日本のボクシングファンにとって、記憶に新しいカナダ人ボクサーというと、村田諒太が〝第二次政権〟の初防衛戦で迎えたスティーブン・バトラーになるでしょうか?
バトラーのようなカナダ生まれのボクサーは、シュガー・レイ・レナードとのメガファイトで当時ライトヘビー級史上最高報酬を手にしたWBCライトヘビー級王者ドニー・ラロンデや、IBFジュニアミドル級王者マシュー・ヒルトン、IBFミドル級暫定王者デビッド・レミュー、WBCジュニアウェルター級王者アーツロ・ガッティら、ハンサムな白人カナディアンの系譜があります(1980年代以前に遡るともっと途轍もないグレートがいますが、私はリアルタイムで見てませんので今夜は割愛)。
「移民の2世〜」や、自らカナダにやって来たファイターでは、リング誌のFighter Of The Yearにも輝いたアドニス・スティーブンソンや、今も現役ジャン・パスカルのハイチ出身のライトヘビー級に、ヘビー級ではマイク・タイソンと戦ったトレバー・バービック、ドノバン・ラドックのジャマイカ出身組がすぐに思い出されます。

そして陸上競技でも、ボクシング以上に印象的なグレートが五輪などの世界の舞台で躍動して来ました。
その中でも、最も強烈な光と闇を交錯させたのがベン・ジョンソンです。
「スプリンターは筋肉で走る」。そのことを私たちに教えてくれたのが、ジョンソンでした。
わかりやすくいうと、それまでは「スプリンターは才能で走る」と信じられていたのです。「筋肉」とは「努力」と言い換えることが出来ました。
1988年ソウル五輪で、努力が才能を打ち破ったとき、私はスポーツの真髄を目の当たりにした衝撃を受けました。
しかし、そんな感動の時間は長く続きませんでした。
大勢のカメラマンのフラッシュから逃げるように金浦空港から出国したジョンソンの姿は、あまりにも弱々しく、私は「努力が否定されたわけじゃない」と、必死に自分に言い聞かせていました。
わずか数日間の熱い感動は、あっという間に冷たい幻滅に変わってしまいました。
「ジョンソンが生まれたジャマイカがカナダや米国や日本のように豊かな国だったなら、ジョンソンは悪魔の誘惑に勝てたんじゃないか」…そんなことを考えていたのを思い出します。
貧しい国から逃れてカナダにやって来たアスリート。
彼らの純真な眼差しに、どういうわけだか哀しい色を見てしまうのは、私だけではないでしょう。
自分の生まれた国を捨てたいと思って、捨てる人なんて、いるわけないのですから。
ふてぶてしい髭面のロシア生まれのカナディアン、アルツール・ベテルビエフが日本時間の14日、ケベックシティのビデオトロンセンター特設リングに上がります。
バトラーのようなカナダ生まれのボクサーは、シュガー・レイ・レナードとのメガファイトで当時ライトヘビー級史上最高報酬を手にしたWBCライトヘビー級王者ドニー・ラロンデや、IBFジュニアミドル級王者マシュー・ヒルトン、IBFミドル級暫定王者デビッド・レミュー、WBCジュニアウェルター級王者アーツロ・ガッティら、ハンサムな白人カナディアンの系譜があります(1980年代以前に遡るともっと途轍もないグレートがいますが、私はリアルタイムで見てませんので今夜は割愛)。
「移民の2世〜」や、自らカナダにやって来たファイターでは、リング誌のFighter Of The Yearにも輝いたアドニス・スティーブンソンや、今も現役ジャン・パスカルのハイチ出身のライトヘビー級に、ヘビー級ではマイク・タイソンと戦ったトレバー・バービック、ドノバン・ラドックのジャマイカ出身組がすぐに思い出されます。

そして陸上競技でも、ボクシング以上に印象的なグレートが五輪などの世界の舞台で躍動して来ました。
その中でも、最も強烈な光と闇を交錯させたのがベン・ジョンソンです。
「スプリンターは筋肉で走る」。そのことを私たちに教えてくれたのが、ジョンソンでした。
わかりやすくいうと、それまでは「スプリンターは才能で走る」と信じられていたのです。「筋肉」とは「努力」と言い換えることが出来ました。
1988年ソウル五輪で、努力が才能を打ち破ったとき、私はスポーツの真髄を目の当たりにした衝撃を受けました。
しかし、そんな感動の時間は長く続きませんでした。
大勢のカメラマンのフラッシュから逃げるように金浦空港から出国したジョンソンの姿は、あまりにも弱々しく、私は「努力が否定されたわけじゃない」と、必死に自分に言い聞かせていました。
わずか数日間の熱い感動は、あっという間に冷たい幻滅に変わってしまいました。
「ジョンソンが生まれたジャマイカがカナダや米国や日本のように豊かな国だったなら、ジョンソンは悪魔の誘惑に勝てたんじゃないか」…そんなことを考えていたのを思い出します。
貧しい国から逃れてカナダにやって来たアスリート。
彼らの純真な眼差しに、どういうわけだか哀しい色を見てしまうのは、私だけではないでしょう。
自分の生まれた国を捨てたいと思って、捨てる人なんて、いるわけないのですから。
ふてぶてしい髭面のロシア生まれのカナディアン、アルツール・ベテルビエフが日本時間の14日、ケベックシティのビデオトロンセンター特設リングに上がります。
コメント