私がプロボクシングの世界に惹き込まれた理由は一つではありません。

意味のわからない不思議な言葉が溢れていたことも、その磁力の一つでした。


というわけで…

Pugilist Dictionary(拳闘広辞苑)

また終わりのないシリーズの始まり、始まり。

本当はA to Z できっちり洗い出して、alphabet orderに並べるのが見映えが良いのでしょうが、そんなことはやっとられん!いつもの思い付き、行き当たりばったりでの船出です。

その方が型にハマらず、少なくとも書き手にとって面白い方向に走り出したりするものです。読み手の方はわかりませんが…悪しからず。



まずは、そのPugilist。

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初めてこの英単語を目にしたのは、おそらく高校時代に図書館で読んだリング誌の記事中だったと思いますが、スポイラ誌だったかもしれません。

いずれにしても、初めて Pugilist を見たとき、私はその意味がわかりませんでした。

「ボクサー」は様々な言葉で表現されています。

日本ではボクサー(Boxer)、ファイター(Fighter)の二つがが主流で、拳闘家は少数派ですが、まあ字面ですぐなんのことなのかわかります。

英国や米国ではBoxer、Fighterに加えてPrize Fighter(賞金ボクサー=プロボクサー)や Pugilist もよく見聞きする表現です。

Gladiator もよく見聞きする、ボクサーを指す言葉です。

The Japanese gladiator,Naoya Inoue is one of the best boxers in the world.

クインズベリールール施行前、近代ボクシング以前は Pugilist が主流でしたが、今でも普通に使われています。

「ボクシング技術」は私が英作文しちゃいそうなboxing technics よりも pugilistic skills とした方がオシャレです。

そして…今でもFighterよりもBoxerよりもPugilist が多く使われているケースがあります。

DP。そうです。
  dementia pugilistica。

慢性外傷性脳症というよりも、パンチドランカーと和訳する方が、直訳的で何よりも多くの人にすぐに何のことなのかがわかります。

あまり見聞きしたくない dementia pugilistica ですが、慢性外傷性脳症よりもパンチドランカーの方が浸透しているという事実は、ボクシング廃止論者が必ず口にするように、このスポーツの存続に関わる問題の一つです。

ボクシングのように故意ではないものの、激しい脳震盪が起こりうるNFLやMLBは dementia pugilistica の問題に対して多くのデータを蓄積、防止や予防に積極的に取り組んでいます。

一方で、その〝語源〟になっているボクシングでは行き当たりばったり、その場しのぎの対応しか出来ていません。

NFLやMLBのようなメジャースポーツではない、ということよりも、世界的な統括団体の不在がデータの共有を難しくしてしまっているのです。