3〜4ポンドで細切れされる軽量級では「階級の壁」という言葉が好んで使われますが、前日計量での体重はほとんど変わりません。

しかし、ヘビー級では前日計量時点で10ポンド以上の体重差があるのは当たり前、30ポンド以上のケースも珍しくありません。

「PFPがー!」「階級の壁がー!」「フレームがー!」と騒ぎ立てる減量階級と、ヘビー級は何が違うのでしょうか?

極言すると、ヘビー級は「より強い相手を求めて最強の自分を追求する」のに対して、過酷な減量は「より弱い相手を求めて自分も弱体化する」ということです。

過酷な減量のダメージから計量後に自力で上着も着れなかったジェイミー・マクドネルのような光景は、ヘビー級で見ることはできません。

そのマクドネルを破壊した井上尚弥の計量時の特徴はこけた頬ととがった顎ですが、そんなやつれたヘビー級の選手もいません。

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オレクサンデル・ウシクとタイソン・フューリーが同じ体重で戦うのなら、小さなウシクの短いリーチは、ドネアを弄んだフランプトンのようにクロスレンジで強力なアドバンテージを発揮します。また、相打ち狙いも戦略のオプションの一つです。

しかし、50ポンド以上の体重差があると、小さな体のアドバンテージは減退、相打ち狙いなど論外です。



井上やマクドネルのようなヘビー級で戦うことが不可能なサイズのファイターが、その他16の減量階級で戦うしかないのは当然で、そこに過酷な減量が伴うのも理解できます。

そして、減量階級でも素晴らしいファイターが素晴らしい試合を繰り広げ、私たちを楽しませてきました。

最近ならマニー・パッキャオやフロイド・メイウェザーが非ヘビー級の醍醐味を堪能させてくれました。…しかし。ウェルター級時代の彼らは過酷な減量とは無縁に見えますが、それは大間違いです。

パッキャオやメイウェザーは対戦相手にキャッチウェイト、つまり過酷な減量を突きつけ、彼らを弱体化することも珍しくありませんでした。

ヘビー級では、そんな小細工はありえません。

ヘビー級が特別な階級(無差別級を「階級」と呼ぶのは間違っているのかもしれません)であることは誰もが認めるしかないでしょう。


そのヘビー級で圧倒的なオイルマネーによってUndisputed championが来月、誕生します。

そして、その防衛戦でも実にユニークなファイターが待ち構えています。



ヘビー級が動くが如くボクシングは動く。

それは昔も今も変わりません。