ボクシングを特集するテレビ番組や雑誌がめっきり少なくなってしまった時代、Number誌が特集してくれるのは嬉しいものです。

Numberが創刊された1980年、スポーツファンにとって世界に挑む日本人のプロ・アスリートを応援できるのはボクシングだけでした。

まだ野茂英雄は近鉄バファローズにも入団しておらず、Jリーグも影も形もありませんでした。

当然、ボクシングは現在の野球やサッカーのように特別に扱われていました。

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Number1097と今月の英国ボクシングニューズ誌。


「日本ボクシング黄金時代」という文字を見て、過去の黄金時代との比較やファイティング原田、具志堅用高の思いなんかも読めたらいいなと感じましたが、それはありませんでした。

原田は取材に応じてくれなかったのか、あるいは体調面だとしたら心配です。


[夢のマッチメイクとは]酒場で語るモンスター論 内山高志×山中慎介 が面白かったかな。KOダイナマイトと、神の拳。2人合わせて世界戦で23勝19KO。究極のパンチャー対談です。

お二人はお酒を嗜むのですね。酒癖が悪かったら怖すぎます…。

初回のダウンについて「いつもは慎重な尚弥が最初から大振りのパンチを見せたでしょ」(KOダイナマイト)、「熱気があふれていたドームの空気が影響したのかも」(神の拳)。

個人的には、あの派手な大振りは最初から考えていたと思いました。ドームに集まってくれた最後列のお客さんにも「さあ始まったよ!」と、よく見えるように。

井上本人は雑誌の中で「みやみに入ってきたら、こういうパンチあるよって」と説明してましたから、こっちが正解なのでしょう。

ダウンシーンはクロスレンジでの一発。「あんな無防備になる尚弥は、ほとんど見たことがなかった」(神)といいますが、井上はクロスレンジが苦手、アマチュア時代から彼にとって最も危険な距離です。

視覚が増えるクロスレンジは誰にとってもリスクが膨らむ距離で、このゾーンが大好物というロベルト・デュランやマニー・パッキャオが突然変異の変態なのです。

格上相手にクロスレンジでギャンブルを打つなら理解できますが、井上がネリを相手にわざわざ入っていく距離ではありません。


「ここ最近はスーパーバンタム級、フェザー級には、昔ほど熱くような外国人勢がいないんだよね」(KO)。「2000年代前半はパッキャオを筆頭にマルコ・アントニオ・バレラ、エリック・モラレスの三つ巴の時代でヒリヒリしましたよね」(神)。「正統派のバレラ、ハードパンチャーのモラレスらがいる頃は、当時、俺も大学生でよく見ていたし、心から熱くなっていたな」(KO)。

これはバンタム級、ジュニアバンタム級でもそうでした。井上尚弥のタイミングは最悪、本当に悲惨な相手ばかり…プライドの高い専業ボクサーが少ないという意味でも層の薄い軽量級でバレラやモラレスのレベルのビッグネーム、強豪が出現するのは奇跡の領域ですが、そこまで望まなくても少しだけ時間がずれていたら井上もライバルに恵まれたいたはずなのですが…。

「モンスターの悲しきニアミス」とかで、いつか改めて考えてみましょうか。