世界を統括する団体が存在せず、認定団体というブラック企業が好き勝手に「世界チャンピオン」を名乗るストラップを捏造している、そのことが狂気の沙汰であり、プロボクシングを堕落させてきた事実から目を逸らしてはいけません。

誰が見ても無茶苦茶なランキングに基づいて作られた「世界チャンピオン」にどこまで意義があるのかは甚だ疑問で、いつの間にか超軽量級の世界タイトルはプロ野球のタイトルよりも遥かに価値のないものになってしまいました。

「日本人がバンタム級のタイトル全てを掌握」。それがどの程度の快挙なのかは深く考えるのはやめておきましょう。

昨日の西田凌佑が最後まで気持ちを切らさずに見頃に戦い抜いたように、選手たちの必死は茶番ではありません。

これで、日本が抱える世界王者は井上尚弥(ジュニアフェザー級=Undisputed champion)、井上拓真(WBAバンタム級)、中谷潤人(WBCバンタム級)、西田凌佑(IBFバンタム級)、井岡一翔(WBAジュニアバンタム級)、田中恒成(WBOジュニアバンタム級)、ユーリ阿久井政悟(WBAフライ級)、重岡銀次郎(IBFストロー級)の9人。

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明日、5月6日に武居由樹がWBOバンタム級王者ジェイソン・モロニーを下すとジュニアフェザー級以下の超軽量級ゾーンだけで世界王者10人、バンタム級では主要4団体全てが日本人になります。

さて、注目の武居vsモロニー。ウィリアム・ヒルのオッズは経験値を重視して武居が7/4(2.75倍)でアンダードッグ(モロニーは4/9=1.44倍)。

西田とエマヌエル・ロドリゲスの1/2(1.5倍):6/4(2.5倍)とほぼ同じ数字を、世界最大のブックメーカーは叩きました。

海外ではほとんど取引されない超軽量級のオッズは①ブッカーは過去の戦績を適当に見て数字を上げる、②賭ける人が少ないので実態と離れた最初の数字からお大きく動かない、という性格があるため、ヘビー級やウエルター級のような人気階級のオッズとは違う性格を帯びています。

多くの日本のボクシングファンは、武居には西田以上にチャンスがあると考えているでしょう。私も、もし武居有利のオッズが出ても驚きませんでした。

モロニーまで武居に倒されると、井上の対戦相手の貧相さに愕然としてしまいそうですが、ジュニアフライ級時代に後の団体統一王者・リング誌王者の田口良一に完勝した勝利は燦然と輝いています。井上が勝ったのはロートルや、負けた後さらにヘタレっぷりを晒す相手ばかりではありません。

井上の不運、巡り合わせの悪さもありますが、それ以上に職業として成立しにくいジュニアフェザー級以下の実質的な層の薄さが呪わしいです。

モロニーは「東京ドームと、地元で行われるジョージ・カンボソスvsワシル・ロマチェンコのビッグファイトのアンダーカードのどちらに出場するか迷いに迷った」と言いますが、「より大きな舞台の東京ドームと、相手が武居ということが決め手になった」と日本行きを選びました。

モロニーが武居に対する特別な感情は、チームメイトのブルーノ・タリモが2022年12月にストップされてしまったこと。

モロニーは、武居が「うまく戦えなかった」と猛省していることを伝え聞いて「あの内容で反省するなんてとんでもないファイター」と戦慄したといいます。

I will make sure that I get some revenge for my team mate.

「絶対に勝たなければならない理由は二つある。まずはタイトルを守ること。そしてタリモの仇を討つこと」。

武居が118ポンドをしっかり作ってきたなら、モロニーには井上戦以上に厳しい現実が待ち構えているかもしれません。