BOXINGSCENEから、私見も交えて。
※この動画は昨年5月のring tv.com、アンドリュー・モロニー戦を控えたインタビュー。
〝 I think it could be next year. If everything plays out the way it should, maybe sometime next year. 〟〜私は【それ】が来年実現すると思っている。全てがうまく運べば来年、どこかのタイミングで【それ】が起きるだろう。
ルディが口にする【それ】とは、自身が指導する中谷潤人と井上尚弥のメガファイトのこと。
ジムとテレビ局が〝敵対〟してきたこのスポーツでは、世界タイトルを賭けた日本人対決はまず実現しません。
また、実現しても王者側が実力的に圧倒的格上で、勝敗への興味はほとんど失われてしまいます。
つまり、多くの日本人対決は勝者にとっても大きなレガシーの積み上げにならない試合でした。
しかし「井上vs中谷」となると話が変わります。
二人はPFPファイターながら、文句なしの強豪といえる相手との対戦がゼロ。どちらにとっても、飛び抜けて最も重要な試合になります。
デビューは井上が19歳(2012年10月:フライ級)。30ヶ月遅れて中谷は17歳(2015年4月:ストロー級)。
最初に世界タイトルを獲ったのは井上がわずか6戦目の20歳(2014年4月:WBCジュニアフライ級)。
中谷が21戦目の22歳(2020年11月:WBOフライ級)で、そのとき井上はすでに3階級目のバンタム級統一戦線の真っ只中。
井上はエリートに用意された「最短記録」のレールを突っ走ってきた典型的なオーソドックスのウサギ。
一方の中谷は最初のタイトルまで21試合〝も〟かかったサウスポーのカメ。
キャリアの数字をなぞるだけなら全く対照的なウサギとカメ、共通点は全戦全勝無敗くらいですが、その内容、中身を見ると二人は酷似しています。
井上はウサギ、エリートに付き物の脆さが全くありません。そして、中谷はカメに付き物のはずの挫折や敗北を知りません。
モンスターとネクストモンスターはやはり、モンスター。
ウサギの皮を被ったモンスターか、カメの皮を被ったモンスターか、被り物が違うだけで中身は同じです。
ルディは井上を非常に高く評価していることでも知られています。
「考えただけでゾクゾクしてくる。潤人を除くと井上は私が最も好きなファイターの一人だ。井上はリングに上がると相手をノックアウトすることしか考えていない。そこが他のファイターとの違いだ」。
そこ、です。意義なし。
ポール・バトラー戦はある意味で感動的な試合でした。
井上でなければあの試合は100%、判定になっていました。どんな偉大なファイターでも、あそこまで逃げ回るチキンを無理やり仕留めようとはしません。
ノニト・ドネアは、やはりチキンスタイルで勝負をしてこないオマール・ナルバレスとの試合を「どんなに簡単な試合でも、それは結果論。試合になると相手も必死、こっちも必死。試合での恐怖は練習とは比較にならない。しかし、ナルバエスとの12ラウンドは練習よりも簡単だった」と完封勝利を収めたにも関わらず、落胆したように語りました。
そして「ナルバエスを人間としては尊敬している」と、ボクサーとしてはそうではないと示唆しました。
ドネアが深追いしなかった理由は「ナルバエスというチキンにそこまで必死になる価値はない」ということよりも「楽に勝てるならそうさせてもらう」ということだったのでしょう。そして、深追いにはリスクも伴います。
「リスクを排除して最もエコノミックに勝利を追求する」というのがプロフェッショナルであるのなら、ドネアはプロです。
そして、その定義の乗せれば、井上はプロフェッショナルとは呼べません。
もちろん「ファンが期待しているのはKO。当然、それを見せたい」(井上)というのもプロフェッショナルです。
しかし、私には井上のリスクを考えないKOへのこだわりは、そんな論理的な話ではないように思えます。彼は自分がKOしたいから、あの鬼の攻撃スタイルに行き着いたように見えます。
ルディの「リングに上がると相手をノックアウトすることしか考えていない」というのは「リングに上がると相手をノックアウトすることしか考えられない」、もはやKO中毒の域にはまりこんでいるようにさえ思えてきます。
決して一発強打のパンチャーとは言えないルイス・ネリに井上が痛烈にダウンを奪われたのは、絶対に避けなければならないクロスレンジ。
井上が注意力マックスのはずの初回で死角が多くなる危険な距離に身を置いたのは「クロスレンジは苦手じゃない」という驕りもあったかもしれませんが、攻撃への過剰な意識、KOへの執着からでしょう。
逆に、一発のパンチがないネリが一発で相手を倒すにはあれしかありませんでした。そして、井上も「近い距離で同時打ち、あれを狙ってたでしょうね」とわかっていたのに。
井上尚弥。まあ、見てて面白すぎるファイターです。
一方の中谷は、中毒性や執着性のある井上とは違い、ドネア側に軸足を置く冷徹なプロフェッショナル。
さて「日本人対決Best10」を振り返り、少し気の早い「ゾクゾクする来年実現の【それ】」の勝敗予想に進みましょうか。
※この動画は昨年5月のring tv.com、アンドリュー・モロニー戦を控えたインタビュー。
