シャクール・スティーブンソン はきょう、SNSで来年2月22日に対戦することで交渉しているウィリアム・セペダを fake Mexicans!!(偽物のメキシカンが!)とこきおろしました。

セペダをプロモートするオスカー・デラホーヤは、スティーブンソンの逃げ回るスタイルを批判、小さなリングでの開催を要求しており、これについてもスティーブンソンは「受け入れていやる。なにをビビっているんだ、臆病者どもが」と悪態をついています。

小さなリングを要求するのが臆病者というのも違和感がありますが、ボクシング界きっての臆病者が「臆病者ども!」と気勢をあげているのは滑稽に映ります。

最近のスティーブンソンの言動に焦りの色が見えるのは、この交渉が自分有利に進んでいないことがわかってきたからかもしれません。

五輪銀メダリスト、プロ転向後も無敗のままフェザー、ジュニアライト、ライトの3階級を制覇したスティーブンソンにとって、先週テビン・ファーマーにSDで薄氷の勝利を収めるのがやっとこさのセペダがAサイドという事実はショックでしょう。

スティーブンソンがトップランクに見限限られ、拾ってもらったマッチルームとの契約も短期である原因は、実力ではなく人気面であまりにも弱すぎるからです。

実力抜群でも人気がないプロボクサーは、プロモーターにとって最も厄介な商品です。

実力と人気の激しい乖離でも、ライアン・ガルシアや初期のカネロ・アルバレスのようなタイプなら大歓迎ですが、スティーブンソンやギレルモ・リゴンドーのような「タイトルは獲ってきてもファンが付かないボクサー」は扱いに困ります。

リゴンドーのケースは試合運びが慎重でしたが、スペクタルなKO劇も演出していました。彼がファンベースの弱いキューバ人でなく、メキシカンならもっと人気が出ていたでしょう。

しかし、スティーブンソンの場合は…メキシカンでなくて幸いでした。メキシカンなら「メキシコの恥」と蔑まれて、今以上にファンから見放されていたかもしれません。

一方、派手にKOして楽勝とみられていたファーマーに苦戦したセペダもスティーブンソン戦にむけて、難しい局面に立たされています。

温室栽培でWBC暫定王者まで肥料にした無敗のメキシカンのキャリアを今更、傷つけるわけにはいきません。スティーブンソンを攻めまくれば判定を恵まれる可能性があるものの、セペダまで慎重になっての判定負けなら一番大切な人気に影響してしまいます。

セペダ陣営の最終目標が、PBC傘下のWBA王者ガーボンタ・デービスとのビッグファイトであるのは間違いありません。

無敗のままで両者が激突するならPPVが100万セールスをマークする可能性もあり、サウジアラビアでやる必要のないファイトマネーが用意できます。

米欧のプロモーターたちは口を揃えて「サウジ礼賛」と万歳三唱していますが、内心忸怩たるものがあるのは想像に難くありません。

来月、ラモント・ローチとの試合が決定しているタンク・デービスにしても、ライト級周辺で魅力的な対戦相手に飢えています。



貧乏神シャクールは無事、セペダと対戦できるでしょうか?