1週間ほど前に録画しておいた「ETV特集 ある野球人の死 “不惑”の大砲 門田博光」をやっと見ました。

生前の大打者が大谷翔平と村上宗隆に注目していたという、本編とは逸れたエピソードに非常に興味深い、なるほど門田博光だという言葉を聞きました。

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大谷の好不調のバロメータは、本人も自覚している通り「センターからレフト方向に大きな当たりが飛ぶこと」。

これは、技術的にも間違いありません。

センターから左に強い打球が飛ぶということは、ボールを最後まで引き付けてしっかり叩いているということです。

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しかし、門田は「楽にレフトに打ってる打ち方、それを打ち始めたら崩れるんですよ、本当に」「そういう昔の野球を教えないと」と、長くボールを見る大谷のバッティングを否定するのです。

王貞治や門田のいわゆる前捌きのバッティングは、ライトへの力強い打球が特徴です。ポイントは体から遠く、差し込まれないのが第一。

大谷に代表される現代野球では時代遅れの打ち方です。動くボールが主流の現在、しっかり球筋を見極めるのは絶対の基本。

門田は、かつてフォークボールを「落ちる前に打てばいい」と、牛島の投球動作が始まるとバッターボックスから一歩二歩とはみ出して(落ちる前の)フォークボールを叩いてライトスタンドに放り込みました。

今ならボックスをはみ出す反則、というか当時でも反則で失格アウトが妥当でしたが、誰もそんな野暮なことは言いませんでした。

打たれた、当の牛島でさえも。

門田のこだわる「そういう昔の野球」は、もう終わったのです。

それでも、そこにしか正義を見出せなかった頑固一徹の男。たとえ現役時代に567本ものアーチを描いても、時代遅れの正義が受け入れられるはずもなく、どの球団も監督はもちろん、コーチにも迎え入れることはありませんでした。



今朝、門田博光がどう着たって似合いっこないシティコネクト・ユニフォームに身を包んだ大谷翔平が、ライトスタンド最上段に力任せのホームランを叩き込みました。

きっと、門田も見ていたでしょう。

「そうや、それやんか。それを忘れたらあかんで」。そんなふうに独りごちながら微笑んでいるはずです。



ちなみに、ドジャースのシティコネクト・ユニフォームは好きになれません。あれのどこが格好いいんだ?