〝 I think it could be next year. If everything plays out the way it should, maybe sometime next year. 〟〜私は【それ】が来年実現すると思っている。全てがうまく運べば来年、どこかのタイミングで【それ】が起きるだろう。
ルディが口にする【それ】とは、自身が指導する中谷潤人と井上尚弥のメガファイトのこと。
ジムとテレビ局が〝敵対〟してきたこのスポーツでは、世界タイトルを賭けた日本人対決はまず実現しません。
また、実現しても王者側が実力的に圧倒的格上で、勝敗への興味はほとんど失われてしまいます。
つまり、多くの日本人対決は勝者にとっても大きなレガシーの積み上げにならない試合でした。
しかし「井上vs中谷」となると話が変わります。
二人はPFPファイターながら、文句なしの強豪といえる相手との対戦がゼロ。どちらにとっても、飛び抜けて最も重要な試合になります。
デビューは井上が19歳(2012年10月:フライ級)。30ヶ月遅れて中谷は17歳(2015年4月:ストロー級)。
最初に世界タイトルを獲ったのは井上がわずか6戦目の20歳(2014年4月:WBCジュニアフライ級)。
中谷が21戦目の22歳(2020年11月:WBOフライ級)で、そのとき井上はすでに3階級目のバンタム級統一戦線の真っ只中。
井上はエリートに用意された「最短記録」のレールを突っ走ってきた典型的なオーソドックスのウサギ。
一方の中谷は最初のタイトルまで21試合〝も〟かかったサウスポーのカメ。
キャリアの数字をなぞるだけなら全く対照的なウサギとカメ、共通点は全戦全勝無敗くらいですが、その内容、中身を見ると二人は酷似しています。
井上はウサギ、エリートに付き物の脆さが全くありません。そして、中谷はカメに付き物のはずの挫折や敗北を知りません。
モンスターとネクストモンスターはやはり、モンスター。
ウサギの皮を被ったモンスターか、カメの皮を被ったモンスターか、被り物が違うだけで中身は同じです。
ルディは井上を非常に高く評価していることでも知られています。
「考えただけでゾクゾクしてくる。潤人を除くと井上は私が最も好きなファイターの一人だ。井上はリングに上がると相手をノックアウトすることしか考えていない。そこが他のファイターとの違いだ」。
そこ、です。意義なし。
ポール・バトラー戦はある意味で感動的な試合でした。
井上でなければあの試合は100%、判定になっていました。どんな偉大なファイターでも、あそこまで逃げ回るチキンを無理やり仕留めようとはしません。
ノニト・ドネアは、やはりチキンスタイルで勝負をしてこないオマール・ナルバレスとの試合を「どんなに簡単な試合でも、それは結果論。試合になると相手も必死、こっちも必死。試合での恐怖は練習とは比較にならない。しかし、ナルバエスとの12ラウンドは練習よりも簡単だった」と完封勝利を収めたにも関わらず、落胆したように語りました。
そして「ナルバエスを人間としては尊敬している」と、ボクサーとしてはそうではないと示唆しました。
ドネアが深追いしなかった理由は「ナルバエスというチキンにそこまで必死になる価値はない」ということよりも「楽に勝てるならそうさせてもらう」ということだったのでしょう。そして、深追いにはリスクも伴います。
「リスクを排除して最もエコノミックに勝利を追求する」というのがプロフェッショナルであるのなら、ドネアはプロです。
そして、その定義の乗せれば、井上はプロフェッショナルとは呼べません。
もちろん「ファンが期待しているのはKO。当然、それを見せたい」(井上)というのもプロフェッショナルです。
しかし、私には井上のリスクを考えないKOへのこだわりは、そんな論理的な話ではないように思えます。彼は自分がKOしたいから、あの鬼の攻撃スタイルに行き着いたように見えます。
ルディの「リングに上がると相手をノックアウトすることしか考えていない」というのは「リングに上がると相手をノックアウトすることしか考えられない」、もはやKO中毒の域にはまりこんでいるようにさえ思えてきます。
決して一発強打のパンチャーとは言えないルイス・ネリに井上が痛烈にダウンを奪われたのは、絶対に避けなければならないクロスレンジ。
井上が注意力マックスのはずの初回で死角が多くなる危険な距離に身を置いたのは「クロスレンジは苦手じゃない」という驕りもあったかもしれませんが、攻撃への過剰な意識、KOへの執着からでしょう。
逆に、一発のパンチがないネリが一発で相手を倒すにはあれしかありませんでした。そして、井上も「近い距離で同時打ち、あれを狙ってたでしょうね」とわかっていたのに。
井上尚弥。まあ、見てて面白すぎるファイターです。
一方の中谷は、中毒性や執着性のある井上とは違い、ドネア側に軸足を置く冷徹なプロフェッショナル。
さて「日本人対決Best10」を振り返り、少し気の早い「ゾクゾクする来年実現の【それ】」の勝敗予想に進みましょうか。
コメント
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フシ穴の眼
が
しました