リングの上では、なんだって起きます。


モハメド・アリがジョージ・フォアマンをKOするなんて、一体誰が予想できたか?


実質5年のブランク明けだったシュガー・レイ・レナードが、ミドル級の完全統一王者マービン・ハグラーを競り落とすと誰が予想できたか?


私生活の乱れが指摘されていたとはいえ、マイク・タイソンがバスターダグラスに惨敗する可能性を誰が真剣に考えたか?


マルコ・アントニオ・バレラがゴールデンボーイ・ブロモーションズと破格の大型契約を結んだ第1戦で用意されたフライ級上がりのマニー・パッキャオを「契約祝いのボーナス」と表現したESPNを誰が責められるか?


オスカー・デラホーヤがパッキャオを選んだとき、2-1の〝僅差〟オッズを叩いたウィリアム・ヒルに共感したやつが1人でもいたか?

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リングの上ではなんだって起きます。

そこには確かなものなど、何一つとしてありません。



ウィリアム・ヒルのオッズはモンスターの勝利が1/12(1.08倍)、パンテラは13/2(7.5倍)。世界戦ですが、数字上はミスマッチ、ネリは噛ませ犬扱いです。

試合が6ラウンド1分30秒を「超えない」は17/20(1.85倍)、「超える」は22/25(1.88倍)。

井上のKO/TKO勝利は1/4(1.25倍)、ネリは14/1(15倍)。

「リングの上ではなんだって起きます」とはいえ、確率的にはネリの勝利は絶望的。

両者共通の対戦相手はファン・カルロス・パヤノとデビッド・カルモナ。

井上は戦慄のジャブクロスでパヤノを氷付けにしましたが、カルモナとは判定までもつれました。一方のネリはこの二人ともをストップしていますが、全く参考にならない試合と結果です。

もし、大番狂せがあるとしたら、パンチを先にクリーンヒットしたメキシカンが得意の連打を繋いでいくパターンでしょうが、一発強打に欠けるネリはジュニアフェザー級に上がってからさらに決定力を失っています。

スピードもない、ジャブもまともに打てない、パンチが悪い意味で遠回りする…アーロン・アラメダにグダグダの判定で勝ってWBCジュニアフェザー級王座に就き、減量苦で干からびたブランドン・フィゲロアに悶絶KO負け、カルロス・カストロとシーソーゲームをSDで拾ってから4連勝中ですが、何がどうなれば井上に勝てるのか、全くわかりません。


…とはいえ、アリもレナードもダグラスもパッキャオも「絶対に負ける」と決めつけられていたのです。

が、しかし、あのパワーもテクニックも貧弱極まるネリがアリやレナード、パッキャオであるわけもなく…。

タイソン戦で生涯最高の心身を作ったダグラスが、ネリの大番狂せを生み出す最も考えられるパターンかもしれませんが、井上は技術的にも欠陥ファイターだったタイソンとは違います。


やはり、何も起こらないのか?

それとも…それでもリングの上では何でも起こるのか?