マーロン・タパレス、逞しいフィリピン・スピリッツが血液に流れる実に面白いファイターです。

ただし、世界基準で強いのか?となると…。王者になれたのは、4団体17階級時代だからの一点に尽きる、有象無象王者のひとりにすぎません。

安定王者、強豪王者になることはまずあり得ません。

自慢のパンチもスティーブン・フルトンよりはマシというだけで、世界基準で見ると特別なものではないのはこれまでの試合が物語っています。

そのキャリアに輝く大金星、ムロジョン・アフマダリエフを大番狂せで下した試合も〝勝ちに不思議の勝ちがあり〟という内容。

もちろん、アフマダリエフ視点では〝負けに不思議の負けは無し〟。

それでも、再戦となったら、やはりタパレスが圧倒的不利のアンダードッグでしょう。

スクリーンショット 2022-06-16 0.40.02

では、タパレスの、井上尚弥への〝挑戦〟はノーチャンスなのか?

二つのKO負けを含む三つの敗北に、いくつものクロスゲームを潜り抜けてきた31歳のフィリピン人に対して、30歳のPFPファイターは25戦全勝22KO無敗、全ての勝利を文句無しの明白な形で収めてきました。

戦力マトリクスを作成したとして、タパレスが井上に優るどころか、互角に近い項目すら一つとしてありません。

好戦的で防御に欠陥を抱えるタパレスは、井上にとってオーダーメイドのファイターです。

予期せぬアクシデントでもない限り、試合が3人のジャッジペーパーに委ねられることはないでしょう。


では、対タパレスにおいて、モンスターに死角はないのか?


明白な勝利しか知らない井上ですが、25戦の中には気になる試合もありました。

その3試合を振り返ります。