのワイルダー」を再評価してみると…。

まず、220年2月22日直前のPFPランキング(リング誌)を振り返ります。

①カネロ・アルバレス、②ワシル・ロマチェンコ、③井上尚弥、④テレンス・クロフォード、⑤オレクサンデル・ウシク、⑥エロール・スペンスJr.、⑦ゲンナジー・ゴロフキン、⑧ファン・フランシスコ・エストラーダ、⑨アルツール・ベテルビエフ、⑩マニー・パッキャオ。

〝ウシク方式〟で評価すると、ワイルダーが1位。カネロ以下が一つずつ順位を落として、パッキャオがベスト10からランクアウトです。


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味噌バターコーン。ちゃくどん。