スポーツとしての勝敗への興味は全く喪失され、御伽話(シンデレラ)や映画(ロッキー)の世界で語るしかない井上尚弥vsキム・イェイジョンの〝世界タイトルマッチ〟。

このスポーツでよく耳にする「Styles make Fights(勝敗は相性で決まる)」も、両者の実力差が接近しているケースであることが大前提。

Styles make Fights(じゃんけん理論)は、圧倒的な実力差が存在する場合は機能しません。強烈なグウ(石)は、薄っぺらいパア(紙)を簡単に引き裂き破ってしまいます。

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本文とは関係ありません。


井上は、階級上げのタイミングが悪く、質の高い相手との対戦がないままに、今年4月で32歳になります。そのキャリアで殿堂クラスの相手はロートルバージョンのノニト・ドネアだけ。旬の強豪という点では、いまだに日本タイトルを争った田口良一が最強かもしれません。

井上の対戦相手に、現役PFPファイターも1人もいません。それどころか元PFPファイターでもドネアだけ、という貧弱さ。

落ち目のローマン・ゴンサレスとの対戦には意欲を見せていたのに、ロマゴンの連勝を止めてPFPファイター入りしたシーサケット・ソールンビサイには全く興味を示さなかったのは残念でした。

もちろん、オレクサンデル・ウシクやカネロ・アルバレス、テレンス・クロフォード、アルツール・ベテルビエフ、ドミトリー・ビボルらも旬の殿堂入りクラスや、現役PFPファイターとばかり戦ってきたわけではありませんが、井上の対戦相手よりは遥かに見映えがする相手と戦ってきました。

井上はガーボンタ・デービスよりはマシという程度です。

井上は階級上げのタイミングだけではなく、ジュニアフェザー級では人気選手のブランドン・フィゲロアが不人気極まるスティーブン・フルトンに、五輪メダリストで無敗の実力者ムロジョン・アフマダリエフが伏兵にも程があるマーロン・タパレスに、いずれも議論を呼ぶ判定で敗れてしまうという不運もありました。

そして、挙げ句の果てはモロニー兄弟の亜種、サム・グッドマンが勝手にドジを踏んで、シンデレラだかロッキーだかパッキャオだかメイウェザーだか、とにかく時間の無駄な相手と戦う羽目になるのです。

この巡り合わせの悪さ、運の無さは、まさに逆マニー・パッキャオです。



中谷潤人や亀田和毅とのメガファイトに、もっと前向きでも良いと思うのですが…。